表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/275

魔法少女X #17

 その日、ミチコはとある建物の屋上で時計塔を見つめていました。

「変身!」ミチコは変身しました。


 ミチコは時計塔に侵入してモエとオインクに会いました。

「X……。」モエが言いました。

「アレから情報は掴めたかしら?」ミチコが言いました。

「いや……。」モエが言いました。

「そう……。」ミチコが言いました。

「何か情報が掴めたらこっちから連絡をするからそれまでは待っててよ。」モエが言いました。

「アイツの情報も必要だけど、アイツを倒す為の力の方はどうなの?」ミチコが言いました。

「うーん……。」モエが言いました。

「アイツは天才なんでしょ?バトルするならしっかり準備をしておいて損は無いとは思うけど……?」ミチコが言いました。

「確か……。」モエが言いました。

「オインク……。」オインクが言いました。

「もっとマジカルカードを集めてみるってのはどう?」ミチコが言いました。

「えっ……?」モエが言いました。

「今の私なら集めたマジカルカードを有効に活用してあげられるわ。」ミチコが言いました。

「確かに……。」モエが言いました。

「オインク。」オインクが言いました。

「前にSSSでマジカルカードのオリジナルを倒した際に関係者のみんなからカードは回収したんだけど、まだ他に残ってるカードはあるかな?」モエが言いました。

「モチロンあるさ。」そう言ってツバキが姿を現しました。

「あなた……!」ミチコが言いました。

「ツバキさん!?」モエが言いました。

「やあモエ。それに……X。わざわざ特殊能力を使って忍び込まなくとも、君のことはいつでも歓迎してるよ?」ツバキが言いました。

「それは良かったわ。」ミチコが言いました。

「ああ。」ツバキが言いました。

「それで、マジカルカードの在り処に関する情報を持ってるワケ?」ミチコが言いました。

「そうさ。」ツバキが言いました。

「どこにあるんですか?」モエが言いました。

「警察庁の保管庫さ。」ツバキが言いました。

「あー。」モエが言いました。

「警察庁の保管庫……?」ミチコが言いました。

「警察庁が回収したカードにはまだ手を付けられていないからね。」ツバキが言いました。

「なるほど。」ミチコが言いました。

「警察庁は街外れに倉庫を所有していて、非公式な押収品を保管している。」ツバキが言いました。

「要するに、マジカルカードが汚い金品と一緒にその倉庫に保管されてるってワケね。」ミチコが言いました。

「我々としてはそれらのカードが売り払われて汚職警官達の給料にならないようしっかりと回収しておきたいと考えていたところなのだが……。」ツバキが言いました。

「そこでXの出番ってワケですか!」モエが言いました。

「まあ、それでも良いんだが、向こうもXと我々の関係に感づいている可能性があるから、もっと別の犯人が欲しいと思っていたところだったんだ。」ツバキが言いました。

「別の犯人……。」モエが言いました。

「つい先日、知り合いの会社から連絡があってね。マジカルギャングの活動が活発になってるらしいんだ。」ツバキが言いました。

「その会社って……。」モエが言いました。

「マジカルギャング……?」ミチコが言いました。

「魔法を使う悪党チームだよ。」モエが言いました。

「へえ……。」モエが言いました。

「その会社からマジカルギャングの対策を頼まれているんだが、ひょっとしたら我々がその犯罪者達を取り締まればマジカルカードを大量に確保している犯罪者も見つかるかも知れないと考えたんだ。」ツバキが言いました。

「そしてそれらのカードの出所を調べたら、警察庁の保管庫だったってことが分かるワケね。」ミチコが言いました。

「でも……なんかその保管庫の襲撃が成功する前提で話が進んでますけど、実際のところそこが最大のネックなんじゃないですか?」モエが言いました。

「オインク。」オインクが言いました。

「この話はその会社にもしてある。あの会社ならきっと上手くやってくれるハズさ。」ツバキが言いました。「モチロンX、君の協力があればの話だけどね。」

「良いわ。」ミチコが言いました。「どこの会社なの?」

「アオイ産業。」モエが言いました。

「アオイ産業……?」ミチコが言いました。

「そう!詳しくは私よりも君の相方に聞いた方が早いんじゃないかな?」ツバキが言いました。

「えっ……?」ミチコが言いました。「そういうことならそうしてみるわ。」


 ミチコは時計塔を後にすると、変身を解除してハルナのアジトへと向かいました。

「やあ、ミチコちゃん。」ハルナが言いました。

「聞きたいんだけど、アオイ産業って知ってるかしら?」ミチコが言いました。

「アオイ産業……?」ハルナが言いました。「誰から聞いたの?」

「ツバキよ。」ミチコが言いました。

「まあ、そうだよね。」ハルナが言いました。

「あなたが詳しいって……。」ミチコが言いました。

「確かに、アオイさんとはあの人が政府と関係を持ち始める前からの知り合いだけどね。」ハルナが言いました。

「アオイさん……?」ミチコが言いました。

「あの人と最初に会ったのはこの町の精神病院だったけど、あの頃はまだ普通だったね。」ハルナが言いました。

「あなたが……?」ミチコが言いました。

「どっちも……。」ハルナが言いました。

「へえ……。」ミチコが言いました。

「ツバキさんから何を頼まれたの?まさかあの人の会社を襲撃しろなんて頼まれることは無いと思うけど……。いや、それも十分有り得るか。だったらやめた方が良いね。」ハルナが言いました。

