相殺関係だよ、俺たちは (´°ᗜ°)ハハッ..
昼投稿。
いやー。暇なんで。
「ジュウジ。」
「ああ。十字架だよ。いや、俺はこれを原罪証明とかで訳すんだけどな。でもみんなこれを各々違った言い方をするらしい。家系にある江戸時代に作られた文献では十字の世界とか言われてるけどな。まあそういう風に言うやつもいれば、俺みたいにオリジナルな言い方をする。クロスオーバーとかレゾンデートルとか。でも1人だけ変わった言い方をするやついたな。確か仙人殺害だったっけ。」
「ファストダスト。」
「まあこの性質は俺らのような人間にしか持つことが出来ない代物だけど。これ自体遺伝能力みたいなもんだしな。」
遺伝能力。
つまり、黒色化や電子化のように誰でもなり得る可能性を持つものではなく、殺死名十二家系でしか持つことの出来ない能力である。
「あと、詳細は教えない。まあでもこの状態なら教えた方がフェアかもな。」
ジェームズは宵咲の顎を狙って蹴りに来る。
しかし宵咲がそれを防ぐ。
それを見てから拳を作り、ラッシュするかのように、連続で攻撃する。
しかし初めの蹴りから、拳による多段追撃を行っても、その攻撃全てを、宵咲は片手で全て防いだ。
「まあ確かに少し前だったらあの初撃でやられてたけど、今の状態の方が防げるもんだ。」
宵咲はソードオフショットガンをしまい、素手の状態になる。
スキル コンバットタクティカル
すると宵咲の攻撃に過激さと爆発的な威力が加わり、1発の拳が弾丸のように降り掛かってくる。
ジェームズはその攻撃を見切りながら素早く対処する。
「そうそう。これだよこれ。」
両方素手での戦い。それにジェームズには肉弾戦スキルを持っているため、歩合で考えればジェームズの方が圧倒的に有利なのだ。
だが、宵咲が発動したスキルはそれを防ぐスキル。
スキル コンバットタクティカル
それは、お互いのスキル使用を1分間無効にすること。もちろんそれは、パッシブも無効となる。
つまりこの状態は単なる肉弾戦。体格的に考えても宵咲が有利になってきている。
しかしそれはスキルの効果では無い。
宵咲が今行っている、十字の世界がそれを補正している。
十字の世界は、自分自身にある殺人領域。もとい必殺領域を可視化させること。
殺人領域は個性のように人によって異なる。
月喰飛の領域は直線幅70cm距離20m近くが必殺領域である。
そして宵咲の領域は、近距離での場合半径2mが必殺領域。武器を持つとさらに全体3m広がる。
しかし弱点もある。
それは、領域外の攻撃はほとんど殺すことが不可能。
そしてもう1つは、必中では無いこと。
現在宵咲はかなり攻撃しているが、ジェームズはその攻撃の危険性を理解しているのか、その攻撃を避けながら宵咲との距離を取ることに集中している。
それはジェームズにとって初めてのことであった。
確実な死が向こうから迫ってきている。危険信号を感じ取った故の行動なのかは不明ではあるが、ジェームズはおそらく人生で初めて逃げの選択をした。
勝てないとわかったようなものであった。
「おいおいおい。いつまで逃げるつもりなんだ。」
そのセリフの後、宵咲がジェームズの前から姿を消す。
するとジェームズの左肩に強烈な痛みが走る。
宵咲はジェームズの左肩にかかと落としをくらわす。
ジェームズはその攻撃を受け、前に倒れ込んだ。
「ウデ、、、、ガ。」
左肩が損傷したことにより、左腕全体が動かなくなる。
破壊されたのだ。肩自体を。現実だと骨折程度では済まないものだ。
そして宵咲はすかさず倒れ込んだジェームズに強烈な蹴りを与える。
ジェームズは防御出来ずに地面に転がりながら吹っ飛ぶ。 「とりあえずここまでだな。」
宵咲の十字模様が消える。
その瞬間宵咲は頭を抱えて座り込んだ。
十字の世界発動中は、体力を多く消耗する。無酸素運動の状態に陥っているからだ。
宵咲はまだマシな方で、他の1家。例えば月喰飛も宵咲と同じぐらいの時間使えば、宵咲よりもさらに危険な状態に陥っていた。気絶することもまだ軽い方だ。重い場合は数ヶ月意識が喪失するらしい。
十字の世界はそれほどまでに危険なものなのだ。
「しかしまだこいつを殺せていないな。」
殺人領域にいても死なないってことは、相当俺の攻撃を防いだってことだ。いや、受け流してたのか。
宵咲は1呼吸間を置き、倒れているジェームズの方を見る。
するとジェームズは倒れていない。
あの攻撃をくらってもなお立ち続けている。
しかしなにかが違っていた。
・・・・目隠しが外れている。
「はあ。全く意味もないことだったよ。この体かなり軽いけどさ。正直もうちょっとあったんじゃない。」
なんだ。雰囲気が違う。
ジェームズは宵咲の方に体を向かせる。
その時、宵咲の目には一瞬ジェームズでは無い人が見えた。
女性。
大人びていて、高貴な人だ。その人は長い髪をしており、着物を着て、笛を持っている。
あれは、龍笛か。
そして視界はすっと元に戻る。
ジェームズの目は赤い目をしていた。
それにさっきから言葉がちゃんと聞こえる。カタコトじゃなくてはっきりとした日本語だ。
「あんたが仙人かよ。」
「仙人?ああそうだよ。初代夜行の子孫。」
ガンフラ豆知識
損傷について
ガンフラでは現実に似せるために、骨折や脱臼などが起こることがあり、痛みは無いが動かすことは出来ないというような状態を作ることが出来る。




