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最強の殺し屋は引退した後ゲーム廃人になるらしいです  作者: ドンドコ
ガンフラ 5章 コンフュージョンケテル
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6殺(むごろし)環状線 其の十二 ( ˆᴘˆ )ウプ

今気づいたけど、この章結構長くなるんだよな。今回も多分2話ぐらいに分けれそうだったけど、とりあえずひとまとめにしちまった。

 夜行の技術 重歩(じゅうほ)

 全身に来る外力を殺すように、それ以外の力を高める。

 全身に来る重力を殺し、足に力を加え壁にめり込ませるようにし、壁を歩く。

 両者ともに屋内へと移る。

 そして現在互いに武器を構え、様子を伺う。

 先に動きだしたのは、或時であった。

 或時は刀を大きく振るいながら日喰比との距離を縮めていく。

 日喰比はその単調な攻撃を平然と避けるが、反撃はしない。

 この野郎。誘ってやがる。

 だが、それにのる気もないなんざおかしい事だろ。

 日喰比は刀をハンマーではじき、或時の体勢を崩す。

 そこから蹴り上げ、或時から刀を手放させる。

 刀は空中を舞い、地面に転がる。

 しかし或時は拾う素振りを見せずにそのまま素手での戦いに変更。

 やはりこの選択こそ或時らしいな。

 或時の基本的な戦闘スタイルは素手による近距離戦。

 そのため武器を扱えるかどうかは不明ではあったが、さっきの刀の扱い様を見ると、おそらく素人に毛が生えた程度だろう。

 でも簡単に手放すと考えると、武器に対してはあまり執着がないらしい。

 まあでも、それで勝ったことにはならないが。

 或時の攻撃を日喰比はハンマーで攻撃していく。

 するとここでミシッという音が聞こえる。

 日喰比はその音を聞いた瞬間、即座に後退した。

 まさか、耐久値が限界に来てるのか。

 たとえ或時の攻撃をさばいても、それは完璧に打ち消しているとは限らない。

 ここに来て、日喰比の武器に限界が来た。

 どうする。このまま防戦一方の状況を繰り返すのか。でもそんなやり方じゃ勝つことは出来ない。

 ここで何としても倒さなくてはならない。

 現状体力差はほぼほぼないでいいのだろう。

 だが或時だ。どんなダメージも高出力の攻撃で無効にしてしまう。

 あの時にあった手榴弾による爆撃を、まさか足を思いっきり踏んで爆撃を殺すとは。

 そこから建物が崩れたのは手榴弾による爆発ではなく、地面を強く踏んだ際に生じた地響きだ。

 ・・・待てよ。どうして我輩はそれを認識できたのだ。

 死角にいた或時をどうやって。

 「・・・ああそうか。はっはー。だとしたらいいものだな。」

 「ありゃ。いきなり叫ぶとか、頭いか」

 「イカレテなどいない。むしろ絶好調だ。」

 今なら出来るな。十字の世界(ステージ)の幕は上がらなくとも、ストリートのように整備されなくとも行けるはずだ。

 新しい境地へと。

 或時は日喰比の様子を見て何かを察する。

 なんだ今の。鳥肌が立つぐらいに恐ろしいことが。

 或時はこの戦いをすぐに終わらせようと、日喰比に向かって走る。 

 まるで彼を危険因子だと捉えるように。

 今までの或時とは違った奥底から現れる恐怖。

 その対象は、目の前にいる日喰比を指している。

 彼の映る瞳。黒から朱色の十字模様が中心から浮き上がってくる。 

 そしてその十字は黒い瞳と共に消えた。

 消えた。ただの思い違いだったか。

 すると日喰比はハンマーを思いっきり或時に向かって投げる。

 だがハンマーは或時とは違う方向に飛んでいく。

 その瞬間或時は両腕を交差し、防御の姿勢を取る。 

 すると或時は既に外に出ていた。

 否、後方50mまで吹っ飛んだのだ。

 背後に迫るビルのガラスを拳で破壊し、着地。

 そこから拳を作り殴る。

 その拳は突然前方に現れた日喰比に向かうが、片手で軽くあしらわれる。

 無生をこうも軽く。

 今の攻撃は或時が本気で出した速度。その速度は櫻木が放つ無生と近い。

 それを軽く手の甲で受け流したのだ。

 日喰比は或時の足を掴み、奥の壁に向かって投げる。

 或時は外に出たが体を大きくひねり、重歩で窓に着地。

 「はっはー。その壁歩きはこの状態でもできないということは、これは貴様の技術とみていいのだろう。」

 「ああそうだよ。で、なんでこんな強くなってんだ。ありサンマークみたいな返答はごめんだぜ。」

 「なんでか。貴様なら分かってることだろ。むしろこれができなければ、十字の世界の本質をも理解できない。さっきまで我輩はルールという既定の物事で行っていた。数学の公式をそのまま使うように。ただ得た知識を活用していただけにすぎない。だが、今は違う。それをあえて捨て、自由という制約のないやり方を身に着けた。受験生用に例えるなら、英単語をただ覚えていたけれど、それを活用せずに長文を読んだまでだ。」

