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なにYOU天然!  作者: 大原英一
本編
35/47

35.最終回

35 2013/09/16


 バレンティンという外国人野球選手が、日本のプロ野球でもの凄い記録を樹立したらしい。オレは野球に詳しくないし、あまり興味もない。ごくごく一般的なニュースとして受けとっただけだ。

 ホームラン王といえば王さんである、それくらいのことはオレでも知っている。バレンティンはその王さんの記録を超えたらしい。

 じつに目出度いことだと思うのだが、世間には、とくに野球関係者にはそれを快く思わない人たちがいるようだ。ノムさんがそうだった。

 ノムさんといえば、野球選手としても監督としても偉大な功績を樹立した人だ。そのノムさんがスポーツニュースで、バレンティンに対するやっかみのようなことを言っていた。

 聞けばノムさんは、かつて王さんがノムさんのホームラン記録を塗り替えたときにも、快く思わなかったらしい。半分笑い話のようにも聞えるが、これはもうノムさん自身の性格だろう。ポリシーといっても、いい。


 なぜ記録が更新されることを良しとしないのか。

 なぜ世界レベルを相手にできることを喜びとしないのか。

 オレはノムさんが家康に見えてきた。性格もルックスも、そっくりだ。

 徳川家康をしらない日本人はいないだろう。たぶん日本で一番有名な武将、つーか政治家ではなかろうか。

 信長や秀吉も有名だが、それこそ最も長い政権の記録保持者としては、家康が一番だ。まあ本人が三〇〇年近くも生きたわけでは当然ないけれど。

 家康は堅実だったと思う。ようするにケチだ。ケチこそ物の上手なれ、だ。違うか(笑)


 国を任されている政治家と、会社を任されている経営者は似ている。

 ITバブルのころに羽振りがよかった経営者たち、俗にいうマ○―の虎たちは、リーマンショック以降こぞって破綻している。

 オレもかつてはギャンブルにはまったクチなので、そういう一発勝負的なことは嫌いじゃないのだが、やはりスッテンテンになるのは恐ろしいと思った。

 人生の一時期に大金が舞い込んだり、いい思いをしても、けっきょくは大借金をしているのと変わりないのだ。

 凡人にはふつう、そんな大金など銀行が貸してくれない。成功者と呼ばれた人たちは、ただ凡人よりも多額の借金ができただけのこと。

 まあ、どのみち破産するなら、少しでもいい思いをしておいたほうが得だ、という考えかたもある。

 何の話だっけ?


 さて、楽しかった時間はあっという間に過ぎ、お別れの時間となりました。今回をもって当エッセイは完結となります。

 気がついたら三ヶ月も更新してなかったので、びっくりした。

 オレも考えがコロコロ変わるので、物語は書きたくないとか、マンガに専念するとか、エッセイをやめるとか、いろんなことを言い出します。

 とりあえず、エッセイはここでストップといたします。次回またエッセイを連載するとしたら、タイトルは『まちGO天然!』にしようと思っています。

 そこまで決まっとんのかい! というツッコミは、なしの方向で。

 あざっす。

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