4次元の前線 ( ゜д゜ )ガタガタッ
いつもタイトルが本文書き終わったあとに決まっていく。
「やっぱ無理やったな。」
「それはそうだな。たとえ完全な状態であれども、勝てないことは分かっていたがな。」
死亡したことにより観戦席に飛ばされた日喰比と黄昏は前方に座っている明星と陽無に向かってそう言った。
「お前ら邪魔だよ。」
「明星。子供すぎるぞ。ただでさえ無職なんだ。もう少し落ち着け。」
「無職って言うな。」
無職なのか。無職なんや。
日喰比と黄昏はそれぞれそう思う。
「しかしこの戦いどう見る。今の或時は禁忌術式を発動させている。」
「いやステージだな。」
「道やろ。」
ここで何故か陽無・日喰比・黄昏によるネーミング争いが始まる。
「でもそれを発動させている場合、セコンドハンドに勝機があるかって話だよ。或時については私たち殺死名も未知なところは多い。」
明星の一言で1度3人はネーミング争いを中断し、席に座る。
「当たり前だ。或時家は1人だけ。彼以外の家族は昔あるやつに殺されている。」
「NAR●TOで言うところのうちは一族みたいなものか。」
「でもそれって。」
「ああ。今は亡き元夜行。八雲放浪。彼が殺したという噂だ。」
「八雲ってあだ名だろ。本名は加賀刹那とかじゃ。」
「いや、日本人では無いはずや。確かヴォルフガング・リスト・クロイツェルとかじゃないん。」
「それはフランスでの名前でしょ。それにそれも偽名だったはず。だから可能性としては空羅魈と名乗る人と同一人物と・・。」
「空羅魈は200年前の伝説だろ。そんなやつと同一人物なわけが無いだろ。」「それに彼は仙人に近しいけど、旧楽のとは劣るわ。だとしたら夜行の素質を持った或時家の一員は殺されないはずやで。旧楽でなければやけど。」「それに空羅魈は無殺傷をスローガンとしている救いの使いだ。その掟を破れば死ぬのは明白。その危険を鑑みても行うものでは無いはずだ。」
何故か明星の仮説のみが全員に向けられる。
どっからどう見ても囲って矛先向けてボコボコにしているようなものである。
そしてまた泣きそうになる。
これだけは言える。もうやめてやれ。
「でも。結局或時が現状有利ってことだろ。」
確かにそれは日喰比と黄昏も同意見であった。
この2人はまだ櫻木が必殺を返す技。死線については知っている。しかし櫻木は日喰比との衝突の際に使用してしまった。
使用限度が1日1回となっているわざ。はっきり言って誰のせいだと言えば日喰比のせい。
お互いスキルのラスト1個を開示していないが、それでもなお櫻木が劣勢であることには変わりない。
櫻木の茨を一掃した或時はすかさず攻撃を仕掛ける。
櫻木はその1発1発を受け流しながら度々攻撃を与えようとするが、やはり或時の強さが表に出てしまっている。
或時が永遠と称されるのは過去や今、そして未来にさえ干渉する程の計算高さでは無い。
いちばん厄介なのは、攻撃力とそれに裏付けられたタフネス。
あらゆる攻撃を持ち前のパワーによって相殺することでダメージを緩和させ反撃し、その反動を全身で耐えている。
なおかつ黒色化に入らず領域を展開している状態では情報量による脳死を起こす。しかしそれを平気で耐えることができる。
肉体面・精神面でのタフさもあるが、もう一度言おう。或時は永遠の存在。
当然戦闘での適応能力も高い。
或時の速さが櫻木を一瞬上回る。
櫻木は或時から放たれる死角からの無生を反射的に避ける。
その時或時は櫻木の頭を狙っていた。
すると櫻木は或時が放つ拳を両手を開きガードする。
「どういうことだ。そんなことすれば両腕が吹き飛ぶぞ。」
日喰比は櫻予想外の行動を見て立ち上がる。
櫻木は或時の拳を掴み、そのまま両足を腕に挟み、そこから折った。
ここに来て一か八かの関節技。
櫻木は拳の勢いにまけ、或時の前方に吹っ飛ぶ。
でも幸い腕は無事であった。
「まさか腕を折るとはな。」
脱臼は確かに復旧することは可能ではある。だが、骨折は部位の表示が破壊となる。そのため動かすことは困難。
いくら最強の一撃を与える拳だからといっても、根本的な腕が破壊されれば、攻撃することだって不可能なはず。
まあでも依然劣勢なのは変わらない。どの道俺は一撃当たれば即死だからな。
でもこれで無生を封じた。いくら最強の一撃だといえども腕に来る負担も相当なもの。
もし行えば腕は完全に崩壊する。
しかし或時はその状態も気にせず、そのまま攻撃を行う。
だけどそれは見切れる。
すると櫻木は立ち止まってしまう。
なんだこの違和感。足が震える感覚は。一体どこから。
蒼転
放たれる拳は青白く光る。それは、ゲームの世界とかじゃない。
物理的にそうさせている。原因不明・証明不可な現象が起こる。
櫻木は後ろに数歩程飛ぶ。
拳はギリギリ櫻木に衝突しなかった。
だけどその攻撃はそれ単体ではない。その後に起こる追加の攻撃が飛んでくる。
拳をふるうことでその衝撃波を飛ばす一撃。
見えない手の襲来。
櫻木は突如その不可視の一撃を与えられ、吹っ飛ぶ。
今のって。前の事務所の社長が使ってた拳を飛ばす技。
でもさ。その対処も知ってんだよな。
櫻木は足を地面に滑らせながら着地する。
「まさか拾ってたとはな。陽無のワイヤーを。」
たとえ衝撃波といえども、格子状に刻めばある程度は分散する。
「正解。あとついでにこれもな。」
すると或時の手に何かが通る。
一瞬すぎて気づかなかった。いや、気づかせる合間も消えた感じ。
「今投げたの、うちのクナイや。」
「はっはーなるほどな。或時の腕を折ってから地面に転がったあの時に回収したのか。」
「だとしたら或時は怒るな。永遠の存在が、永遠を使われたからな。得意とする過去の事象を扱われる。これ程或時のプライドを貶す方法はない。」
「タイムレス。いや刹那。もうお前死ぬってことでいいよな。」
「そんなわけないだろ永遠。これが刹那から永遠に向けての宣戦布告だからな。」
殺し屋コラム
八雲放浪とは
八雲放浪は本名不明はおろか存在不明となっている裏社会の中の都市伝説的存在。
ただ分かることは夜行の中でも死なずに引退したとされる凶者。
ちなみに既に本名の一部は結構前から出てきています。




