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最強の殺し屋は引退した後ゲーム廃人になるらしいです  作者: ドンドコ
ガンフラ 5章 コンフュージョンケテル
150/204

外道よ。汝拳を相手に シュー =͟͟͞͞⊂(⊂ ‘ω’)

2024不穏しかない。しかも母方の実家が震源地近くだったのでマジで心配だった。

 永遠は刹那の集合体であり、刹那は永遠の一部分である。

 文学的観点ならば永遠は果てしない長さ。刹那は一瞬。数学的観点ならば刹那は100京分の1。永遠はそれらの無限回の合計。

 そして戦闘の観点においては一体何を示すのだろう。

 刹那と永遠は相容れない性質でもありながら共通項でもある。勝つのは一体どちらか、それは彼らでも知れない。

 ただ引き分けが無いことは互いに知っている。


 こいつ。後ろからいきなり蹴ってくるとは戦いに対してプライドもないのか。

 あの野郎。目が合った瞬間に逃げ出すなんてどういう考えしてんだ。

 いや、むしろそれこそがあいつの狙いか。

 「或時。始まってからずっと逃げてたのはこのためか。味方が互いに力尽きる。それを見越していたのか。」

 「そうだね。俺はそこまで計画していたって言ったら。どうする。」

 櫻木は考える。だけどはっきり言って現実では死んでいないのだからそこまで怒ることでもない。

 むしろ俺だってそうする。というかそうするつもりだった。でも勝っちゃったから実行しなかった。

 「へえすげー。」何故か感嘆の声が出てしまった。

 「ありがとうございます。」そして彼は上を向きながら叫んだ。

 マジで何これ?

 「というわけで死刑執行。」

 或時は足を踏み入れ、そこから拳を振り下ろす。

 櫻木は当然避けたが、少しその動作に戸惑っていた。

 或時は先程とは違い、速度が付いている。重機であった彼が、今では暴走する2トントラックにまで進化していた。

 というか明らかにゲームバランス崩壊してんだろ。なにこいつ。たった1歩踏み入れただけで地面に亀裂が入るとかマジ狂ってんだろ。 

 そこから連続で或時の無生が繰り出される。

 連続で出すため威力はもちろん低くなる。しかし日喰比を殺したあの一撃が脳裏に焼き付き、櫻木は相殺という手段を行わなかった。

 あの一撃はまさしく人類最強の一撃である。防御しても意味が無いと感じるほどに。

 でも、そんな連撃ばっかじゃ、隙は簡単に生まれんぞ。

 或時の一撃を避けたその時、櫻木そこから或時の足を払う。

 しかしそれは無効化された。なぜなら足が動かなかったのだ。

 「足払いで勝てると思ったか。そもそも基盤となっているものが足なんだからな。」

 或時の戦い方の基は中国拳法の八極拳であり、主に震脚を利用した重心移動で放たれる一撃。

 そのため、足払いなどの攻撃を行おうとも地面に深く刺す強固な足を動かすことはどんなやつであっても効果は無い。

 すると櫻木は足払いを行った体勢から或時の顎を蹴る。

 アッパーカットの足バージョンな感じで。

 しかしそれでも或時は怯まない。

 そこから櫻木の足を掴み放り投げる。 

 現在櫻木は或時の頭上で浮いている。

 完全に主導権を握られた。もしここで或時があの一撃を与えれば間違いなく死ぬ。

 ここで死ぬということは現実世界でもそれ相応のことが起こるというもの。

 或時のあれはゲーム内の産物じゃない。現実世界でも放つことが可能だ。

 だからここで、諦める訳にはいかない。

 この時櫻木は実行する。

 死線を2度発動させると。一か八かの挑戦を。

 しかし或時はその一撃を出さずに威力を弱めた一撃を放つ。

 拳に力が入らない状態を空中で見極め、櫻木は無生を放つ。

 結果互いの拳は同時に当たり、相殺することに成功。

 櫻木は無生の反動で或時と離れた位置で着地する。

 今こいつ警戒したのか。

 死線の発動に。完全な発動はもうできな・・

 は。そうか。あいつは知らないんだ。

 死線が既に発動されていることに。

 そう。あのフレンドリーファイアという日喰比の強襲で咄嗟に櫻木は死線を発動していた。

 その時或時のチームはいなかったのだ。第一被害にあった相手は日喰比である。

 つまり今威力を弱めたのはそれの警戒。まあそれでも一撃必殺に近いものというのは変わりない話なんだが。

 しかしまさかあんなプレミがこう役立つなんてな。

 でもこれでいい収穫がとれた。

 あの一撃は恐らく即座に発動不可能。何かしらの溜めがあるということか。基本的に放つ無生が通常攻撃ならあの一撃はチャージ攻撃みたいなものか。

 じゃあ恐れる必要もない。

 すると或時は手に持ったスーツケースから刀を取り出す。

 前言撤回。警戒する部分あったわ。

 あの刀確か光った時に当たると動けなくなる時があるとかだっけ。

 「長考している時に悪いけどさ、俺らこの戦い楽しくねえのかな。」

 「何がだ。」

 「まあこんなこと言うのはあれだけど。俺は殺し屋として、夜行として戦ってるけど。ぶっちゃけるとワーカーホリックみたいな性質あるんだよね。わかる?」

 「あー。戦闘狂が何言っても伝わんねえわ。」

 「そう。戦闘狂だ。」

 ・・・それだけ。だったら別にそれだけじゃなくとも。 

 すると櫻木の足に刀が刺さる。光輝く刀が。

 その刀が消えると同時に或時は走り出す。

 まずい完全に油断した。こいつ馬鹿なフリ得意なのか。

 「くそ。馬鹿にやられた。完全に馬鹿なやつが馬鹿なこと言ってたから馬鹿だと信じた挙句馬鹿に騙されてしまった。」

 「何回連呼するんだよ。心痛くなるわ。」

 櫻木はそれを避ける。おそらく今の状態はスキルの使用不可か。だとしたら茨やその他が使えない。

 実に困った。そして人の心があったことが驚きだ。

 「その顔なんだ。アンビリーバボーみたいな顔をするな。」

 「仰天ニュースじゃないのか。」

 「テレビ番組の話は」

 「すきあり。」

 スキルが回復し、地面に植えた茨を出現させ、或時を押し戻す。

 流石にあいつもただの人だ。前方に来る勢いに逆らうことなんて不可能だろう。

 ただまああいつを人と認識するのは

 「やめた方がいいな。」

 「お互い様な。」

 或時は複数の茨を拳で消し飛ばした。

   

 

 

 

 

なし。


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