魔法少女X #15
その日、ミチコはモエと共にココロとココロが作り出した人工妖精アバンダンと戦っていました。
ミチコはオインクが完成させたマジカルランチャーとモエに渡された“クライマックス”のカードを使ってココロに攻撃を仕掛けることに成功しました。
マジカルランチャーから挿入されていた“クライマックス”のカードが排出されました。
「ウッ……!ウウッ……!」ココロが呻き声を上げました。
「ココロ……。」モエが言いました。
「どうやら倒し切れなかったようね。」ミチコが言いました。
「オインク……。」オインクが言いました。
「ダメージを与えた今なら……“ジーニアス”の力も……!」モエが言いました。
「くうっ……!」ココロがよろめきながら立ち上がりました。
「もう止めにしよう?」モエが言いました。「“ジーニアス”のカードを手放して……!でないと……!」
「くっ……!」そう言ってココロはマジカルチェンジャーに挿入された“ジーニアス”のカードを見つめました。
「は……か……せ……。」ココロが言いました。
「ん……?」ミチコが言いました。
「ココロ……!」モエが言いました。
「イヤだ!」ココロが言いました。
「えっ……?」モエが言いました。
「このカードは手放さない!」ココロが言いました。
「ココロ……!」モエが言いました。
「ハハハハハッ!」ココロが言いました。
「ココロ……?」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「そうだ!この力、手放すハズが無いではないか!ハハハハハッ!」ココロが言いました。
「そんな……!」モエが言いました。
「博士……!ハッハッハッハッ!博士……!私は……神になる!ハッハッハッハッハッ!」ココロが言いました。
「いかれてるの?」ミチコが言いました。
「うん……。」モエが言いました。
「ハハハハハハハッ!」ココロが言いました。
「何でも良いけど、私から奪ったカードは返してよね。」ミチコが言いました。
「ん……?」ココロが言いました。
「ウウ……!」アバンダンが体勢を整えて言いました。
「そうだったな。そう言えばまだバトルの途中だったな。」ココロが言いました。
「まだバトルを続けるつもり?」ミチコが言いました。
「当然だ!」ココロが言いました。
「ココロ……。」モエが言いました。
「先程の攻撃によって私の魔力は減少してしまったが、私にはまだアバンダンがいる!お前から奪ったカードもな!」ココロが言いました。
「くっ……!」ミチコが言いました。
「状況は依然として私の優位!このままバトルを続けても敗北するのはお前達の方だ!」ココロが言いました。
「オインク……!」
「確かに……!」モエが言いました。
「神となるこの私の前に所詮お前達の力など無力ということだ。」ココロが言いました。
「それはどうかしら?」ミチコがマジカルランチャーを構えながら言いました。
「ん……!?」ココロが言いました。
「X……!?」モエが言いました。
「神になろうなんて笑わせるわ!あなたも、あなたのそのバケモノも、次の私の攻撃で葬ってあげる!」ミチコが言いました。
「何……?」ココロが言いました。
「フフフ……!」ミチコが言いました。
「次の攻撃……?もし次の攻撃を行おうとしたとしても、その時はアバンダンの能力を発動させて今度こそお前の力を奪い取ってやる!どの道お前に勝ち目は無い!」ココロが言いました。
「この私に同じ手が二度通用するかしら?」ミチコが言いました。
「確かに……。」ココロが言いました。
「さあ、どうする?」ミチコが言いました。
「ククククク……!」ココロが言いました。
「どうしたの?」ミチコが言いました。
「お前如きの戦略で本当にこの私を倒せると思うのか?」ココロが言いました。
「モチロン。」ミチコが言いました。
「どうして私がこの場所に来たのか分かるか?」ココロが言いました。
「えっ……?」ミチコが言いました。
「私を仕留める為じゃないの?」モエが言いました。
「違う!私がここに来たのは私のロードを完成させる為に必要なピースがここに存在すると分かったからだ!」ココロが言いました。
「オインク……?」オインクが言いました。
「どういう……こと……?」モエが言いました。
「この場所に……?まさか……!」ミチコが言いました。
「私はここに来た際に鹵獲した力を用い、アバンダンの特殊能力をさらに強化する!」ココロが言いました。
ココロがサウザンド・アイズ・アイドラーを召喚しました。
「えっ……!?」モエが言いました。
「ソイツは……!」ミチコが言いました。
「アバンダンにサウザンド・アイズ・アイドラーを融合!」ココロが言いました。
アバンダンとサウザンド・アイズ・アイドラーが融合しました。
「暗黒妖精、サウザンド・アイズ・アバンダン!」ココロが言いました。
「ウアアアッ!」サウザンド・アイズ・アバンダンが言いました。
「サウザンド……アイズ……アバンダン……!?」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「まさかあのバケモノを事前に鹵獲していたなんて……!」ミチコが言いました。
「サウザンド・アイズ・アバンダンの眼が開かれし時、全ての敵の特殊能力は無力化される!」ココロが言いました。