「違うわよ。その会社の計画を手伝うように頼まれたのよ。」ミチコが言いました。

「そういうことなら……まあ、良いんじゃない?」ハルナが言いました。

「あなたも協力してくれる?」ミチコが言いました。

「まあ良いよ。」ハルナが言いました。「会社の場所まで案内してあげるよ。」


 ミチコはハルナと共にアオイのオフィスを訪れました。

 そこにはアオイとリラとネムとナタネがいました。

「ん……?」アオイが言いました。

「お久しぶりです、アオイさん。」ハルナが言いました。

「あら!誰かと思ったらハルナじゃない!元気そうね!」アオイが言いました。

「アオイさんの方こそ……。」ハルナが言いました。

「で、そっちは誰……?」アオイが言いました。

「えっと……。」ミチコが言いました。

「知らないんすか、社長?」ナタネが言いました。「地下アイドルのキスっすよ。」

「地下アイドル……?知るワケ無いでしょ。」アオイが言いました。「あなたドルオタなの?」

「スターリード学園は一応身内の組織っすよ?」ナタネが言いました。

「遠い親戚だわ、死んでその連絡が来た時にその存在を思い出すくらいのね。」アオイが言いました。

「しかしまさかキスがここに来るなんてね。」ナタネが言いました。

「そうね。」ミチコが言いました。

「ひょっとしてクワクレと知り合いだったりするワケ?」ナタネが言いました。

「話をしたことくらいならあるわ。」ミチコが言いました。「なんならシザリバの二人とも……。」

「おお!スゲー、クワクレと知り合いとか!」ナタネが言いました。

「クワクレ……良いよね。」リラが言いました。

「アレレー?リラはデスメタとかそっち系が好きなんじゃないのー?」ネムが言いました。

「うん。でも、クワクレも……良い線行ってると思う。」リラが言いました。

「どういうところがー?」ネムが言いました。

「えっと……世界観……?」リラが言いました。

「良いよな、クワクレの世界観!」ナタネが言いました。

「何なの、そのクワクレとかいうのの世界観って?」アオイが言いました。「説明して。」

「なんかこう……神秘的で……。ライヴのことを“餞”って表現したり……。」リラが言いました。

「そうそう!餞!」ナタネが言いました。

「はあ……?」アオイが言いました。

「そういや、キスもユニット組んで無かったっけ?X TIMEとかいうヤツ。相方は元気にしてるワケ?」ナタネが言いました。

「一応……あなた達の社長によると、元気そうにしてるらしいわよ。」ミチコが言いました。

「マジっすか!?社長キスの相方と知り合いだったんすか!?じゃあなんでキスのこと知らない雰囲気出してたんです?」ナタネが言いました。

「知らないわよ、コイツも、コイツのワケ分かんない相方のことも!」アオイが言いました。

「えっ……?」ナタネが言いました。

「アンタ、アイドルだか何だか知らないけど、好い加減なことばかり言ってるとその喉元を掻っ切るわよ!?」アオイが言いました。

「でも、ウソは言ってないわ。」ミチコが言いました。

「は……?」アオイが言いました。「まさか……。」

「ん……?マジか……。」ナタネが言いました。

「ナタネ、あなたのドルオタとしての知識も大したこと無かったってことね。」アオイが言いました。

「まあ、別に私もアイドルについてそこまで詳しいワケじゃないっすから……。」ナタネが言いました。

「それにしてもハルナ……あなたがアイドルを目指し始めたなんてね!」アオイが言いました。

「デビューしようとは思って無いですよ。」ハルナが言いました。

「そんなこと言って、今日は私の会社とのタイアップを図りに来たんでしょ?」アオイが言いました。「生憎、ウチはそういうのはやってないけど、ハルナの為なら考えてあげなくも無いわ。」

「いや……。」ハルナが言いました。

「私達はアイドルとしてここに来たんじゃないわ。」ミチコが言いました。

「それじゃあ何としてきたワケ?モデル?俳優?」アオイが言いました。

「魔法少女としてよ。」ミチコが言いました。

「ああ……なるほど……。」アオイが言いました。「結局あなたも魔法少女だったってオチね。」

「魔法少女X!」ハルナが言いました。

「Xってあの……?」ナタネが言いました。

「犯罪界の大物が我が社に売り込みに来たってワケね。」アオイが言いました。

「えっ……?社長、Xのことは知ってるんすか?」ナタネが言いました。

「アイドルなんかと比べてよっぽど有名だからね。」アオイが言いました。

「そうっすよね!魔法少女X……神出鬼没で大胆不敵な大怪盗!有名っすよね!」ナタネが言いました。

「ええ。」アオイが言いました。

「まさかXの正体が地下アイドルのキスだったなんて……。キスが有名になって来たのは最近だけど、実際のところ怪盗とアイドル、どっちが先だったワケ?」ナタネが言いました。

「そんな話はどうでも良いわ。てか多分同時でしょ。それよりも、ここからはビジネスの話よ。」アオイが言いました。

「そうね。その話がしたくてここまで来たの。」ミチコが言いました。


 おわり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