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孤星の抗戦  作者: 轟蓮次
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反撃の狼煙2

マイクロ波ミサイルの完成によって、人類の反撃計画は最終段階へと進んだ。

防衛省と米軍の共同作業で得られた兵器開発の成果は、侵略者の宇宙船に対抗する初の具体的手段として、各国に配備され始めていた。

だが、その背後では、侵略者たちも次なる行動に出る準備を進めていた。

人類が動き出したことを察知した侵略者は、防衛策を講じつつ地上活動を加速させようとしていたのだ。


防衛省の作戦会議室では、冴島が各国の軍事代表とともに反撃作戦の全容を確認していた。


「マイクロ波ミサイルの運用には慎重を期す必要があります。これまでのテスト結果から、宇宙船の通信を混乱させ、防御フィールドを無効化する効果が確認されていますが、敵が防衛手段を講じる可能性も考慮しなければなりません」


冴島の言葉に、響子が応じる。


「地上部隊との連携が鍵となるでしょう。航空部隊がミサイルを使用して宇宙船の防御を突破し、その間に地上部隊が侵略者の施設や輸送機能に攻撃を加える必要があります」


ジョーンズも会議にオンライン参加し、自国の視点から意見を述べた。


「アメリカ側でも同様の兵器を配備し、南米での戦闘準備を進めています。ただ、敵が同時多発的に動く可能性を考慮すると、地域ごとの連携が不可欠です」


こうして、地上・空中・宇宙の三次元的な攻撃計画が立案された。


計画の発動は、南米での異星人によって構築されていた活動拠点に対する攻撃から始まった。

ジョーンズが指揮する米軍部隊が、新型マイクロ波ミサイルを搭載した航空機を送り込み、侵略者の宇宙船に対する初の直接攻撃を開始した。


「ミサイル発射準備完了」


パイロットの声がヘッドセット越しに響くと、ジョーンズは地上からその様子を見守った。


「ミサイル発射。効果を確認しろ」


数秒後、空中を切り裂いて飛翔するマイクロ波ミサイルが、侵略者の宇宙船に命中。

衝撃波とともに、宇宙船の表面を包む防御フィールドが一瞬で揺らぎ始めた。


「防御フィールドが消失。宇宙船の通信、モニタリングできません!奴らの通信が遮断されています!」


現場の報告に、ジョーンズは拳を握りしめた。


「効果あり。第二弾を発射しろ」


同時に、日本国内でも同様の作戦が進行していた。

響子が指揮する部隊が、北関東の山中に現れた侵略者の宇宙船を目標に新型ミサイルを発射。

これにより宇宙船の防御が解除され、地上部隊が侵略者の施設へ突入する道を切り開いた。


侵略者にとっても、現時点でのこの密度の攻撃は予想外だったのかも知れない。

防御フィールドを突破されたことで、地球側の技術が自分たちの脅威になりつつあることを認識した彼らは、急速に地上活動を拡大し、人類の反撃を無力化しようとした。


南米では、宇宙船から大量のドローンと地上部隊が投入され、現地の軍事拠点を襲撃し始めた。

その中で、米軍はマイクロ波チャフシステムを活用しつつ、防衛線を維持しようとした。


「ドローンの動作を封じ込められている。このシステムは間違いなく効果的だ!」


現場からの報告に、ジョーンズは通信で各地の部隊に指示を飛ばした。


「全員、この技術を最大限に活用しろ。敵を足止めするんだ!」


一方で、日本では響子の指揮下で、侵略者の施設を攻撃しつつ、新たなマイクロ波ミサイルの発射準備が進められていた。


「敵の防衛ラインを突破次第、宇宙船へミサイルを集中させる。地上部隊はその間に周囲の敵を一掃する!」


響子の厳しい声が隊員たちを鼓舞し、反撃がさらに激しさを増していった。



数日の戦闘の末、人類は複数の地域で侵略者の宇宙船の防御フィールドを突破し、一部の船を行動不能にすることに成功した。

侵略者の地球全体における作戦は徐々に混乱に陥りつつあった。

しかし、これで完全な勝利には程遠いことも明らかだった。

侵略者は新たな技術を導入し、マイクロ波兵器に対抗する術を探り始めていた。


また、地球側の技術の広がりを阻止するために、都市部への直接攻撃を計画しているとの情報も入ってきていた。


冴島は会議室で次の計画を練りながら、島津博士に言葉を投げかけた。


「敵はこの技術に対抗する手段を講じるだろう。その前に、さらに次の一手を考える必要がある」


島津博士は頷きながら答えた。


「我々にはまだ未知の技術が残されています。侵略者の行動原理をさらに解明することで、新たな反撃の手段を生み出すことができるでしょう」


こうして、人類の反撃の火種が次々と生まれつつある中で、物語は新たな局面を迎えようとしていた。



人類の反撃作戦が始まり、マイクロ波兵器を用いて一部の宇宙船や侵略者の技術に影響を与える成果が現れた。

しかし、侵略者はそれに対抗する手段を急速に進め、人類の拠点やコロニーを襲撃する反撃を開始した。地球各地での攻防はさらに激しさを増し、人類は大きな苦境に立たされていた。


