6殺(むごろし)環状線 其の二十 ( ˆᴘˆ )ウプ
年末というか今年中には黄昏、日喰比、明星、陽無の戦いが幕を閉じます。
櫻木と或時の戦いは多分5話ぐらいやるのかな。
Q■■将来何になりたい?
Aヒーローになりたい。
小さい頃の彼女は笑顔でそう答えていた。
忍びとしての家系に生まれ、他の名家よりも劣っていることに家族全員は嫌気がさしていた。
家主である父親は母を何度殴ったのだろう。母は何度誤魔化したのだろう。
忍びとしての家系。特に潜入などのスパイじみたことを主流としていた彼女の家では、殺人鬼となるものが現れないと思っていた。
だけど事件は起こった。
誰もそんなことを考えるはずは無い。
まだ8歳の彼女が肉親である父を包丁で喉を突き刺したのだから。
恨んでいたのか?そんなわけが無い。だからこそ彼女以外は狂気だと感じた。
忍びの家であれども、殺人術を教えるのは十を超えてから。そうでないとこういうことも起こる。
しかしこれは完全なイレギュラーだ。むしろエラーのようなものだ。
たとえ暴力を振るう父親もれっきとした忍者。殺人術も身につけていれば、それの対処法も身につけている。
しかし彼女と父親には産まれた瞬間、否生命が誕生した時に、彼女に勝つことが出来ないことは明白であった。
父親を殺した後、彼女は「ははは。正義は勝つのだ。」と包丁を上へとかざし、喜んでいた。
その瞳の中心には黄色い十字架が刻まれていた。
黄昏の変化を見て陽無は動揺する。
禁忌術式の開眼。黄昏家はそういう奴はいないんじゃ。
いや、だからなんだ。開眼したから諦める?ふざけるな。俺の領域で塗りつぶせばそれでいい。
陽無の領域は十獄療法の種類によって変化する。そのため十獄療法が行われる前は領域が不明なため、殺死名にとってはかなりの天敵となる。
いくら対策しようとも10種類の技をすぐに見抜くことは不可能に近い。
すると黄昏はサプリを口に入れ噛み砕く。
そして注射器を出し、腕に刺しこんだ。
パワーゲインとアドレナリン。
パワーゲイン
使用すると攻撃力が最大値に達する。ただし2分後に副作用で全ステータスを大幅にダウンする。
アドレナリン
使用するとHPを1にし、スピードを最大値にする。ただし2分後副作用でアイテム・スキルを使用不可にさせる。
黄昏はこの2つを使用。
「陽無。ヒーローとは、遅れてやってくるのさ。」
黄昏は1歩足を踏み出すと、姿が消える。
それと同時に陽無は空中に浮いていた。
今。何が起こった。
恐らくあの2つは、ドーピングのようなものだな。あの攻撃よりも恐ろしい。
だが、ここから挽回するだけだ。
[3,2,5]
陽無はゾロ目を出すために無闇にサイコロを振るう。
黄昏の姿を視認できない今、狙って放つよりもゾロ目による無敵状態を引くことを優先する。
陽無は着地し、ワイヤーを広げる。
十獄療法 牡丹旋
牡丹旋は十獄療法の中でも領域の範囲が広く、トラップにも運用可能。
サーチするのにうってつけである。
そして陽無は黄昏を感知する。
十獄療法 蛇対
[2,2,2]
十獄療法とサイコロによる集中攻撃。
その時陽無はビルに叩きつけられていた。
だが無敵状態となっていたため、ノーダメージ。 そして動体視力も強化されているため、黄昏を視認することが出来た。
しかし陽無は再び動揺する。
こいつ。領域がない。いや、視認できないのか。それとも同じ・・・
「違うわ。うちはそれを領域じゃなくて、道って呼んどんねん。」
背後からの猛襲。
十獄療法 丑裂
ワイヤーのグローブによる攻撃を行うも、黄昏はそれを超える速度で押しつぶす。
[5,4,1]
サイコロが振られ、ビームが放出される瞬間黄昏は陽無から離れる。
ビームは放出されたが、案の定ターゲットを見失いさまよっていた。
道?一体なんなんだ。
道は何を示している?
