2話いいスキルは隠したいよ
「本当にオークを倒した……」
驚く少女を尻目に少年は、この魔物をどう運ぼうか考えるのだった。
(実は《アイテムボックス》のスキルを持ってるなんて、今更言えないからな……)
それなりに良いスキルを持っていることは、バレたくないので黙っていたのだ。
「倒したは良いが、運ぶのが大変だ」
「オークを倒すくらいなら運ぶ力もありそうだけど?村から人を呼んで来てあがようか?」
少女の提案は、少年ととっても嬉しいものであった。
「気が利くじゃないか。よし、行ってこい」
しっしっと、手を振る。
「わかったわよ、偉そうでムカつくけどアンタのお陰で生きてるんだから少しは言うことを聞いてあげるわ!」
と少女は、村の方に向かおうとする。
「早く戻ってこいよぉ。鮮度が落ちるからな〜。俺は、これまでの振り返りでもして待っとくから」
「振り返り?何言ってるのよ、アンタ。意味わからないことを時々言うわね」
「ほら、さっさと行け」
と少年は、手を振り話を終わらせる。
少女が村に向かったのを確認して、オークを見る。
「上手く使えてるな、《下方修正》。まだまだ検証が必要だけどな」
と呟きながら、自分のこれまでの人生を振り返るのだった。
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