6殺(むごろし)環状線 其の六 ( ˆᴘˆ )ウプ
次から更新頻度をかなり落とします。
理由、現在大事な時期のため。場合によったら1ヶ月休載も有り得る
黄昏と明星が戦闘を開始する前。
「お前ふざけんじゃねえぞ。咄嗟に死線使っちまっただろうが。」
櫻木は珍しくキレた。
当たり前だった。フレンドリーファイアが有効化されているのにもかかわらず、日喰比はすかさずハンマーを振りかざしたのだ。
こいつ敵かと錯覚するぐらいに。
そして咄嗟に使ってしまった。ああ。本当に最悪だ。
「はっはー。落ち込むなセコンドハンド。安心しろ。貴様の災難となるものは我輩が取り除いてやる。」
「災難振らせたのお前。」
「・・・・何がだ?」
ああだめだ。こいつ本当に疫病神とかじゃないか。
「それで、なぜ貴様は落ち込んでいる。」
櫻木はそう聞かれると黙りながら日喰比に人差し指を指す。
「なんのマネだ。」
こいつ気づいてねぇ。
「ところで先程我はブラックホールに吸い込まれたんだが、あれは一体どういう現象か考えてくれないか。」
「それ俺。」
というより表現よ。なにブラックホールに吸い込まれた感覚って。こいつ人生上で亜空間にでも入ったことがあるのか。
そこから死線の説明をもう一度。
「なるほど。それが死線というものか。・・・ということは今日はもう発動できないということか。」
「そういうことだよ。やっと気づいたか。」
「ふむ。ならこれはあれだな。縛りプレイというやつだな。」
「違ぇよ。俺の人生かかってる勝負を縛りプレイで乗り切るな。俺からしたらほぼほぼデスゲームなんだよこの状態は。」
日喰比は頭をかきながら櫻木から遠ざかる。
もうこいつ何も言うことなくなったな。今。
すると何かしらの違和感を櫻木は感知する。
櫻木はすぐさま銃を取り出しその違和感の方へと銃口を向ける。
その様子を見た日喰比も同時に警戒した。
日喰比の警戒が1歩遅れた。ということは、あいつのお出ましか。
「背後にいるのにいつまでこっちを向かない。そこの2人。」
2人は同時に振り向き攻撃する。
しかし背後にいたプレイヤーは素手で2人の攻撃を防いだ。
「なんでここにいる。或時。」
「なんで?まあ少し前にマーキングしてたから。」
日喰比の腕から青白い光が少し漏れだしている。
「貴様。あの時のスキルは武器破壊ではなかったのか。」
或時はそのまま大きく後ずさり、2人を見た。
或時は無傷のままである。
銃一発を軽く叩くだけで無効化したのか。それでも、あのハンマーを簡単に受け止めた。
耐久力があるというよりも、どちらかといえば相殺された感覚だ。はっはー。面白い奴だ。
「ああ考え事してて返事が遅れたよ。そう。探偵九つ道具の1つ。瓦解の効果。メイン自体は金槌の変更。そこからスキルをもう一度使用することによって、金槌の破壊力をあげる。まあどの道当てた時に武器を強制的に破壊するって効果。」
「それは我でも分かっておる。だがもう一つだ。それ以外にもあるんだろ。」
「ああそっち。そうだね。瓦解というより九つ道具共通の効果でね。2段階目のスキルを相手もしくは相手のアイテムに当てると、数秒間マーキングできるって効果だよ。今ちょうど切れたけどね。」
マーキング能力か。確かに或時にとってそれは有効な手となる。
でも、2段階目までスキルを保持しないといけないからスキルに関しては制限がある。
「スキル使用はその分しにくいんじゃないか。」
「はっや。見抜くのもえげつないな。」
そのセリフを発言した直後、櫻木はその瞬間或時に近づき、一発蹴る。
或時は反応したが、反撃の時間はなく、そのまま防御した。
「はは。お前。俺の弱点はなから知ってるから攻撃できたんだろ。」
或時は蹴りの瞬間に両腕でガードしたが、その反動が今も来ている。
「弱点?セコンドハンド。あいつに弱点というものがあるのか。一撃必殺を軽く発動できるあいつに、弱点が。」
「あるんだよ。というより、それが一番の弱点だ。」
「こいつ。スピードが基本遅い。強力な一撃は単なるパワーと少しのテクニック。そのパワーの分速度が落ちる。まあでもパワーがある分防御に回せるのが利点だが。」
「解説どーも。でもそれは、そっちも同じだ。」
或時の一撃が櫻木を襲う。
櫻木はその攻撃をひたすら避けていく。
単なる素手ではあるが、それを回避するのもかなりムズい。破壊力がある分、防御してもダメージを防げるかどうか。そのぐらい微妙だ。
櫻木は1歩下がると、後ろから日喰比が櫻木に交代してハンマーで殴る。
しかしそれを或時は片手で相殺していった。
「はっはー。岩さえも塵と化すぐらいの攻撃さえも簡単に防ぐか。」
「そうだな。あと拳に視線行きすぎ。」
或時はハンマーを普通によけ、そこから2発連続で日喰比の腹を蹴る。
しかし日喰比。攻撃を防げないことを確信したのか、後ろに体重をかけながら大袈裟に倒れる。
ダメージを最小限にし、そこから櫻木と交代する。
「蹴りもかなり効く。気をつけろよ。」
「ああ。そんなの分かってる。」
櫻木は或時と日喰比の距離を離すように攻撃を仕掛ける。
或時に対処されることを前提とした動き。当然或時も気づいている。
「でもそんなんじゃ。簡単に殺せるな。」
或時の一撃。櫻木はそれを見てニヤリと口角を上げた。
櫻木は或時の放つ一撃を拳で相殺したのだ。
そしてそこから瞬時に放たれる同じ一撃。
その一撃が或時を遠くへと吹っ飛ばす。
或時は体を起こす。やっとダメージを与えたようなものだ。
「今の一撃。まさか。」
「そうだよ。目には目を歯には歯を。そして」
「一撃必殺には一撃必殺を。」
「なるほどな。でも今のは俺にも説明して欲しい。いつから知った。その技を。」
「いつって。多分数ヶ月前かな。」
そう数ヶ月前。義理の父親であるΦとの戦闘で再現した技。
夜行の一撃 無生
ガンフラ豆知識
マーキングについて
スキルによるマーキングには2種類ある。
その1、マーキングした相手が発光するもの。
その2、マーキングした相手の軌跡が分かるもの。
基本的にはこの2つ。例外としてマーキングした相手の詳細を知るというものもある。
或時の職業探偵らその1に含まれる




