序章 気づけば異世界
初投稿です。小説なんてろくに書いたことないので読みにくいなどご意見ありましたら遠慮なく言ってください。
目を覚ますと、そこは広大な草原だった。どこまでも広がる青い空と大草原。その景色をみて少年は思い出す。
「あぁそうだ・・・オレ死んだんだっけ」
彼の名は佐藤海斗。悪性腫瘍により15歳という若さでこの世を去った。両親は幼い頃に他界し、祖父母に育てられた。しかし、12歳のときに悪性腫瘍が見つかり、それ以降はずっと病院暮らしだった。入院先の病院が都会の大病院であったため、地方に住む祖父母が見舞いに来ることはほぼ無かった。そして誰にも看取られる事なくこの世を去ったのである。
「ここがあの世ってとこなのか?とてもそんな感じには思えないけど」
物思いにふけっていると背後から地響きが聞こえた。振り返るとそこにいたのは恐竜のような、いや恐竜そのものがいた。
「うあああ!!!!」
一目散に走り出す海斗。そりゃそうだ、目の前に恐竜がいたら誰だって逃げるに決まってる。野性動物にそれが悪手だとしてもだ。
★ ★ ★ ★ ★
青い空を飛ぶ物体、いわゆるサイドカーのような機体。それに乗る一人の少女。薄紅の髪に豊満な胸、そしてあどけなさを残した美しい顔。
彼女の名はルナ=ヴェル=グレーベル。魔法学園に通う一年生である。
「ん~・・・ この辺りだって学園長が言ってたんだけどな~」
すると、一瞬だが悲鳴が聞こえた気がした。周囲を見渡すと恐竜とそれに追われる人影が見えた。
「・・・やばっ!!!!」
ハンドルを名一杯回して機体を急旋回させる。約5秒で彼のところまで接近する。
「捕まって!!」
「え!?あ、あぁ!」
海斗はルナの手を掴み、機体は一気に上昇する。そしてある程度進んだところでホバリングさせた。
「大丈夫だった?」
「お、おう。助かったよ・・・」
「・・・ていうか、ここってどこなんだ?日本じゃないのは間違いないだろうけども・・・」
「ここはね、あなたがいた世界とは別の世界。でも全く違うわけじゃなくてね。なんて言ったらいいんだろうな~。詳しいことはパパ・・・学園長が教えてくれるから!」
そう言うとルナは海斗に座席に座るように促し発進させたのだった。