姉と旦那の青春時代 02
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とある放課後
女子
「あのさ、男子君…付き合ってくれないかな?」
男子
「…いきなりだな」
女子
「実は男子君と話すようになってからずっと我慢できなくて…」
男子
「付き合うってつまり…」
女子
「エロゲショップに行くのに一緒に付き合って欲しいの!」
男子
「あっ、そっち」
女子
「え?もしかして、恋愛のお付き合いと勘違いした?」
男子
「俺の好感度が低いので、そっちは結構です」
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男子
「ところでエロゲいっぱい持ってるのにお店行ったことないのか?」
女子
「私、通販派だから、それにJK一人でエロゲショップは恥ずかしいんだよ」
男子
「…お前にも恥じらいがあったんだな」
女子
「失礼ね、こう見えても私、処女なんだよ?」
男子
「…そのセリフは恥じらいがあるやつが言うことじゃないだろ?」
女子
「え?なんで照れてるの?」
男子
(天然って怖い)
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男子
「まあ俺も最近エロゲに興味があるから、お店付き合ってもいいぞ」
女子
「本当に!?じゃあ一度家に帰ったら、駅前で待ち合わせでいい?」
男子
「じゃあそれで」
女子
「本当にありがとう、すごく嬉しい」
男子
(そんなに喜ばれると、ちょっと照れるな)
女子
「ショップ特典が初めて手に入る!じゃあまた後でねー」
男子
「…」
男子
「…そういえば女子と一緒にどこか行くの初めてかも」
男子
「初めてがエロゲショップ…」
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女子
「お待たせー」
男子
「俺も今着いたところだから…」
女子
「どうしたの急にそっぽ向いて?」
男子
「別に…それよりお店案内してくれるか?」
女子
「うん、いいよー、こっちだね」
男子
(私服姿…めっちゃ可愛いんだな)
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女子
「ここだよ、駅裏の雑居ビルの上の階だから、お店に入るの怖かったんだよね」
男子
「確かに、女子一人だとこういう所は入りにくいな」
女子
「あのさ、手…繋いでいい?」
男子
「別に手くらい、いいけど」
ぎゅっ
男子
(なんかエレベーターに乗ってる時間が、めっちゃ長く感じるな)
チーン
女子
「すごーい、目の前にエロゲがいっぱいある!天国みたい!」
男子
「…それはよかったな」
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女子
「あれも欲しいな、これも欲しいな」
男子
「買うのは決まってないのか?」
女子
「欲しいゲームはいっぱいあるけど、今日は一本しか買えるお金ないから」
男子
「なるほど、それは悩むな」
女子
「よし、これに決めた」
男子
「何にしたんだ?」
女子
「JKとおじさんのイケナイ恋愛2 二人の思い出のタイトルだからね!」
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女子
「ちなみに男子君は何買うの?」
男子
「別に、なんでもいいだろ?」
女子
「ぶー、気になる」
男子
「男はこういうのは黙ってるものなんだよ、ほらレジ行こう」
女子
「はーい」
男子
(俺もJKとおじさんのイケナイ恋愛2を買うなんて言えない)
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女子
「今日は付き合ってくれてありがとう」
男子
「まあ俺もエロゲのお店知れたし良かったよ」
女子
「また来月もよろしくね」
男子
「来月?」
女子
「だってエロゲって毎月新作が発売するから、せっかくだし毎回一緒に行こうよ」
男子
「…気が向いたらな」
女子
「絶対気が向くよ、だって男子君もうエロゲ好きだもん」
男子
「…そうかもな」
女子
「じゃあまた明日学校でー」
男子
「…やれやれ疲れたな」
男子
「相変わらず、変なやつ」
男子
「…来月何が発売するか、調べておくかな」
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つづく