終わりなき想い
Act.41 終わりなき想い
「これでやっと、夏流を過去から解放する事が出来た。
そして、俺も…。」
夏流と別れた俺はその後、自宅療養の許可がおり退院した。
迎え入れてくれた坂下家の家族の溢れる程の愛情を直に感じた俺は、自分がどれだけ彼らに思われ愛されているかを実感した。
そして俺は本当の意味で「坂下忍」になった…。
過去の出来事を案じ、ずっと見守ってくれた坂下家の人々が、俺にとって誰よりも大切な存在だと言う事を、俺はやっと受け入れる事が出来た。
時々、心の中で思う。
成月の両親の事を。
過去の出来事を消す事は出来ない。
彼らを失った哀しみは俺の中に永遠に消える事は無い。
だけど…。
その思いの中で、亡くなった両親が俺の幸せを誰よりも願っていると言う事を、思ってもいいんだと考えれる様になった。
夏流…。
君との出会いが俺にその事を気付かせてくれた。
夏流。
君が誰よりも大切な存在だと言う事は、これからも変わりないだろう…。
君に対する気持ちが何かと言う事を、今の俺は、はっきりと答える事が出来る…。
夏流。
俺は君を誰よりも愛してる。
そう、愛してる。
心の中で君への想いが溢れてどうしようもない時がある。
何故、君と別れたのか…?
何故、君への想いを君に伝える事無く、君を解放した?と心の中で自問する。
そして、その事にふと、笑う。
今の俺に彼女を幸せにする資格は無いという事を。
そして彼女が進もうとする道に、今の俺は足枷にしかならないという現実を。
そういえば、兄貴が言っていたな。
「お前は人生において最大の出会いをしたな。
誰もが滅多に経験出来る事では無いぞ。
お前は本当に素晴らしい恋愛をした」と。
その言葉に俺は微笑んで兄貴に、こう言った。
「過去形ではなく、今も俺は素晴らしい恋愛をしているよ、兄貴。
最高の恋をね。」、と…。
兄貴から零れんばかりの微笑みを向けられて、俺は不覚にも頬を染めてしまった。
そう、俺の恋愛はまだ終わりを告げていない。
君に対する想いは、終わりを告げる事無く永遠に俺の中で生き続いている。
夏流。
再び俺たちの道が重なる時、俺は君に告げよう。
君への「愛」の言葉を。




