信じる2人
鬱蒼としげる木々の森の中をウィリアムとチャーリーは馬を走らせて逃げる。
「ウィリアム、エリザに消されそうになった時、私を助けてくれてありがとう。」
「いいんだ。兄さんを助けるのは当たり前の事だ。」
「……本当にそうか?本当にお前が助けたかったのはきっと……」
歯切れ悪くチャーリーはそう言った。
「………大丈夫。マリーは俺が取り戻す!!」
「だが、相手は聖女の力を得たエリザだぞ?どうするつもりだ。」
「マリーに付与されたエリザを切り離す。」
「そんな事ができるのか?!」
「やってみるしかない!!とにかく今は作戦を考えよう。」
ウィリアムとチャーリーは追ってをまいたことを確認すると馬の手網を引いて馬を止め、降りる。
「ここまで来れば……」
「兄さん、手伝ってくれないか?」
「……そうだな。お前には助けられた。それにエリザを放って置くことはできない。力になろう!」
「ありがとう!」
ウィリアムとチャーリーは握手した。
★★★★★
城にて、エリザは怒り狂っていた。
「ウィリアムめ!よくも私を欺いたんね!!」
怒りに震えるエリザ。そしてまだ意識があるマリー。
(諦めなさい!貴方はウィリアムに負ける!)
「うるさい!!お前のせいだ!!」
エリザは怒りに任せて城を破壊する。
(エリザ!やめて!)
「うるさい!うるさい!」
エリザは1呼吸おくとマリーを消そうと魔法を使い始めた。そんな中、兵士が現れ、ウィリアムを捕まえたと述べる。
(そ、そんな!!)
マリーは絶望した。例え自分が消えてもウィリアムには生きていて欲しかったのだ。
「ふん!遅い!ウィリアムを連れて来なさい!」
兵士はウィリアムを連れてくる。
「ウィリアム、無駄なあがきだったわね?おバカさん。」
エリザがウィリアムに近づいたその時だった。魔法が発動する。
「?!うっ!ぐあっ?!な、なにを?!」
エリザが苦しみ始めると、エリザとマリーは分離した。
「マリー!」
ウィリアムの作戦は成功したのだ。
「おのれ!」
エリザが魔法を使おうとするが兵士がエリザを捕まえる。チャーリーが兵士に化けていたのだ。
「おのれ!!」
エリザはなんとか逃げようとするが強力な魔法で捕まえられて逃げれない。
「エリザ、諦めろ!」
「ふふ、諦める?それは貴方の方よ!!」
エリザはチャーリーの拘束をとき、ウィリアムへと魔法攻撃をする。その攻撃の威力は強く。ウィリアムに直撃すれば木っ端微塵になるほどのものである。
「ウィリアム様!」
マリーがウィリアムの手を取った。ウィリアムはマリーから魔力を受け取り、その攻撃を打ち砕く。
「なっ?!ばかな!」
エリザはチャーリーに今度こそとらえられた。
「すまない。マリー。遅くなった。」
「いいえ、いいえ!!信じておりました。助けに来てくださると!」
そして、2人はそっと唇を重ね合わせた。