ゲルマン大尉
「少尉のこと悪くおもわんでくれよ。あんなんでもお前らが来てくれたことほっとしてるんだぜ」
「わかってるよ、俺は気にしてないそれに少尉が言っていたことは間違いではないし、なあアイザック」
「間違いでないからへこむんじゃないか」
「はは災難でしたね」
昼を過ぎて、天気は相変わらずいい、窓から見上げる空には、太陽以外何もない。気温もゆっくりと上がってきていた。
アマルド氏がいる本社の前を四人の警備隊が立っていた。中年の男が一人と若い男が三人おそらくなんらかの武装はしているだろう。
自分たちの前に止まった車に不信感を示して一人の若い男が早足でこちらにやってきた。
「どちらさまですか。来客の予定はないはずですが」
リアムが窓を開け中年の男を呼んだ。彼は何もわからないままリアムたちの前に立ち敬礼をした。
「軍の中尉殿がいったいどうされたのですか」
「アマルド氏に会いたいのだが」
「少々お待ちください」
電話機を手に取ると三十秒ほどの会話をして車を中に通してくれた。
「ロビンソンはマルス曹長と待機だ。中尉と私がいくからなにかあったら連絡する」
「了解です」
ゲルマンはそう言うとリアムと車を降りて案内人の女性のあとに続いた。社内は金やら銀やらの煌びやかな置物や装飾品がそこらかしこにあった。働く社員は、男性の方が多く感じられたのは、すれ違う比率が男性の方が多かったからかもしれない。エレベーターを上がり十階に上がると長い廊下が続いていた。
「ずいぶん。あっさりしてますね」
社長室とかかれた部屋に案内され高そうな椅子に腰を下ろしたアマルド氏はこちらに目もくれずに窓の外を眺めていた。お金にものを言わせて金ぴかに着飾るアマルド氏のイメージには合わない。この部屋の雰囲気は外と比べるとやけに落ち着いていた。というより違和感を感じた。無駄なものが一切ないのだ。中央にデスク、部屋の隅には何かの書類が入ったケースが四つも置かれていて余計に狭く感じる。
「アマルドさん。あなたに聞きたいことがありましてね」
リアムの問いかけにアマルド氏は答えない。頭にきたリアムはアマルド氏の座っている椅子の前に立ちそして一瞬言葉を失った。
「なぜだ。だれが殺した!!」
その瞬間リアムは膝から滑り落ちた。背中に高圧の電気が流れ、しまったと思った時には意識が遠のいてそのまま倒れこんだ。
「大尉。これは、どういう・・・」
スタンガンを手に持つゲルマンの冷たい顔を薄れ行く意識の中で睨んだままリアムは目の前が真っ暗になる感覚に堕ちた。