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ウィリアムの嫉妬

マリーとウィリアムは馬車で運ばれて来た道を遡る。そうしてしばらくすると雨が降ってきた。大雨になる。傘は意味をなさないスコールが降る。すると小さな町が見えてきた。2人は町に寄ってみることにした。ウィリアムが魔法で金を出してそれを売ったお金で宿を取ることができた。ウィリアムがベットの上でくつろいでいる。


「ふんっ!この俺が泊まるには些か小さすぎる。馬小屋か何かか!?」


「ウィリアム様、失礼ですよ。」


「俺はいいんだ。お前が……」


何かを言いかけたウィリアムはそこで口を噤む。


「私が何か?」


「なんでもない。」 


この人はまた何かろくでもないことを考えているのだろうか?それとも……。

マリーは何だかんだ言ってウィリアムが優しく接してくれたいるのではないかと思うようになっていた。思えば婚約してからマリーは流行病にかかり、滅多に顔を合わすことが無かったのだ。ウィリアムと言う人間がどういう人なのかマリーは知らない。マリーとウィリアムは魔法で服を乾かした。


「ウィリアム様、夕食に致しましょう。」


「ああ。」


ウィリアムは魔法で食事を出す。


「ありがとうございます。もう遅いのでお店が空いていないからどうしようかと思いました。」


「ふん、これぐら……」


ウィリアムが虚勢を張ろうとした時、ぐらりと視界が暗くなる。


「ウィリアム様?!」


「あ……。」


マリーはウィリアムに魔力を注ぐ。しかし、ウィリアムは起き上がらない。ウィリアムの額に手を当てると熱があった。


「あつっ!?」


先程の雨で身体が冷えてしまったらしい。マリーはウィリアムに布団をかける。タオルを搾って頭に乗せた。こんな状態で魔法を使う事はできないようである。マリーはウィリアムに食事を食べさせる。


「ウィリアム様、さあ、食べてください。」


「なっ?!バカなのか?!そんな赤子のように食べさせられるなんてごめんこうむる!!」


「そんなこと言ってる場合ですか?!さあ、あーんしてください!」


ウィリアムは渋々口を開ける。食事を終えるとウィリアムはすやすやと眠りについた。


「寝てれば可愛いのに……」


なんて、私は何を言っているの!?と、マリーは1人でつっこんでいた。


ウィリアムは口は悪い。だが、本当は優しいのではないか?自分を裏切った人間だと言うのにそう思ってしまう。

翌朝、ウィリアムが目覚めると隣にマリーがいた。


「………っ?!」


ウィリアムは慌てて起きる。ウィリアムが騒ぐのでマリーは目を覚ましてしまった。


「?……おはようございます。ウィリアム様。」


「おまっ……何故隣で寝ている?!」


「何故って、昨日はウィリアム様の看病をしながら寝てしまったようです。」


「?!バカ!隣で寝るな!」


「どうしてですか?」


「……なんでもない!気にするな!」



ウィリアムはバツが悪そうに顔を伏せた。朝食を食べ終える。マリーはチェックアウトするのに宿の若旦那と少し話していた。それを見たウィリアムはマリーの手を無理やり掴んで宿の外に連れていく。


「ウィリアム様!?どうされたのですか?!」


ウィリアムは無言でマリーを引っ張って行く。外にでるとウィリアムは鬼の形相でマリーを睨んだ。


「お前と言う女は!貞操が軽いのか?!俺以外の男と話すな!!夫からの命令だ!!」


「ウィリアム様?」


ウィリアムが何故怒っているのかマリーには理解できなかった。


「少し話していただけで……」


「あれが少し?男に色目を使うのが得意なんだな?!」

ウィリアムが声を荒げる。マリーは驚いた。

「そんなっ!?」


「いいから行くぞ!」


ウィリアムはマリーを再び引っ張って町を出る。目的の王都はまだまだ先のようだ。


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