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終幕
エリザを捕らえた日からしばらくたった。相変わらずエリザは牢獄の中でブツブツと言っている。チャーリーは国王になった。そして、ウィリアムとマリーは……。
「マリー!」
ウィリアムが勢いよく扉を開ける。
「ウィリアムさま?!」
ウィリアムは息を呑んだ。そこに居たのは美しく着飾ったマリーである。
「ほとんど終わってはいますが、まだ着替え中ですよ?」
「ふん!遅い!………待ちきれないだろ……?」
ウィリアムの悪態は治っていなかったが、以前よりも素直になっていた。
「マリー様、おわりましたよ。」
メイドがそう言うとマリーはウィリアムに向き合う。
「いかがでしょうか?」
「うん、似合っているよ。」
ウィリアムとマリーはついに正式に結婚する事になった。
「まさか、あの国外追放から国に戻って来れるとは思っておりませんでした。」
「俺もだ。ありがとう。全てはマリーのおかげだ。」
「いいえ、ウィリアム様のおかげです。」
祝福の鐘がなる。2人は新たな未来に向けて舵をきったのだった。