 「なぜわざわざ受験生用に。」

 ※作者あと一週間で大学試験


 十字の世界という遺伝的能力を発現できれば一人前。

 しかしそれが出来たからってその応用は出来ない。

 あれは覚醒というくくりでやってはいけない。単なる才能だ。でもそれを工夫すれば或時や日喰比のような()()()という状態になれる。

 

 「さあ。第二幕といこう。」

 日喰比は或時の頭を掴み地面に落とそうとするが、或時は頭を掴まれたまま勢いよく背中を反って頭突きを行う。

 付近の窓ガラスが大量に割れ、二人は屋内に移る。

 ここはどこかしらの商業ビルのためか、デスクやパソコンなどが置いてある。

 或時は回転いすを蹴り、そこから低姿勢に移動。

 日喰比は或時の姿をすでに確認しているため、回転いすを蹴る。

 しかしそこに或時の姿はない。

 すると日喰比の両足が床に沈む。

 或時は回転いすを死角にし、床に穴をあけ、そこから下へと移動し日喰比の足を引っ張ったのだ。

 日喰比は下の階に行き、そこから或時の追撃をくらう。

 しかしそれを耐え、反撃するが或時はそれを読んでいるかの如く最小限の動きで避ける。

 そのまま互いに素手による攻防に移る。

 両者一歩も引かずに攻撃と防御を繰り返す。

 体力差は今のところ差はない。

 すると日喰比は隠し持ったマグカップを投げ、或時の視線をずらす。

 そのまま腰の力を抜き、しゃがみ、或時の両足を素早く蹴り、転ばせる。

 マグカップ。まさかあの時に回収していたのか。

 だが日喰比の攻撃は終わらない。日喰比は体勢を崩した日喰比に向かって拳を上げる。

 すると日喰比のハンマーが背後から出現し、そのままノールックで手に取る。

 「お前マーベルのソーかよ。」

 まさかあの時は大きく外すんじゃなく、ここに来ることを想定して投げたのか。

 「じゃあな。」

 「ああ。そっちがな。」

  

 探偵のスキル「追討」

 このスキルは一段階目でアタッシュケースを刀に変える。

 そして二段階目で刀の刃先に刺す方向に光りながら飛んでいく。

 その距離に()()()()()

 光輝きながらその刀は日喰比の腹部を貫いた。

 刀は光り輝きながら消えていく。

 この時日喰比の半覚醒は失う。

 「どうやら今回は行動を静止させるか。いい戦いだった。」

 「な・・んで。まさか・・・利用されたのか。」

 「利用?いや別に、あの時刀の方向は上だと通らないからね。だからここに来て欲しかったし。でも、あのハンマーは正直計算外だった。まさか半覚醒による速度を踏まえたうえでのものだったと考えればかなりの出来前だよ。でもこちらの方が一歩上だったかな。」

 或時の片目が元に戻る。

 或時の強さは一撃必殺を放つ火力でも、常軌を逸した夜行の技術でもない。

 或時は永遠である。今であり過去であり未来でもある。

 過去の産物を、そのまま未来におくこともできる。

 それほどまでに作られた精密な計略性を即座に出す。

 それが或時の恐ろしい能力である。

 「じゃあ。」

 或時は拳を振るう。 

 その時日喰比の姿が消える。

 或時は咄嗟に辺りを見渡した。日喰比の姿が消えた。いや、遠くに行ったが正解か。

 マーキングで或時は日喰比の位置を確認する。勢いよく離れる位置に合点が行った。

 「なるほど。黄昏が救ったのか。あの一瞬で。これは侮れないな。」

 でも、そこまで遠くないならこれである程度は壊れるかな。

 或時はマグカップを上の階に投げ、そこから地響きを起こす。 

 床は抜けたが、空中に浮いた瓦礫を拾い、支柱に当てた。

 支柱の半分が消し飛び、ビルが大きく傾く。

 十五階建てのビルの現在6階。

 上の階のほとんどは先程までの戦いである程度の物は前方部分に寄っている。

 そしてビルはまもなく一部分が切り離され、倒れていく。

 例え9階分の高さのビルとはいえ、空中から落ちてくればひとたまりもない。

 ビルの上部が地面に落ち、その衝撃で辺り一面が崩壊する。

 激しい土煙が起こる中、システムはささやく。

 [チェンジします。 3,2,1]

 そのアナウンスが聞こえた瞬間、或時の視界が急に変化した。

 上には降ってくるビルの部分。

 「いきなりこれかよ。」

 或時は手を上に向けて大きく叩く。

 その時の衝撃音が、上から落ちてくるビルを粉々にする。

 瓦礫のシャワーなんざ浴びたくはないが。

 そして或時は再び味方と合流する。

 


 「な・・なんとか。逃れれたわ。」

 黄昏は日喰比を或時の目の前から持ち去り、担いだ状態でそのまま逃走。

 しかしそこからビルがいきなり落ちてきたが、額に当たるすれすれで回避。

 ちゃっかりクナイをあらかじめ投げていたらしく、それを足場にして離れれたらしい。

 「で。動けるん。」

 「いや。後2分は必要。」

 その時遠くで人影を発見する。黄昏。

 或時かと警戒していたが。そこに映るのは見知った顔であった。

 黄昏は声を出しながら櫻木に近づいた。

 

  

今回はなしで

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