そう考えていると黄昏は姿を現す。
ビームは黄昏に向かうが黄昏はまたもや姿を消し、陽無にドロップキックを行う。
ビームは急激な方向転換により、ビームどうしの衝突によって爆ぜる。
陽無は咄嗟に反応し防御したが、黄昏は陽無の腕を足場にし、そこから跳ぶ。
ヒットアンドアウェイの戦闘。今の黄昏はそれを行っている。
だが足は縛った。
黄昏の足にはワイヤーが巻きついていた。
いくら早くとも、姿が見えなくとも、このワイヤーがある限り逃れることも出来ない。
その時陽無の周りのビルがどんどん倒れていく。
そして陽無は転んだ。
そこから頭を強く踏みつけられる。
「さすがワイヤーやな。耐久性は1級品ってわけか。」
黄昏はそう言いながら足首に巻きついていたワイヤーをクナイで切り落とす。
「お前。どうして。」
「まあ走っとるだけやからな。ただこれ長さに制限とかないん。ずっと伸びとったからむっちゃ不安やったけど。」
[3,1,4]
陽無はサイコロを振るい黄昏を剥がす。
そこから立ち上がり、ワイヤーの防壁を展開。
黄昏も察知し距離を離した。
「もしかして。足に巻きついたワイヤーでここら一帯と俺の足をはらったということか。」
「ついでに足をすくったわ。」
「正直舐めていた。だけどこれで覚悟は決まった。」
そうやった。こいつ奥の手を出してもないんや。
陽無の無敵状態が終わりを迎える。
「ロールモード」
陽無の手元にあったサイコロが圧縮・混合が行われ、100面ダイスに変わる。
「黄昏。命ははっきり言って運のようなものだ。生きていたら幸運で死んだら運が悪かった。医者はどんなに治療不可能に近い病気でもそれ相応の対処をする。手術は患者の意志で決まるがその責務は医者にある。それに、医者はギャンブラーと同等であり、別種でもある。唯一の類似点は確率が低くとも実行する意志だ。だから俺はここで一か八かの賭けに出る。」
100面ダイスが振るわれた。
ロールモード
サイコロが1つの100面ダイスとなり、その数値によって効果も変わる。
1~5はクリティカル。6~50はサクセス。51~95はミス。96~100はファンブルとなっている。
現在の黄昏はパワーゲインとアドレナリンを使った戦闘中毒者。全てが最高値にあるため、陽無はここで1~5以外を出してしまうと負けが確定する。
机上での確率は5%。しかし実際は0.003%
1~5が出る確率だけ大幅に下げているのだ。
しかし陽無は掴んだ。
その絶望的な確率を。
[5 critical]
陽無は1分間主人公のバフと、永続的にビームを放つことが可能となる。
「さあ戦おうか。」
「ああ。死合いをしよう。」
陽無のクリティカルによる恩恵は1分。
黄昏のバフも残り1分。
陽無と黄昏はこの1分で勝敗が決まる。
ガンフラ豆知識
ギャンブラー(ダイス)について
ギャンブラーはサブウェポンにダイス・牌・札と3種あり、それによってスキルも変化する。
サイコロを振るうと出た目の数のビームが発射される。
サイコロを3個振り、ゾロ目になった時フィーバー状態となり全てのステータスが最大値となりサイコロによる攻撃が追尾型となる。
ロールモードによるスキルではクリティカル・サクセス・ミス・ファンブルとなっており以下の通りとなる。
クリティカル・・・1分間主人公のバフと永続的にビームを発射することが可能。その時ビームは追尾型と直線型に切り替えることが可能。
サクセス・・・1分間ステータスを大幅に強化し、永続的にビームを発射することが可能。その時ビームは追尾型と直線型に切り替えることが可能。
ミス・・・1分間ダメージを軽減するが、1分経過後ダイスを使うことが不可能となる。
ファンブル・・・全ステータスを最低値にする。また、カウンター戦などのリスポーンありのバトルの場合復活することが不可能となる。
また、ロールモードは1試合に1回しか使うことが出来ない。




