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なにYOU天然!  作者: 大原英一
本編
28/47

28.スペースじゃない方のコブラ

28 2013/02/25


 洋画体験は早かったと思う。

 小学五、六年のとき、うちの親父がレーザー・ディスクなる機械を買ってきた。いやたしか、会社関係のかたから安く譲ってもらったんだっけか、忘れた。

 レーザー・ディスクですよ、時代を感じさせるなあ(笑)

 いまでいうDVDのお化けみたいなものだ。大きさがアナログレコードと同じくらいある。録画はできず再生のみだ。

 当時はビデオ・レンタルが一般的で、レーザー・ディスクのレンタルはなかった。つまり、そのつどレーザー・ディスクのソフトを買っていたのだ。バブリーな時代だね。

 まあ、うちの親父はゴルフとかもやらなかったし、AVオーディオ・ヴィジュアル機器をいじるのが唯一の趣味みたいなものだったから、さほど贅沢な娯楽というわけでもなかったろう。

 あと映画だったら、家族で楽しめるしね。

 そういうわけで、小五くらいからオレは、レーザー・ディスクで洋画をばんばん観るようになった。

 当時はスタローンとシュワルツネッガーの両巨頭が華やかなりし頃だ。映画といえば洋画、それもアクションものという時代だった。


 スタローンには衝撃を受けた。彼が出てくるまでは、海外のスターといったらジャッキー・チェンかブルース・リーだったわけだが、スタローン以降はすっかり鳴りをひそめてしまった。

 名作『ロッキー』シリーズや『ランボー』シリーズも、たしかに、よかった。が、オレは彼の代表作は『コブラ』だと思っている。

 ちなみに、宇宙海賊のコブラじゃないよ(笑)

『コブラ』は犯罪クライム映画だ。刑事モノだがアクションがメインになる。おかしいやつらが、いっぱい出てくる。

 スタローン演じるコブラは刑事の役どころだ。むろん、刑事コロンボのような理論派ではない。むちゃ武闘派だ。バカボンに登場するお巡りさんばりに銃をぶっ放す(笑)

 コブラばかりを責めてはいけない。彼が相手にするのは、常軌を逸した犯罪者集団なのだ。

 ド派手なアクション・シーンについては、ぜひ本編をご覧いただくとして、今回は地味だがニヤリとする場面を紹介しよう。


 コブラの同僚や上司たちは、彼とはうってかわって穏健派ばかりだ。まあ、コブラの荒くれ度を増すための演出なんだろうけど。

 そのなかに、インテリっぽい嫌な同僚がいる。便宜上インテリと呼ぼう。

 インテリは事あるごとに、ちくりちくりとコブラに厭味をいう。

「ボクなら銃を使わずに、犯人を説得するけどね」

 って、お前なんか秒殺じゃあ!(笑)

 コブラは彼に口では負けるので、いつも顔をしかめるだけなのだが、あるとき、ついに反論にでた。

 インテリが情報を共有させろと高飛車な態度で言ってきたときだ。

「君は被害者の女性と良い関係のようだが、われわれ捜査陣にも情報を教えてくれないとね」

 お、ついにキレるかコブラよ……

 だが彼は渋い表情でこういった。

「呪文を唱えろ」

「なにっ」とインテリ。


「プリーズ(お願いします)、だ」


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