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最強の殺し屋は引退した後ゲーム廃人になるらしいです  作者: ドンドコ
ガンフラ 5章 コンフュージョンケテル
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6殺(むごろし)環状線 其の十四 ( ˆᴘˆ )ウプ

寝たいです

 「ひとまず作戦はこうだ。」

 日喰比は笑顔で2人に言う。

 「まず初め。我輩と陽無、黄昏と明星を相手取る。セコンドハンドは或時の対処を頼む。」

 「へえ。意外やな。」

 「何がだ。」

 「当たり前やん。あんなさ、明星は我輩がやるとか言ってたくせに。」

 日喰比は先程までの発言を思い返す。

 そういえば・・・あれ?そんなこと言ってたっけ。

 「言ってないぞ。」

 「うーん。じゃあうちの気の所為かもしれへんな。まあわかったわ。」

 「それで。或時の対処をお願いするって言ってたが、具体的にどうする。戦闘に移行してもいいってことでおーけー?」

 「はっはー。まあなるべくな。我輩達の目的は或時を殺すこと。他はどうとでもなる。」

 日喰比は胸を張って自信満々にそう言う。 

 ぶっちゃけた話そうなのだ。

 或時は俺と互角、そしてこの2人とも渡り合えるのであるならば、或時を3人で対処すればいい。

 或時がキルされれば、残りは陽無と明星。

 陽無は未だスキルを使っていない。日喰比と同様に。

 しかし明星の情報はほとんど開示されているもの。

 それにこの2人は勝つことが可能なのだろう。

 だからこそ危険因子となる或時を潰す方向で考えるのならば、先に陽無と明星を殺す方が妥当である。

 「じゃあ行こうか。」

 日喰比は黄昏と櫻木にハイタッチし、そのまま直進していった。

 「じゃあうちも行ってくるわ。」

 黄昏は日喰比とはまた違う方向に進んでいく。

 「行っちゃった。・・・まあ或時を探すことに専念するか。」

 櫻木は進もうとしたが、足を止める。

 「そうだ。あのことが本当か調べないとな。」



 「しかしいないな。」

 まあ相手の動きが分かるわけでもない。特に或時の位置がいまだ不明な所はかなりの痛手である。

 だがマーキングの効果は切れているから、少なくとも不意打ちの可能性は低い。

 すると日喰比の視界に少しだけ光る物体が微かに横切る。

 日喰比はそれを発見した瞬間、足を止め戦闘態勢に入る。

 今のは、ワイヤー。

 でもなにかおかしい。偶然か。はたまた作戦の一つか。

 すると日喰比の首にワイヤーが巻き付かれる。

 「闇討ちはあまり得意じゃないが。まさかこうも上手く成功するとはな。」

 そうか。さっきの光はワイヤーに反射した光か。

 しかもそれを中止させることで視野範囲を狭めた。

 これはかなり厄介なやつだ。

 だがこちらも

 「力強く引きちぎるなよ。そうすれば日喰比。お前の首が飛ぶ。」

 「はっはー。首が飛ぶ。陽無は命を操るのだろう。首が無くては傀儡のように操ることもできないが。」

 「それは死にたいってことでいいのか。」

 すると首に巻き付いていたワイヤーがほどかれる。

 「たかが鉄縄。こんなものは一瞬の隙が出来れば解除できる。」

 「ち。流石に縄抜けの極意は持っていたか。」

 「何言ってんだ。お前自身それを嫌ってたくせにさ。もうちょっと戦いたいんだろ。我輩とな。」

 日喰比のセリフを聞くと、陽無は日喰比が走ってきた経路に向かって走る。

 逃走!!

 まさかこいつ・・いやこいつらの目的は、セコンドハンドを先に殺すことか。

 そんなことさせるかよ。

 日喰比はハンマーでアスファルトの地面を砕き、その破片を蹴り飛ばし、陽無に向かって撃つ。

 十獄療法 封の極 偽善蜘蛛

 瓦礫は粉々に刻まれる。

 なんだ今の。

 そして陽無は体を日喰比に向け、手をかざす。 

 その瞬間日喰比は地面から足を離し、ハンマーをしまう。

 そのまま背中から地面に倒れるような形となる。

 その時、目の前にワイヤーが通り過ぎる。

 なるほどな。今のがセコンドハンドが警戒していた見えない攻撃。

 十獄療法 丑裂

 ワイヤーが腕に巻き付き、強固なグローブと変化する。

 この時日喰比は黒色化に突入。

 背中からハンマーを出現させることで自身の体を上へとずらす。

 そこからハンマーを持ち、陽無の攻撃を衝突させる。

 両者攻撃が反発。

 その時日喰比は地面に着地。

 十獄療法 虎苦

 それを狙うように陽無は攻撃を繰り返す。

 ドリルか。でもな、その弱点ははなから知ってんだよ。

 日喰比はハンマーを構えず、そのまま拳で殴る。

 その時ドリルのように収束していたワイヤーが離散する。

 虎苦よりも強い衝撃。先端が強ければそれを破壊することで攻撃は破綻する。

 「ああそれも。計算のうちだ。」

 すると日喰比の体が急に宙へと舞った。

 空中に逃がした。いや、黄昏ほど器用でないことは分かってるのか。

 「十獄療法 封の極 偽善蜘蛛」

 まさか・・・それ空中でも効果あるのか。いや、あり得る話なのか実際。

 アラクネといった今の技。ワイヤー自体が見えないという訳ではない。

 見えないのではなく、イメージの刷り込みによる誤認から発生するもの。

 そもそもはじめはピンと張ったワイヤーではない。

 初めは垂れ下がった状態。

 そこから張ることで瞬時に作れる壁になれば、それを過剰に引っ張ることでワイヤーが切れた瞬間の勢いを飛ばしている。

 ギターのチューニングのし過ぎによるものだ。

 設置したワイヤーを金属の鞭が襲う。

 だいたいこういったものか。

 まあこれで伝わるな。ここからは選手交代だ。

 [チェンジします。3,2,1]

 そのアナウンスが聞こえた瞬間隠し持ったアスファルトの一部を下に投げる。

 そしてハンマーを陽無とは違う方向に振るう。

 すると日喰比の姿が消え、そこから黄昏が出現する。

 「て。いきなりかよ。」

 アスファルトが切断された様子を黄昏は見逃さなかった。

 彼女はそれを見て、どういった状態。どういった方向でここに来るかという予想を構築。 

 そして空中で姿勢を変え、躱したのだ。

 


 「はっはー。とりあえずワンヒットだ。」

 日喰比のハンマーは明星に向かっていった。

  

 

なし。

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