35.最終回
35 2013/09/16
バレンティンという外国人野球選手が、日本のプロ野球でもの凄い記録を樹立したらしい。オレは野球に詳しくないし、あまり興味もない。ごくごく一般的なニュースとして受けとっただけだ。
ホームラン王といえば王さんである、それくらいのことはオレでも知っている。バレンティンはその王さんの記録を超えたらしい。
じつに目出度いことだと思うのだが、世間には、とくに野球関係者にはそれを快く思わない人たちがいるようだ。ノムさんがそうだった。
ノムさんといえば、野球選手としても監督としても偉大な功績を樹立した人だ。そのノムさんがスポーツニュースで、バレンティンに対するやっかみのようなことを言っていた。
聞けばノムさんは、かつて王さんがノムさんのホームラン記録を塗り替えたときにも、快く思わなかったらしい。半分笑い話のようにも聞えるが、これはもうノムさん自身の性格だろう。ポリシーといっても、いい。
なぜ記録が更新されることを良しとしないのか。
なぜ世界レベルを相手にできることを喜びとしないのか。
オレはノムさんが家康に見えてきた。性格もルックスも、そっくりだ。
徳川家康をしらない日本人はいないだろう。たぶん日本で一番有名な武将、つーか政治家ではなかろうか。
信長や秀吉も有名だが、それこそ最も長い政権の記録保持者としては、家康が一番だ。まあ本人が三〇〇年近くも生きたわけでは当然ないけれど。
家康は堅実だったと思う。ようするにケチだ。ケチこそ物の上手なれ、だ。違うか(笑)
国を任されている政治家と、会社を任されている経営者は似ている。
ITバブルのころに羽振りがよかった経営者たち、俗にいうマ○―の虎たちは、リーマンショック以降こぞって破綻している。
オレもかつてはギャンブルにはまったクチなので、そういう一発勝負的なことは嫌いじゃないのだが、やはりスッテンテンになるのは恐ろしいと思った。
人生の一時期に大金が舞い込んだり、いい思いをしても、けっきょくは大借金をしているのと変わりないのだ。
凡人にはふつう、そんな大金など銀行が貸してくれない。成功者と呼ばれた人たちは、ただ凡人よりも多額の借金ができただけのこと。
まあ、どのみち破産するなら、少しでもいい思いをしておいたほうが得だ、という考えかたもある。
何の話だっけ?
さて、楽しかった時間はあっという間に過ぎ、お別れの時間となりました。今回をもって当エッセイは完結となります。
気がついたら三ヶ月も更新してなかったので、びっくりした。
オレも考えがコロコロ変わるので、物語は書きたくないとか、マンガに専念するとか、エッセイをやめるとか、いろんなことを言い出します。
とりあえず、エッセイはここでストップといたします。次回またエッセイを連載するとしたら、タイトルは『まちGO天然!』にしようと思っています。
そこまで決まっとんのかい! というツッコミは、なしの方向で。
あざっす。




