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漫才ネタ

月が汚い

作者: 空見タイガ

【GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞】応募用の漫才のネタです。


ボケ「月がさあ」


ツッコミ「うん」


ボケ「汚いよ」


ツッコミ「え?」


ボケ「おまえと一緒に見る月は汚いよ」


ツッコミ「どういう意味なんですか?」


ボケ「意味? 意味なんてないよ」


ツッコミ「ならどういう意図なんですか?」


ボケ「発見の報告、かな」


ツッコミ「発見の報告?」


ボケ「なんか日によって月が汚いなあと思ってたら、おまえといるときだったっていう」


ツッコミ「いやあ、僕のことが嫌いだからでしょ」


ボケ「嫌いじゃないよ」


ツッコミ「イヤなヤツと一緒にいる不快感で月が歪んで見えるんですよ」


ボケ「おまえは良いやつだよ」


ツッコミ「でも月は?」


ボケ「汚い」


ツッコミ「嫌いじゃないですか」


ボケ「月の美醜とおまえにいったい何の関係があるんだよ」


ツッコミ「いやいや、月をきれいきたないと思うあんたが僕に関係しているのであって、月は関係ないですよ」


ボケ「でもお寿司はさあ」


ツッコミ「うん」


ボケ「お寿司はおいしいよ」


ツッコミ「それはあんたがお寿司を好きだからでしょ」


ボケ「おまえが隣にいても、いくらは宝石のようにきらきらしている」


ツッコミ「食い意地の前に僕の存在を忘れているだけじゃないですか?」


ボケ「おまえと一緒に食べるお寿司はおいしいよ」


ツッコミ「僕がいなかったら?」


ボケ「おいしいよ」


ツッコミ「ほらぁ」


ボケ「だからこそ月が汚くなるのはおかしいよ。おれとおまえが原因なら、寿司だってまずくなるだろ」


ツッコミ「飯がまずくなるって言葉はありますけど。ならどうして月が汚くなるんです?」

ボケ「おまえの話で思いついたんだけどな」


ツッコミ「うん」


ボケ「傷つかない?」


ツッコミ「もうずいぶん傷つけてるのにこれ以上傷つけるんですか」


ボケ「月がおまえのことを嫌いなのかも」


ツッコミ「月が? 一個人を? 嫌いになりますかね」


ボケ「なにか月に対して悪いことをしたんだよ」


ツッコミ「お天道様が見てるとは言いますけど。覚えがないですね」


ボケ「満月の一歩手前の月を満月よばわりしたとか」


ツッコミ「それがダメならみんな嫌われてるでしょ。だいたい、僕は月を見て汚いと思ったことはないですよ」


ボケ「綺麗な月を知らないから。本当の月はおまえの見ている月よりもっと綺麗だよ」


ツッコミ「そうですかね」


ボケ「いちばん輝いているときは、まるで後光がさしているかのよう」


ツッコミ「太陽光のことなら新月ですね、その位置関係」


ボケ「おまえは洞窟の壁にうつる影絵しか見れない囚人だよ」


ツッコミ「僕だって綺麗な月を見たことぐらいありますよ」


ボケ「どんなとき?」


ツッコミ「さあ、どんなときかは意識してないですけどね。でもあんたと一緒に見た月が汚いものだとは信じられませんね。いや、まあ、深い意味はないですけど。綺麗な部類だったんじゃないですか。たぶんね」


ボケ「お寿司は?」


ツッコミ「うん?」


ボケ「おれと一緒に食べるお寿司はおいしい?」


ツッコミ「おいしい、ですけど」


ボケ「おれがいないと?」


ツッコミ「おいしいですけど」


ボケ「なるほどなあ」


ツッコミ「なにがですか?」


ボケ「好きなんだろ」


ツッコミ「え?」


ボケ「月がおれのことを好きなんだろ」


ツッコミ「どうしてそうなるんですか」


ボケ「もしおまえがおれを好きで月がきれいに見えるのなら、ひとりで食べるお寿司よりおれと一緒に食べるお寿司のほうがおいしいはず。だけどお寿司はいつでもおいしい。となるとすべての原因は月にある。おれがひとりで見る月が綺麗で、おまえがおれと見る月が綺麗なことから総括すると、月は好きなおれのために輝いているが、嫌いなおまえが隣にいるときは合計の好感度がプラマイゼロになり、おれから見ると汚く、おまえから見ると綺麗になるんだよ」


ツッコミ「どうしてそうなるんですか?」


ボケ「月が人に恋して綺麗になってると考えたら文学的でロマンチックだろ」


ツッコミ「もうあんたと話したくないです」

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