告白
side黒峰陽子
自分で言う事ではないが、私、黒峰陽子は顔が整っていると思う。艶やかな黒髪につり目がちな目から与えるのは『キツそう』だが、そこまでキツイ性格ではないと思いたい。・・・まぁ、少し人見知り気味で厳しめな態度を取ってしまう時もあるけれど。
その所為か、私は影で黒猫姫などと呼ばれているらしい。そんな私は今、呼び出されていた。
終業のチャイムが鳴る放課後の校舎裏。私は片手に持った手紙を見ながらそこに向かっていた。その手紙には、
『黒峰陽子さんへ
お手数お掛けしますが、今日の放課後、校舎裏に来てください。
石橋健人より』
「それで、何か用ですか?」
私は校舎裏に着くと、目の前にいる呼び出した張本人、石橋健人を見た。
彼、石橋健人を一言で表すとすれば『小動物』だろう。高校生にしては低い身長。亜麻色の髪に人懐っこい笑みを浮かべて見返り求めず誰にでも手を差し出すお人好し。
それが石橋君に対する私の印象だった。
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side石橋健人
「それで、何か用ですか?」
目の前に立つ黒峰さんは冷徹な目で僕を見た。
「それはですね・・・」
僕は緊張で少し詰まってしまった。
「それは?早く言ってください」
絶対零度の瞳で黒峰さんは僕を見た。
僕は意を決して頭を下げて続きの言葉を言った。
「僕と、お付き合いしてください!」
黒峰さんの表情を盗み見ると、黒峰さんは顔を変えずに僕を見ていた。
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side黒峰陽子
「僕と、お付き合いしてください!」
石橋君が頭を下げてそう言ってきた。私は混乱してしまいその結果、フリーズしてしまった。
今までも告白されたことは何回かあったが、驚きで固まっている間に勝手に起こり始めて、そのまま私が振ったことになっていた。
私は未だにどう答えればいいのか悩んでいる間も石橋君は頭を下げたまま動かないでいた。
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side石橋健人
頭を下げたまま黒峰さんの返事を待っていた。
(ど・・・どうなんだろう)
僕はドキドキしながら待っていると、黒峰さんが口を開いた。
「なんで私なんですか?」
僕はそこで顔を上げて、理由を話した。
「好きになってしまったからです」
その言葉に黒峰さんは面食らった様に動きを止めて、ちょっとしたから口を開いた。
「私のどこが好きなんですか」
その質問に僕は考えてしまった。
「・・・やっぱり嘘だったんですか?」
黒峰さんが残念そうに呟いたのでつい、口を開いた。
「いえ!好きなところが多すぎて纏められないだけです!」
そう言うと、黒峰さんは頰を少し赤くして、「そ・・・そうですか」
と言った。
「そ・・・それで、返事は?」
僕は不安になりながらも尋ねると、
「こちらこそ、お願いします」
と快い返事を貰った。
こうして僕と黒峰さんは晴れて恋人となったのだ。
恋愛小説初挑戦!
拙い描写もあるかもしれませんが、そこは暖かく見守って下さい。
因みに布袋は恋愛未経験なのです。