南米では、侵略者の宇宙船が通信網の一部を回復し、大規模なドローン部隊を展開した。

現地軍が必死に防衛線を維持しようとしたが、侵略者の数と戦術に圧倒され、主要拠点の一つが陥落した。


「敵のドローンが拠点内部に侵入しています!部隊が制圧されています!」


通信を通じて報告が届くと、指揮官たちは一瞬の混乱に陥った。

侵略者は素早く人間を捕獲し、輸送機に乗せて運び去るという行動に出ていた。

拠点にいた多くの人々が逃げ場を失い、絶望の叫びが響き渡った。


アジア地域の都市では、侵略者の地上部隊が突然現れ、コロニーのように形成された避難所を襲撃し始めた。

人々は自衛隊や警察の援助を受けて必死に避難したが、侵略者の速攻に対応できず、多くの人々が捕獲されていった。


「侵略者が施設を包囲しています!退避が間に合いません!」

「可能な限り多くの人々を救出しろ。敵の動きを遅らせる手段を探せ!」


しかし、侵略者は圧倒的な兵力を投入し、避難所を次々と制圧していった。



北米地域では、宇宙船の数が増え始め、人類の軍事施設に対する直接攻撃が加速していた。

侵略者は、マイクロ波兵器が影響を及ぼした一部の通信システムを迅速に修復し、新たな戦術を展開し始めた。


「敵の宇宙船が複数出現しています。地上施設への砲撃が開始されました!」


ジョーンズが指揮する部隊は必死に迎撃を試みたが、侵略者の攻撃力は予想を超えており、連絡基地が次々と破壊されていった。

ジョーンズは無線で叫んだ。


「全ユニット、持ちこたえろ!我々がここで負ければ、全体が崩れる!」


だが、侵略者は地上部隊の一部を突破し、北米地域の主要な軍事施設を制圧する直前まで迫っていた。



これらの攻撃により、人類は大幅に劣勢に追い込まれていた。

防衛施設の多くが破壊され、避難民の数が増え続ける一方で、侵略者による捕獲や襲撃が止むことはなかった。

冴島は防衛省で頭を抱えながら言った。


「このままでは戦術的な反撃だけでは生き残れない。我々は敵の意図をさらに解明し、より根本的な解決策を探らなければならない」


島津博士はその言葉に応じた。


「侵略者の目的と行動原理を明確にすることが急務です。それが分かれば、人類の生存を守る道が見えてくるかもしれません」


こうして、侵略者との戦いは新たな段階へと進み、人類の希望はまだ遠いところにあるように感じられた。



僅かな希望を見出し、反撃を加えたところで敵は更なる脅威でもって反撃してくる。

これは人類側の戦意を挫くには十分だった。

各地で侵略者に対する降伏や、恭順を求める声も出始め、一部では抗議活動や異星人とのコミュニケーションを試みる動きも見られた。

…コミュニケーションは上手くいかず、殺害されたり連れ去られたようだったが。


そんな時、米軍にとある人物が駆け込んできた。

彼は異星人たちの前線基地に連れ去られ、「処置」を受ける前に命からがら逃げ出してきたという。


ジョーンズはその知らせを聞き、直接会う必要性を感じた。


「おい。その民間人の所へ行くぞ!」

「はっ!承知しました!…連絡を入れておきます」


民間人が保護されたのは隣の部隊であるため、移動にさほど時間はかからなかった。

広大なアメリカ大陸でそこまで近場であったのは幸運と言える。


「やあ。君が奴らから逃げ出せたラッキースターかい?ジョーンズだ」

「あ、はい。でも捕まったんだからアンラッキースターじゃないかな?」


線の細い…悪く言えばナード的な外観の青年だった。

よくもまあこんな細い体で逃げおおせたもんだな…ジョーンズは内心で感心していたが、それはおくびにも出さず、質問した。


「内部はどうだった?グロテスクな内臓みたいな壁だったり未来的な…SFみたいな感じだったのか?」

「いえ、金属なのに暖かい変な壁でしたよ。いや、そんな事よりもとんでもないんです!」

「おいおい落ち着きなよ。コーヒーでもどうだ。ココアの方がいいかな?」

「いえ、僕は拐われた後、あいつらと会話をしたんですよ」


会話…?異星人と?

にわかには信じがたいが、それが本当であれば意思の疎通が可能ということになる。

何故言葉が通じるかと言う疑問は残るが聞く価値はありそうだ。


「へえ。会話ねえ…あいつらジョークは巧そうじゃないな」

「あいつらは人間の脳から情報を抜き出せるんですよ。少なくとも僕にはそう言ってました」

「つまり記憶をデータとして抜き出せると?事実ならとんでもないがね」


とんでもないどころの話ではない。

もし科学者の脳から情報を抜き出されたら人間の持つ兵器の情報など丸裸に近い状態になるだろう。

なんせインターネット上にはそんな情報はゴロゴロしているのだ。

お偉い学者様や科学者だってそんな事は当然記憶しているだろう。


「それに内蔵や体組織から地球に適応できる要素?を手に入れてコピーしてるとかなんとか…きっと言葉が通じたのだってそれが原因です!」

「オーケーわかった。君の話は上に知らせる。もしかしたらもう一度話を聞かせてもらうかも知れないから、ゆっくりしていてくれ」


どうやら異星人が近くを離れた際に逃げ隠れしながら離脱したらしい。


彼の下を去ってからジョーンズは必死に考えていた。

技術力の差がありすぎる。

人間が脳から記憶をデータとして引き出せるようになるにはどれほどの時間がかかる?

想像もできないが、10年や20年では出来はしないだろう。


もはや魔法だ。

今我々とドンパチやってるのだって遊びのようなものじゃないのか?

環境を破壊したくないから手を抜いているとかだったら?

勝ち筋がなさすぎる。


心に黒いものを抱えながら自身の部隊へと帰還するのだった。

読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字や感想などお待ちしています。

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