「そんな……!」モエが言いました。
「くっ……!」ミチコが言いました。
「これでお前達の動きは封じられる。後は既に取り込んでいるカードの力で……!」ココロが言いました。
「それはどうかな?」そう言いながらハルナが姿を現しました。
「何……!?」ココロが言いました。
「ハルナ……!?」ミチコが言いました。
「変身!」ハルナが変身しました。
「どうしてここに……?」ミチコが言いました。
「ユニット活動に力を入れろって言ったのはそっちじゃん。」ハルナが言いました。「だからちょっとと来てみたワケ。」
「ハルナ……。」ミチコが言いました。「遅いじゃない。」
「そんなこと無いよ、アイドルタイムは始まってすらいないんだから!」ハルナが言いました。
「くっ……!何人増えたところで状況は……!」ココロが言いました。
「そんなことは無いわ!」ミチコが言いました。
「X TIME……スタートアップ!」ハルナが言いました。
「気をつけて!アイテムを使おうとすると奪われるわ!」ミチコが言いました。
「それなら……!」そう言ってハルナはマジカルムーブを発動しました。
「迎え撃て!」ココロが言いました。
「マジカルキック!」ハルナが跳び蹴りを繰り出しました。
「ハアアッ!」サウザンド・アイズ・アバンダンが魔法弾を放ちました。
「ハアアアアッ!」ハルナはサウザンド・アイズ・アバンダンが放った魔法弾を押し返しながら攻撃を続けました。
「何……!?」ココロが言いました。
ハルナのキックがサウザンド・アイズ・アバンダンに直撃しました。
「ウアアアッ……!」サウザンド・アイズ・アバンダンは爆発と共にふっ飛ばされました。
「バカな……!」ココロが言いました。
「ウウッ……!」サウザンド・アイズ・アバンダンがよろめきながら立ち上がろうとしました。
「今だよ!」ハルナが言いました。
「これ……!」モエが持っていたカードの中から咄嗟に一枚選んでミチコに投げ渡しました。
「ん……?」ミチコは受け取ったカードを見つめました。
「コレ……武器に入れて使えるのかしら?」ミチコが言いました。
「えっ……?」モエが言いました。
「まあ良いわ。」ミチコが言いました。
ミチコはマジカルランチャーを放り投げると、受け取ったカードをマジカルリーダーに読み込ませました。
「“ジャンプ”のカード……。」モエが言いました。
「ウアッ……!」サウザンド・アイズ・アバンダンはよろめいていました。
「これが真のクライマックスよ!」そう言ってミチコがジャンプしました。
「なっ……!」ココロが言いました。
「ハアーッ!」ミチコが落下しながらキックを繰り出しました。
「ウアアアアアアアッ……!」サウザンド・アイズ・アバンダンがミチコのキックを受けてふっ飛ばされました。
「二人の連続キック炸裂!」モエが言いました。
「ウッ……!ウウッ……!」サウザンド・アイズ・アバンダンが全身に稲妻を帯びた状態で立ち上がりました。
「バカな……!神となるべきこの私が作り出した……最強のロードが……!」ココロが言いました。
「タイムアウト。」ミチコとハルナが言いました。
「ウアアアアアアアッ……!」サウザンド・アイズ・アバンダンが爆発しました。
「くっ……!」そう言ってココロは爆発の中から飛び出てきた《アース》のカードを取りました。
「あっ……!私のカード……!」ミチコが言いました。
「かくなる上は……このカードの力で……!」そう言ってココロその場を去りました。
「いや……!私のカード……返して……!」ミチコが言いました。
「校長に怒られちゃうね。」ハルナが言いました。
「うう……!弁償しろなんて言われたらどうしよう……?」ミチコが言いました。
「えっと……。」モエが言いました。
「オインク……。」オインクが言いました。
「慰めになるか分からないけど……良かったら……そのカード……持ってて良いよ。」モエが“ジャンプ”のカードを指して言いました。
「一枚……だけ……?」ミチコが言いました。
「ええ……?」モエが言いました。
「オインク……。」そう言ってオインクが武器召喚の魔法が発動出来る魔法のカードを生成し、ミチコに渡しました。
「じゃあ、このカードも貰っておくわ。」そう言ってミチコは地面に落ちたままの“クライマックス”のカードを拾いました。
「ご……強欲……!」モエが言いました。
「オインク……。」オインクが言いました。
「これ以上カードを盗られる前に帰ろう!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「やれやれ……。ホントに泥棒には困ったもんだよ。」モエはそう言いながらオインクと共にその場を去りました。
「随分と毟り取ったね。」ハルナが言いました。
「これでもまだピンチなんだからね?」ミチコが言いました。
「まあまあ……。校長には私も一緒に頭下げてあげるから……。」ハルナが言いました。
「当然よ。」ミチコが言いました。
「やれやれ、相方が不甲斐無いとユニットも大変だね。」ハルナが言いました。
「真面目に活動してないクセに……。」ミチコが言いました。
「はいはい。」ハルナが言いました。
「それはそうと……ありがとう。」ミチコが言いました。
「どういたしまして。」ハルナが言いました。
おわり