一線式すなわち死線 ∠( ˙-˙ )/シャキーン
最近のマイブーム
戯言シリーズを読むこと
死線の発動、それが残された道だ。
でも問題が大量にある。本当に。
まず一つ目が、タイミング。発動タイミングは確実な死。つまり確定で死ぬ。銃弾が当たる数秒前に発動しないと不発となる。当たる前であり、相手が攻撃した後。
次に乱発は出来ない。久しぶりにやるからおそらく一回きりだ。
そして最大の問題が、ここ10年発動させていない。感覚が忘れている。しかも使った回数自体も少ない。
でもピンチなほど発動しやすいものだ。命に余裕があったら難しい。でも先に相手の銃を一丁奪う。
櫻木は殺人領域を避けながら暁に近づく。
その速さは瞬きすることを忘れるぐらいに。
超音速の移動かよ。
櫻木の蹴り上げにすぐさま防御する。
スキル リロードクライシス
両者の弾数を一発だけにする。そのあと一発先に撃てば即座にマガジンがいっぱいになる。
暁はすぐに銃を二丁櫻木に向ける。
今だ。
・・・違う。これは。
櫻木は死線を発動せず、一丁の銃の銃口を握る。
そのとき強烈な蹴りが櫻木の腹部に向かってきた。
すぐさま避ける櫻木。HP的にあと一発の攻撃がくれば死んでしまう。
それに、死線の条件である確定な死というのは、どんな状態でも一撃で殺すくらいの威力。HPとかの関係じゃない。たとえ最大でも喰らえば終わる一撃必殺を出したときに発動が可能。
それに今のは俺の反撃を鑑みて行った。勘は良いほうなのか。本当にやりにくい。
今のセコンドハンド。あれは何か違っていた。もしあの時銃弾を飛ばしてたら、負けるのはこちら側だったのかもしれない。警戒しないといけないのか。たとえ片腕一本消えていても戦いにくい存在だ。
じゃあどうするか。その思考も壊してやるよ。
「決めたよ。モットーを。」
「は。」
「俺はこう言ってやるよ。永遠たる炎渦存続させる。湧き上がるボルテージは止めねえよ。」
「じゃあ返しておく。立たさず逃がさず抗さず殺す。お前を。」
櫻木は拳銃をしまい、トランプを複数枚もち、放射状に広がるよう投げる。
相手の逃げ場を与えない最高なやり方だ。
そしてそこに集中してしまうな。
櫻木は勢いよく走りだす。その速度は通常の2.5倍。壁さえも道となる。壁などないが。
スキル乱れ撃ち。
暁は二丁拳銃を構え、トランプを素早く撃つ。
するともう片方の銃が欠損を起こし、破裂する。
あいつあの時に銃の内部を壊したのか。一回撃っただけで銃口がぶっ壊れた。
替えを用意した瞬間にこっちがあとあと不利になる。クロスロードで銃口から殺人領域が広がっているが、もし変えたらその効果をいったん切らないといけない。しかも長めに今回使っている。一回切ったら一時間は戻らん。
でも、壊してくれてありがとう。おかげで楽になった。
暁は拳銃を上空に投げる。
回転する拳銃。縦に回転しているため、銃口が上から下へと移動しながら回っている。
でもそれに何の効果があるのか。それは、彼の感じるものでしか分からないものだ。
ただ分かることは、拳銃を殺人領域をリンクさせていることと捉えたほうがよかったものだ。
何故ならたとえ銃が使えなくても、上空にある拳銃には、殺人領域が広がっている。
だからこそ、空中も領域内と化す。
すると数発の銃弾が櫻木に迫ってくる。
囮作戦自体うまくいくものとは思ってはいなかった。でも、少し距離を縮めることは出来たらしい。
そして、そこから迫ってくる銃弾を手元に残っているトランプを刃物のように扱い、銃弾を切り裂いていく。
「嘘だろ。そんなことできるのかよ。」
でも、無駄だな。
櫻木が銃を構えた瞬間その銃が手から弾き落とされる。
スキル乱れ撃ちの効果はまだ続いている。
スキル乱れ撃ちは装備している武器が拳銃だった場合、一定時間オートエイムを可能にする。
そして放たれる銃弾の攻撃間隔は一定となる。
「これで攻撃は出来ない。」
おそらくこっちに近づいた瞬間一撃必殺の攻撃に移行するつもりだったな。
しかし櫻木は止まらずに走る。
現在の位置。櫻木と暁は0距離の間合い。
そしてもうその時に暁のもう片方の目も開いている。
避けることができない絶対的な死の攻撃。
暁は拳銃を構え、撃つ。
櫻木は引き金を引く瞬間を見て、死線を発動させる。殺人領域が3つ重なった場所に櫻木は立っている。
しかしそこから放たれた銃弾は明後日の方向に向かう。
しま・・。
「こっからカウンターをしようと思ったんだろ。甘いよセコンドハンド。」
そしてマガジンの中にはまだ銃弾が入っている。
死線を発動したが失敗。そしてそこから拳銃を今度はちゃんと櫻木の額に向いていた。
「これで終わりだ。」
その一言。たった一言彼は呟いた。そして、大胆な間違いを引き起こした。
櫻木はまだ死線を発動していない。
櫻木は確かに死線を発動したと思ったが、それは発動できていなかった。そもそも長らくしていなかったというのもあって、死線の発動方法が少し間違っていたようだ。
死線の発動は、完全に全てを捨て去って相手の必殺のタイミングを伺い、そして片方の手の甲を相手に向ける。瞬時にだ。本当に気づかないほど。
しかし先程櫻木はトランプと拳銃を持っていた。そのため、捨て去っていなかったのだ。だからこそ不発ではなく、発動自体が無効となった。
そして、発動の無効というのは、発動していないということである。
つまり櫻木は、まだ死線を発動していない。
その詳細をすぐに思い出す櫻木。そして今度は手順通りに行う。
武器もアイテムも全て捨て去り、引き金を引くと同時に、手の甲を相手に向け、必殺の要となる場所をそこから攻撃する。
その時暁の視界は一時的にブラックアウトを引き起こす。
なんだ今のは。
そして同時に引き起こすもの。
なんだよこれ。殺人領域が、クロスロードの効果が、無い。何も見えない。何も聞こえない。
完全なる無であり、行動不可の真実である。
『死線というのは瀬戸際だ。相手を瞬時に瀬戸際に落とす。相手はその一瞬を理解できない。だからこそ強いのだ。そしてそこから放たれる攻撃はどう考えても一撃必殺に変わる。』
「そうだな。Φ」
放たれる一発の拳。その拳は重くそして必死さがこもっていた。
ただのパンチ。でもそれは、死線の場合最強の攻撃となる。
文字通り。一撃必殺な最後だ。
[カマボコ killボッド1]
[勝者 アルファチーム]
こうして、長く続いた戦いに幕を閉じる。
ガンフラ豆知識
サドンデスでの勝利条件について
サドンデスにもつれ込んだ場合、その時はサドンデス上のルールで勝敗を決する。
具体的にいうと、チームが全滅。制限時間内に生き残ったチームの数。
また、それでも決着がつかない場合炎の手錠が全プレイヤーに装備され、HPを40削っていく。その時に生き残ったチームが勝利するという裏技がある




