6殺(むごろし)環状線 其の十九 ( ˆᴘˆ )ウプ
多分サンタって無償で子供たちにプレゼントしてるけど、よくよく考えたらプライバシー勝手にのぞかれてるから裁判でそれ言っちまえぼサンタ起訴できるんだよね。
今のってサイコロと、ビーム。
「まあこれだけは行う気もしなかった。しかし状況も状況だからな。こうするしか無かったんだ。」
陽無は再び3つのサイコロを投げる。
[2,3,1]
そこから計6つのビームが同時に放出される。
黄昏はそれを避ける。
その時、陽無は近くまで来ておりそこからワイヤーによる追撃が行われる。
黄昏はそれを飛んで躱し、そこからかかと落としを行う。
そして陽無はその行動を補足する前にサイコロを投げていた。
[6,3,3]
ゼロ距離のビーム砲が黄昏に迫る。
武核術 偽欺傀儡
反射的に黄昏はスキルを発動し、ダメージを軽減。
しかしその隙を陽無は見逃していない。
十獄療法 虎苦
しかしワイヤーで作られたドリルは黄昏の腹部に当たり、じわじわとダメージを与える。
たとえスーパーアーマーの状態であっても、連続的にダメージが入る攻撃にはかなり体力が削られる。
先程までの攻撃はワイヤーによるトリッキーで多彩な攻撃であったが、今回はそれにビームが複数弾飛んでくるという遠距離にも対応した形となっている。
一言で言えばウザイバランス型。
そして黄昏も現在攻撃を行えない。
黄昏は最高速度の攻撃を繰り出すことが可能ではあるが、その全ては直線的な動作である。
そのため、行動が読まれやすい。
[3,2,4]
間髪入れずにビームが飛んでくる。
黄昏はクナイを用意するが、その数は残りわずか。
遠距離による攻撃を行うにしても足りない。
陽無は既にビームの発射と共に動き出している。
迷うなや。動き出せ。
下から迫る陽無を見て、黄昏は勢いよく走り出す。
ビームの軌道は直線。ここから派生するようには動かない。
それに、サイコロとワイヤーを同時に動かすことは出来ない。メインとサブを両方同時に使う職業はかなり少ない。
それにサイコロを武器として固定しているのなら、かなり絞れるけど。
うちこのゲームというか訓練システムは何にも触ったことないねん。プレイしてから今日合わせて2日やで。
やからこんな考察?というのは気が向かん。
やったら思いっきり暴れろ。
黄昏はブレーキをかけながら方向転換する。
[2,4,1]
サイコロを手前じゃなく違う方向に。
すると複数のビームが黄昏の前方を通る。
進路妨害。まさか。
黄昏は後ろに方向転換しながら回し蹴りを行う。
するとワイヤーが黄昏の視界に映る。
ワイヤーは黄昏の首にいく。
まずい。
十獄療法 馬鹿
陽無はワイヤーによるギロチンカッターを行う。
その時黄昏は、クナイを手に取り陽無の両手に傷を付ける。
首はしまったが、陽無のワイヤーを引く力が弱まったため、何とか抜け出した。
そこから姿勢を低くし陽無の足を引っ掛けた。
陽無は体勢を崩す。
その瞬間黄昏はクナイで体中に傷をつけた。
ここで・・・ここで倒す。
陽無のHPが着々と減ってきている。
その時サイコロは回る。
陽無の職業はギャンブラー
ダイス・牌・札といったサブウェポンがあり、その種類によってスキルとパッシブが変わる。
陽無はサブがダイスとなったギャンブラー。
そのパッシブはダイスがゾロ目になった時に発動する。
ダイスがゾロ目になった時、ゾロ目の数字×3の追尾型のビームが発射される。
また、1分÷ゾロ目の数字の時間中全てのステータスを最大値にする。簡単に言えば、一時的に無敵状態となる。その状態の時サイコロによるビーム砲は追尾型となる。
[4,4,4]
武核術 偽欺傀儡
咄嗟にスキルを発動し、丸太を盾にする。
しかしビームによって一瞬で焼かれる。
十獄療法 丑裂
陽無の攻撃が連続で繰り出される。
黄昏はそれを防御する。しかし、その一撃を貰った瞬間感じ取ってしまった。
最強の一撃。下手すれば或時の一撃を軽く超える。いや、それさえも眼中に無いようなほどの威力を受けてしまったのだから。
スーパーアーマーの状態でも一撃をガードしたとしてもHPが5分の1ほど消費された。
黄昏は逃げる。危険だと思ったから。逃げたいと本能で感じ取ってしまった。
「逃がすか。」
十獄療法 猿匠
陽無はワイヤーでビルの瓦礫を掴み投げる。
その後、サイコロを振るう。
[5,5,6]
サイコロによるビームがビルの瓦礫の周りを囲むように放出される。
武核術 陽炎
スキルによって空中での方向を変える。
そしてビームも同時についてくる。それは黄昏が意図していないものであった。
そして、陽炎にも弱点がある。
陽炎は自身の視界方向に数メートル飛ぶというシンプルなスキル。
その方向は直線的となっている。
陽炎はそれを見抜いていた。
十獄療法 封の極 偽善蜘蛛
猿匠で投げつけた瓦礫に1本のワイヤーが陽無の手元まで伸びており、それが引き切れる。
その反動による攻撃は感知さえも不可能に近い。亜音速に近く、極細の鉄糸が黄昏に迫る。
黄昏の片手がスパンっと切断された。音もなく、綺麗に。
そのワイヤーは後ろから迫るビームに当たり、爆発する。
幸いなことに黄昏は追撃を受けずに済んだ。
黄昏は着地する。
そして失った手を見る。
「やはり奥の手を出すまでもなかったか。」
陽無はサイコロを振るう。この時サイコロによる無敵状態はとっくに切れていた。
陽無は黄昏の顔を見る。その時、陽無の足が震え出す。
何故だ。何故脅える。
[1,1,1]
ビームが黄昏の前に迫る。
その時、黄昏の姿が消える。
追尾型となったビームは黄昏を追うはずが、黄昏の姿が消えたため彷徨う軌道で辺りに飛び交う。
すると全て爆発した。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を・・・・なんやったっけ。」
陽無は声のする方向に目をやる。
「せめて覚えておけ。」
「知らんわそんなん。うち日本に興味無いねん。どちらかと言えばアメコミや。スパイダーマ。」
「その言い方は日本版の奴だろ。」
十獄療法 龍縄
黒い鉄縄が黄昏を両断するが、黄昏の姿が一瞬で消える。
早い。というより
「舐めプデース。」
ちっ。調子が狂う。
「まあいいねん。奥の手出しとらんのあんただけやと思うとった。」
黄昏は目を見開く。
黒い瞳の中に黄色い十字架が浮かび出る。
ガンフラ豆知識
防御力について
ガンプラでは防御力を上げるバフやアーマー状態でダメージを軽減することが出来る。
アーマーの時だと被ダメージ50%カット
スーパーアーマー時だと70%カット
また職業戦士では吸収アーマーという特別なものもある。




