7話ガチャでレアを出したいよ
ガチャガチャの目の前、指で弾いたコインをしっかりとキャッチして格好をつける。
「おおー!パチパチ!」
天使がそれを見て拍手してくれるため悪い気がしない。
(これ、キャッチし損ねてたら恥ずかしい奴だったな……)
よくよく考えると失敗しなくて良かったと冷や汗だ。さっきから恥ずかしい行動が多いため、自重しようと思う。
「これ、一気にコイン入れて良い感じの奴?」
「一気に入れても良いですし、1回1回やっても良いですよ!」
天使の返答に、なるほどと頷きながら1枚のコインをガチャガチャに入れる。
「俺は、単発派なんだよな!」
ゲームのガチャなんかは、10連よりも単発で引いたほうが良いのが出ることが多かった。
チャリンとコイルが落ちる音がしたため、ガチャガチャのハンドルを掴み2回ほど回す。
「当たれ、最高レア!」
と言っているとコロコロとカプセルが落ちてくる。青色のカプセルだ。
「はい、1回目終わりですね!こちらでお預かりしますよ」
「あ、はい。あの、青色のカプセルってレアなんですか?」
なんだがハズレっぽい気がしながら天使に聞いてみる。
「いえいえ、ガチャガチャに入ってるカプセルは全部青色なので後でのお楽しみです!」
「あ〜、ハズレかと思ってドキッとした」
まだ完全に油断は出来ないと思いつつ、次のコインを投入する。
その後、2回同じことを繰り返して残りのコインは1枚となる。
「そうだ!ここで、一旦3つのカプセルのスキルを見てみませんか?そうすれば最後の1回にかける気持ちも変わって楽しいかもです!」
「ハズレしかなかったら絶望だけな気がするけどな……天使ちゃんが言うなら見てみるか」
俺としても中身は気になっていたものだ。是非とも良いのがあって欲しい。それだけでかなり気が楽になる。
「それじゃあ、1個目開けますよぉ!」
天使の声に俺は、唾を飲み込むのだった。