30.接近
30 2013/03/03
日本語にしづらい英語……ということで、今日は言語学の権威、うちの残念な同僚タキオカ氏をゲストにお迎えしてみた。
「ちょっと大原さん、その枕詞みたいなのヤメてくださいよ。まるでオレが、残念な人みたいじゃないですか」
えっ、キミが残念じゃなくて誰が残念? これでもキミは、オレのエッセイのなかじゃあ、ちょっとした有名人なんだぜ。
「マジっすか。モテモテっすか」
ああ、本当だ。キミへのファン・メールも(一通)きている。それはあとで見せるとして、本題に入るよ?
「わっかりました。シャドウ(第15話参照)しておきます」
その調子だ。
ところでキミは、アクセスって言葉は知ってるね?
「もちろんです。うちらの(コンピュータ)業界じゃあ、しょっちゅう出てきます。仕事以外にも、ネットとかでも使いますし」
アクセスって、日本語でどんな意味?
「え、えーっと……あれがあれで……ああなって」
いいね、期待どおりの反応だね。アクセスは直訳すると『接近』なんだ。
「接近……ですか。なんか、いまいちピンときませんね。接続じゃなくて?」
接続はコネクトだろう。まあ、でも言いたい気持ちはわかる。
「じゃあ接触は?」
接触はコンタクトだね。本当に、微妙な違いだけど。タキオカさんのなかで、アクセスってどんなイメージ?
「やっぱり、ネット上のサイトとかに、こう……グワーッて集まるような」
元気玉みたいな。
「そうそう! 大原さん、うまい(笑)」
やったー、タキオカさんに褒められた(ウレシクねーっ)。てな具合に、イメージはできるけど、なかなか日本語にするのがムズい言葉って、近年増えていると思う。
ちなみに、夫婦が離婚して親権をもたないほうが子どもに近づく場合も、アクセス(権)という。ミニ情報でした。
「じゃあ、オレはこれで……」
待ってよ。もうちょっと、やろうよ。
「オレ興味ないんすよー」
今度酒おごってあげるから。
「オレ酒飲めないんすよー」
モ〇バーガーおごってあげるから。
「っす。シャドウ(第15話……しつこい!)しておきます」
ところでキミは、アプローチって言葉は知ってるね?
「うっわ、またイヤな問題だしますねえ。わかりません、オレには」
じつはアプローチも直訳は『接近』なんだ。
「あ、はいはい。ゴルフでグリーンに寄せるとき、アプローチっていいますね」
そう。あとタキオカさんの得意な、女性にお近づきになるときも、アプローチって使うよね。
「……やばっ。これからデートだったんだ。それじゃ」
待てーい! ウソだろ、それ。なんでそんな大事のまえに、ここへ来たりするんだよ!
「大原さんが勝手に召喚したんじゃないっすか」
モンスターか、お前は。どうせナンパだろ?
「アプローチっす」
うまいっ(笑)




