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なにYOU天然!  作者: 大原英一
本編
30/47

30.接近

30 2013/03/03


 日本語にしづらい英語……ということで、今日は言語学の権威、うちの残念な同僚タキオカ氏をゲストにお迎えしてみた。

「ちょっと大原さん、その枕詞みたいなのヤメてくださいよ。まるでオレが、残念な人みたいじゃないですか」

 えっ、キミが残念じゃなくて誰が残念? これでもキミは、オレのエッセイのなかじゃあ、ちょっとした有名人なんだぜ。

「マジっすか。モテモテっすか」

 ああ、本当だ。キミへのファン・メールも(一通)きている。それはあとで見せるとして、本題に入るよ?

「わっかりました。シャドウ(第15話参照)しておきます」

 その調子だ。


 ところでキミは、アクセスって言葉は知ってるね?

「もちろんです。うちらの(コンピュータ)業界じゃあ、しょっちゅう出てきます。仕事以外にも、ネットとかでも使いますし」

 アクセスって、日本語でどんな意味?

「え、えーっと……あれがあれで……ああなって」

 いいね、期待どおりの反応だね。アクセスは直訳すると『接近』なんだ。

「接近……ですか。なんか、いまいちピンときませんね。接続じゃなくて?」

 接続はコネクトだろう。まあ、でも言いたい気持ちはわかる。

「じゃあ接触は?」

 接触はコンタクトだね。本当に、微妙な違いだけど。タキオカさんのなかで、アクセスってどんなイメージ?

「やっぱり、ネット上のサイトとかに、こう……グワーッて集まるような」

 元気玉みたいな。

「そうそう! 大原さん、うまい(笑)」

 やったー、タキオカさんに褒められた(ウレシクねーっ)。てな具合に、イメージはできるけど、なかなか日本語にするのがムズい言葉って、近年増えていると思う。

 ちなみに、夫婦が離婚して親権をもたないほうが子どもに近づく場合も、アクセス(権)という。ミニ情報でした。


「じゃあ、オレはこれで……」

 待ってよ。もうちょっと、やろうよ。

「オレ興味ないんすよー」

 今度酒おごってあげるから。

「オレ酒飲めないんすよー」

 モ〇バーガーおごってあげるから。

「っす。シャドウ(第15話……しつこい!)しておきます」


 ところでキミは、アプローチって言葉は知ってるね?

「うっわ、またイヤな問題だしますねえ。わかりません、オレには」

 じつはアプローチも直訳は『接近』なんだ。

「あ、はいはい。ゴルフでグリーンに寄せるとき、アプローチっていいますね」

 そう。あとタキオカさんの得意な、女性にお近づきになるときも、アプローチって使うよね。

「……やばっ。これからデートだったんだ。それじゃ」

 待てーい! ウソだろ、それ。なんでそんな大事のまえに、ここへ来たりするんだよ!

「大原さんが勝手に召喚したんじゃないっすか」

 モンスターか、お前は。どうせナンパだろ?

「アプローチっす」

 うまいっ(笑)


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