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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

宇宙的恐怖を擬人化してみた

作者: 混沌

腐臭が漂う使われなくなった地下鉄の駅、蔓延る者が生を捨てた物体を連れて闊歩している。私はいつの間にか彼等の一員になっていたのだ。最早普通の食物では満足出来ない。腐りかけほど旨い物は存在しないだろうとまで考えてしまう。今日も同胞達と生き血を啜り、脳を舐り、肉塊を放り込んだのだ。


騒ぎは太陽が昇る時間まで終わらない。夜型である私達は光を嫌い、闇を好む。影に潜んで表に出ないよう十分注意する必要がある。既に解る方は解るだろうが理由はもうひとつある。それは私達の姿形だ。ゴムのような皮膚、臭いマグロを切り裂く長く鋭い鉤爪、獣じみた恐ろしい顔、私達は屍捉える異形なのだ。私達を運悪く見てしまい狂気に陥ってしまう哀れな者も存在する。逆に貴方のような物好きも居るのだが……


然し暗い腐った怪物にも理性はある。私達は駅のホームに身を投げた、愚かな者しか狙わない。時には外界へ赴き、変装しながら人間と関わりを持とうとするだろう。もしかしたら貴方の隣で同胞が涎を垂らしているかもしれない。気付かないことを祈ろう。


私達は魔術的な知識も有している。屍食経典義には旧支配者を喚び出す呪文が載っているだろう。黒いアメーバのような私達の神ニョグダは、住処である闇の窖で蠢きながら今か今かと招来を待ち続けている。時が来たら私は唱える筈だ。人間の世界を変えるために……


ここまで私達の生活を覗いた貴方に朗報だ。鏡をじっくり観察してみてくれ、同胞よ、誕生日おめでとう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読んでいるだけでぞくぞくしました。 [気になる点] 全然ないですが少し短い? [一言] このシリーズの長編読みたいです! 期待しています。
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