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最強の殺し屋は引退した後ゲーム廃人になるらしいです  作者: ドンドコ
ガンフラ 5章 コンフュージョンケテル
127/204

6殺(むごろし)環状線 其の一 ( ˆᴘˆ )ウプ

今週風邪をひいたり携帯が壊れたりなど、災難ばっかです。


 [カオスマーケット 開始します。]

 ゲームが開始されたと同時に、全員がマップ内に散らばる。

 ゲームのシステム的に、おそらくこれはバトルロワイヤルだろう。

 ロイヤルルールならではのランダムスタート。

 マップは都心。ビル街が象徴のかなり広いマップだ。

 だが、その代わり味方や敵の位置が分からないという欠点と、敵に見つかりにくいという利点もある。

 「まあでも、流石に合流しない方が良いよな。」

 今回の戦い、一番注意しないといけないのは位置が変わるということ。

 それは基本的に味方や敵が近くに居れば戦闘に入るか、もしくは協力するか。そのどちらかだ。

 まあでも今回の場合協力はかなり難しい部類だろう。

 敵や味方がランダムに入れ替わるとするならば、常に戦闘状態に陥ることだって考えれるはずだ。

 だからと言って戦闘をむやみやたらに起こせばそれもそれで対処に困る。

 なら、今回は戦う相手を決めて探すしか方法がない。

 或時なら、ひとまず二人に任せようとするだろう。

 じゃあとりあえず或時を探すか。

 或時を倒せばあとは何とかなるか。日喰比も黄昏もいるからな。

 [チェンジします。 3,2,1・・]

 すると櫻木の景色が一瞬で変わる。

 すると真横からワイヤーの襲撃に会う。

 櫻木は咄嗟に反応し、トランプでワイヤーを切っていく。

 そこから一枚投げ、後ずさりした。

 トランプはワイヤーにつかまれ、回収された。

 「いやはや。噂通りに危険なやつだな。セコンドハンド。こっちは会ったことすらないのに。」

 「会ったことあるだろ。陽無。」

 「会ったことはないぞ。会ったとしても、恐らくそれは妹の瑞樹(みずき)の方だろ。」

 ああ。そうかそうだった。こいつ男だ。

 とはいえなんなんだこいつ。ワイヤーの伸縮作用がえげつない。

 というか自由自在すぎる。伸びたと思ったらすぐに手元に来てて、逆に手元にあると思ったらすでに発射されている。

 あんな風に。

 陽無がワイヤーの塊を片手に集めると、砲弾のように黒い塊が迫る。

 櫻木はそれを避けるが、ワイヤーは塊の状態から解けていき、放射状に綱のような形で飛んでくる。

 それと同時に、もう片方の手で、相殺しないよう精密な動きで一本一本複雑に飛んでくる。

 「これもしかして近づいたらアウトな感じか。」

 「まあそう思ってもいいし、そう思わなくてもいい。」

 ワイヤーは回収され、陽無はそのワイヤーであやとりをする。

 「お前。人を救ったことはあるか。」

 「?いきなり何。」

 「人の命を重く思ったことは。」

 「命を作ったことは。命に手を出したことは。心臓の形は。お前は命を知っているか。」

 あれ。アイツと全く違うな。

 確か陽無の家って、代々操り人形師とか思ってたけど。

 非道の暗躍者。それが陽無。命という問題を聞かれれば、命のポーズをするというへんてこな回答をする一家なのだが。まあ例外もあるが。


 瑞樹:「命とは、猪の仮面をかぶった二刀流の戦士なんだよ。」

 この時アニメというか原作を知っているこちらの身からすれば、それは命ではなく獣だと。本能のようなものだと思ったが、まあ見た目が少々病んでいるので言わないことにした。

 見たことあるかい。実際にゴスロリ衣装に眼帯。黒色のハーフアップに顔に二か所ほど絆創膏が貼られている女性を。

 まあでも命について断言するのはあの家ならではらしいが。初めの挨拶の直後それというね。

 最近知った赤い瞳をしてへんてこな名前をし、爆裂魔法やらを撃つ種族の方が百倍ましだと思うほどのことだ。まじで簡潔に一言。やべえ。

 

 「命は対等だ。命は軽々しくない。命は当たり前のものだ。だからこそ、それが正しいかどうか、調べさせてくれ。」

 「まるで、サイコな医者」

 「医者だよ。アメリカで外科医として活動している。まあ流石にワイヤーは使うけど。」

 使うのかよ。

 「メスを使うよりワイヤーかな。」

 「そこだけ変に受け継いだな。」

 「まあいいだろ。どうせ生かしても殺してもいいんだ。それぐらいのわがままも許容範囲だな。」

 黒色化を経て、そこから十字の世界に。

 陽無の瞳に十字のマークが映る。

 緑の十字。

 「じゃあ殺そうか。」

 十獄療法(とうごくりょうほう) 牡丹旋(ぼたんせん)

 [チェンジします。 3,2,1]

 

 すると櫻木がその場から姿を消す。

 ワイヤーは地中から生えてくるように下から上へと上昇していく。

 「あぶな。」

 しかしその攻撃は不発に終わった。否、防がれた。

 ワイヤーは上へと行かずそのまま下へと下がっていき、勢いは収まっていった。

 「おいおい。殺す気かよ。」

 「殺せればよかった。でもあんたの右手はそれを拒むのか。」

 「かっこいい言い方だねそれ。」

 或時は、へらへら笑いながら答える。面白ければそれでいい。そういうやつだ。

 「それで、あいつと戦ってみてどうだった。」 

 「交換されたせいで以前わからずの状態だわ。」

 「はは。・・・・は。」 

 或時は陽無に微笑む。腹立つ。本当に。特に最後の大笑いが。

 「まあ俺も、今回のバトルは楽しみなんだよ。アイツと戦ったことがないからね。」

 「ないのか。お前ら二人ライバル同士。」

 「ライバルじゃねえよ。ただなぜかそう思ってるだけだ。戦ったこともないけど、なぜかそう感じる。」

 まさしくそれは、共振というものかもな。

 「そういえば、お前誰と戦ってたんだ。」

 「え。確か日喰比と。」

 

ガンフラ豆知識

ワイヤーについて

ワイヤーは基本メインやサブに分類されず、アイテムとして一本だけ使われることはあるが、陽無みたく、極細のワイヤーを数メートルを使う場合、ルール上アイテムではなく、メインまたはサブに分類される。しかしワイヤー操作はガンフラ上見ることがないというより、見ることすらない芸当なのだ。

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