表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「step」  作者: 華南
4/42

天は我の味方か、それとも最大なる敵か

Act.4 天は我の味方か、それとも最大なる敵か



世の中、どうしようもなく、不運が続く事がある…

人生の中で、最大なる不運は既に体験済みなので、これ以上の事はあるハズは無いと、信じて疑っていない。


だけど。


だけどね!


天に見捨てられた身なので、何を今更と、悪態つくのもバカらしいと思うけど、でも、天に罵りたい!


どうして、私を虐めるのが好きなのよ!


涼しい顔で、私の後をついて来る坂下忍の所為で、私は、下校中の生徒達の好奇の的じゃあないの!?


ああ、明日になったら、多分、いや、絶対に全生徒の噂の渦中にさらされて、そして、坂下忍親衛隊(あるのよね、この男には)の女子に詰め寄られ、尋問にあって、いじめにあって、古典的な嫌がらせを卒業する迄、されるんだきっと!


ああ、何故、天は私を、心穏やかに過ごさせてくれないのよ。


卒業迄後、一年半…。


絶対に、私の人生設定を狂わす事があってはいけないのよ!


だから、誰にも深く接する事も無く、淡々と交友関係を続き、いるかいないか解らない様に、存在をひたすらひた隠し、成績を常に上位にキープして、先生達の評価もそこそこいい様に頑張ったのに…。


なんで、あんたの存在を認識しない私に興味がわくのよ。



バカじゃあないの?


世の中、全ての女が自分にふり振り向くなんて、間違った固定観念を持つから、しっぺ返しがくるのよ。


まあ、確かに切れ長の目に、すっきりとした鼻梁、そして、薄い唇が綺麗に、顔の中にありますよ。


そこらへんにいるアイドルよりも、綺麗じゃあないのですか〜


でもね、悪いけど興味が無いのよ。


好みじゃあないの!


ふふん、まさか、振られるとは思っていなかったのよね、きっと。


そういう挫折を味わった事が無いから、きっと、腹いせに私につきまとうのよ。


なにが、強いて言えば好きよ。


告白に、強いて言えばって。



どうゆう意味よ。


人をバカにするのも、大概にして欲しいわ。


まあね、貴方が今迄付き合ってきた女性達に比べて(比べるのも悪いけど)綺麗とは言いがたいけど、ね。


ああ、あの目。


あの人を小馬鹿にした、あの視線。


大嫌い!


ああ、もう、むかついてきた。


言葉をかけられたら、私、冷静でいられるかしら。


心臓がばくばくいって、治まりがつかないんだけど。


時間よ、早く進んで…、お願い!



一人、考えに取り付かれてる夏流の表情を見ながら、忍はひたすら、苦笑を漏らすしかなかった。


己の考えに夢中になっていた夏流は、いつの間にか側に並んで歩いている忍の存在に、全然、気付いていなかった。


忍は横目でちらりと彼女の表情を促してみると、蒼白になって、自分の考えに浸ってる夏流は、今迄、自分がイメージしていた彼女とは、余りにもかけ離れていた。


もしかしたら、これが彼女の隠された部分なのか?


ああ、こんなにも感情が顕著に表すタイプだったんだ…。


この表情を見ると、本当に嫌がられているんだな。


くすり、と笑いを零しながら、深い考えに捕われて浮上しそうもない夏流が余りに不憫に思い、忍は夏流の顔を覗き込んで声をかけた。


「何をそんなに悩んで…」


「え?」



かたんと音を立てて、眼鏡が道ばたに落ちた。


ふいに、覗き込まれた忍の顔に驚いた夏流は、顔を上げた拍子に忍の肩にぶつかり、かけていた眼鏡がするりと落ちた…。


眼鏡を拾おうとして、屈もうとした夏流は、真上で自分を痛い程見つめる忍の視線に気付く事が無かった。


その時の忍の顔を見たら、夏流は彼の告白を素直に信じたかもしれない…。



それは、彼を知る者が見たら、信じられない程、滑稽な場面だった。



天は彼女にとって、本当に敵なのか、味方なのか…。



答えは、然程時間を要する事無く、彼女の前に示されるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