邂逅
日本最大のインターネット掲示板、5ちゃんねる。
その文芸・書籍サロンの片隅にそれは存在する。
[【小説家になろう】底辺作者が集うスレ]
これは私が、底辺作者を卒業するまでの話であり、この【小説家になろう】底辺作者が集うスレ(以下底辺スレ)との絆の物語である。
このスレと私の物語を話す前に、まずは私と「小説家になろう(以下なろう)」との出会いから話すとしよう。
2018年8月末。
正直きっかけは忘れたが、私はなろうを知った。
そこに投稿されている作品を読んで、驚いた。
「えっ、これ無料で読めちゃうの? やべーな」
今ならもちろん知っているが、最初はトップページのランキングが年間の累計作品だということも知らなかった。※現在は月間のランキングになっています。
取りあえず当時のランキングから上位4つくらいを読んだ。
すると、多くの作者が感じるあの言葉。
それは呪いであり、または勘違い──その言葉が、私の心に浮かんできた。
「俺も、書けそうだなぁ……」
というわけで9月、私はなろうデビューした。
小説など書いたこと無かったが、何とかなるだろう、と安易に始めた。
なろう初作品は「夫婦喧嘩で最強調教(現在、夫婦喧嘩で最強モード)」。
なんとこの作品、プロットが存在しない、一話一話を思いつくまま書くという、まさに暴挙。
だか、投稿ペースを今見返してみると、凄まじい勢いだ。
特に9月23日など、なにもない状態から六話約二万字を約一日で書いて投稿している。
そんな感じで一話一話、楽しく書いてはいたのだか……
当然、そんな作品にろくな反応はない。
一章を書き終えて、確か八万文字に対して、ブクマが14くらいだったように思う。
評価してくれる人もいた。
確か文章4、ストーリー4くらいだった気がする。
ただ、感想がない。
ランキング上位の作品には溢れるほど感想が書かれているのに、それがない。
もっと言えば、この作品には今も感想は無いわけだが。
なので本人としては、この作品を読んだ人の反応に恐ろしく飢えた。
これ読んだ人、どう感じてるんだ!
そんな自分の作品への反応という空腹に耐えかね、作品を書くモチベーションが失われつつあった時。
私は、出会ってしまった。
それが、底辺スレである。