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第2話『チョケちゃダメだ、チョケちゃダメだ、チョケちゃダメだ・・・』

〜前回までのあらすじ〜

木津さんは焦らし系ではないし、告白に対する返事でもないのに安田は断わる。

 「あっ、ごめん。忙しいの?」

 木津は少し戸惑った表情を見せた。

 (間違えた・・・)

 安田は表情にこそ出さなかったが、木津より遥かに動揺していた。

 「な、じょ、冗談だよ。そこは『断るんかーい!』だろ?・・・いいよ、どこ行く?」

 「あぁ、ごめんなさい。ちょっと遠いんだけど」

 そう言うと木津は歩き出した。

 (ん、場所は?)

 微妙に答えをはぐらかされたことに対して安田は少し引っ掛かったが、黙ってついて行くことにした。

 (まずいなぁ)

 安田は木津の斜め後ろを歩きながら、ぼんやりと考えていた。

 (冗談好きだとおもわれたかなぁ)

 先程のやりとりで自分が不本意ながら冗談を言ってしまったことに、安田は危機感を感じていた。

 実は安田は冗談を言うのも聞くのもあまり好きではない。

 母親の天然ボケは許せるが、他人と冗談を交すのは、はっきり言ってめんどくさい。

 安田の発した冗談で木津がもし (あっ安田くんって冗談言うんだ。一緒にいる時楽しませてもらおうかな、てへっ) なんて思ってしまったら、人のボケを頼る女=(うぜぇ)の方程式が成り立ってしまう。

 前回の(焦らし屋=性格わろし)の方程式と併せると簡単な連立方程式ができるとかできないとか。


 「あの」 歩き出してから十分くらいして初めて安田が口を開いた。

 あとどれくらい、と聞こうとした瞬間「着いたわ」と木津がポツリ呟く。

 安田は辺りを見渡して、ゆっくり話が出来そうな場所を探した。

 ・・・ない。

 次は建物を探した。

 ・・・一つだけ。

 「市役所?」

 安田はとりあえず口に出してみた。

 木津はコクリと頷くと、柳下市内では一番大きく美しいといわれる柳下市役所の中へと入って行った。

 (市役所って。えっ?全然意図が読めない)

 安田は戸惑いながらも木津についていく。

 横に広くできている柳下市役所は、入るとすぐに窓口が見える。

 10を超える数の課が並んでいて、木津はその一番右手側の窓口に歩いて行った。


 市役所に着く前よりも、やや距離を空けて安田はついて行く。

 木津が立ち止まった所は『サービス課2』と書かれていた。

 「なぁ木津、2って何、2つも要るの?」

 それほど人が混み合っているイメージがないこの市役所で、2つもなくていいのでは、と安田は疑問に感じていた。

 そのごく当たり前の質問を安田はしたつもりだったが、木津に「なんでそんなに親しくもないのに呼び捨てなの」と振り向きざまに、まさかの切り返しをされてしまった。

 「アリリ?ごめんね〜(笑)」

 こうも予想外の返しをされると、安田はもうチョケた返ししかできなかった。

 このままでは冗談好きキャラが定着してしまうぞ!大丈夫か安田!



 (アレ、今回これで終わり?)


 大丈夫か安田!!


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