魔法少女モエ #13
その日、モエは時計塔でオインクと話していました。
「よしと、今日もパトロールに出掛けようか!?」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「ん……?どうしたの、オインク?」モエが言いました。
「オインク!」オインクが魔法の火器“マジカルランチャー”を召喚しました。
「コレは……?コレって……もしかして……。」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「確かコレってツバキさんが試作してた魔法の銃だよね?」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「確か未完成のままだったハズだけど、オインクが完成させたの?」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「そっか!敵も色々と厄介になって来てるから、こういうアイテムがあると役に立つかも……!さすがだね、オインク!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「この銃を使うにはマジカルカードが必要なんだよね?政府が保管しているマジカルカードを持っていこう。」モエが言いました。
その頃、ココロはジーニアスキャプターが研究を行っていた研究所にいました。
「フフフ……!ガーベージが開発を躊躇していたロードが間もなく私の手によって完成する!」ココロが言いました。「このロードが完成すれば……!」
モエとオインクはとある通りを歩いていました。
そこへココロが姿を現しました。
「あなたは……!」モエが言いました。
「フッフッフッ……!」ココロが言いました。
「ココロ……!」モエが言いました。
「久しぶりだな。」ココロが言いました。
「あの時は……その……。」モエが言いました。
「気にしなくても良い、ガーベージが死んだおかげで私は神となることが出来るようになったのだから!」ココロが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「そっか……。“ジーニアス”の力で変わっちゃったんだね。」モエが言いました。
「フッフッフッ……!」ココロが言いました。
「こうなったら……私に出来ることは一つしかない。」モエが言いました。
「ほう……。」ココロが言いました。
「変身!」モエが変身しました。
「私に挑むつもりか。」ココロが言いました。
「うん!」モエが言いました。
「愚かな……。」ココロが言いました。「尤も、予想通りだがな。」
「オインク……!」オインクが言いました。
「お前に面白いものを見せてやろう。」ココロが言いました。
「面白いもの……?」モエが言いました。
「ガーベージが破棄したロードだ。」ココロが言いました。
「ドクター・ガーベージの……?」モエが言いました。
「オインク……?」オインクが言いました。
「来るが良い、人工妖精“アバンダン”!」ココロがそう言うと同時に何物にも形容しがたい容姿を持つ人工妖精“アバンダン”が姿を現しました。
「フン……。」アバンダンが言いました。
「オインク!?」オインクが言いました。
「人工妖精……アバンダン……!?」モエが言いました。
「私には妖精のパートナーが存在していなかったからな。コイツがそのパートナーだ。」ココロが言いました。
「このバケモノが……パートナー……?」モエが言いました。
「美しいでは無いか、この姿!これぞ神の眷属に相応しい!」ココロが言いました。
「ココロ……!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「あなたの野望は私が阻止してみせる!」そう言ってモエがマジカルランチャーを構えました。
「その大砲でアバンダンと勝負するつもりかな?」ココロが言いました。
「どういうこと……?」モエが言いました。
「フン!」アバンダンがマジカルランチャーを吸い込み、そのまま取り込みました。
「えっ……?」モエが言いました。
「オインク!?」オインクが言いました。
「武器が……奪われた!?」モエが言いました。
「アバンダンには敵の力を吸収し、自身の攻撃力とする能力がある!」ココロが言いました。
「そんな……!」モエが言いました。「あのバケモノにそんな力が……!?」
「うーむ……。でも残念だ。どうやら今取り込んだ武器はそのままでは攻撃力を持たないようだな。」ココロが言いました。
「確かに……マジカルランチャーはマジカルカードを挿入することで初めて機能する武器。マジカルカード無しじゃ使い物にならない。」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「つまり今現在のあのバケモノの攻撃力はゼロ!?」モエが言いました。
「そういうことになるな。」ココロが言いました。
「あのバケモノの攻撃力はゼロ。今攻撃を仕掛ければ確実に倒せる。」モエが言いました。
「フッフッフッ……!」ココロが言いました。
「でも何……ココロのあの余裕……?まるで私が攻撃を仕掛けるのを待っているような……。」モエが言いました。
「私にはお前の戦法などお見通しだ。」ココロが言いました。「さあ、攻撃を仕掛けてみるが良い。」
「くっ……!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「オインク……!?」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「ん……?」ココロが言いました。
「そうだね、オインク!ここで躊躇していても仕方が無い!ここは勝負に出る!」モエが言いました。
「フフフ……!」ココロが言いました。
「行くよ!」そう言ってモエはマジカルムーブを発動しました。
「マジカルチャージ!」モエがアバンダンに向かって走り出しました。
「ハアッ!」ココロが魔法線を放ってモエを攻撃しました。
「ウアアアッ……!」モエがココロの攻撃を受けて爆発と共にふっ飛ばされました。
「オインク……!?」オインクが言いました。
「ううううっ……!」モエが倒れ込んだまま言いました。
「ハッハッハッハッハッ!」ココロが言いました。
「そんな……!」モエが立ち上がりながら言いました。
「私自身も以前とは違う!アイテムを強化して攻撃力をアップしてきたのだ!」ココロが言いました。
「な……!」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「単純な攻撃を仕掛けたところで、私の攻撃で返り討ちにしてやる!」ココロが言いました。
「くっ……!」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「要するに、武器を使えばあのバケモノに吸収されるし、かといって武器無しで戦うのも難しい……そんな状況か……。」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「どうすれば……!?」モエが言いました。
「変身!」ミチコがマジカルチェンジャーのみを使用して変身して姿を現しました。
「ん……?」ココロが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「苦戦しているようね。」ミチコが言いました。
「あなたは……!」モエが言いました。「どうしてここに……?」
「ちょっとワケ有りでね。ここ、私の今の仕事場の近くなの。」ミチコが言いました。
「仕事場……?」モエが言いました。
「要するに、ここでドタバタされたら迷惑ってワケ。」ミチコが言いました。「だから手を貸してあげるわ。」
「ほう……。」ココロが言いました。
「でもアイツは強敵だよ?」モエが言いました。「いくらあなたでも……。」
「平気よ。」ミチコが言いました。
「えっ……?」モエが言いました。
「新しい力を手に入れたの。」そう言ってミチコは《アース》のカードを取り出しました。
「ん……?」ココロが言いました。
「それは……!」モエが言いました。
「行くわよ!」ミチコが言いました。
「待って……!」モエが言いました。
ミチコは《アース》のカードをマジカルリーダーに読み込ませ、その姿を変えました。
「この瞬間、アバンダンの特殊能力発動!」ココロが言いました。
「えっ……!?」ミチコが言いました。
その瞬間、《アース》のカードがアバンダンに取り込まれ、ミチコは《アース》のカードを使う前の姿に戻されました。
「私のカードが……!」ミチコが言いました。「どういうこと……!?」
「ハッハッハッハッハッ!」ココロが言いました。「愚かなヤツめ!」
「えっ……?」ミチコが言いました。
「あのバケモノには相手の力を奪う能力があるんだよ!」モエが言いました。
「そんな……!」ミチコが言いました。
「泥棒のクセに盗まれるなんて……。」モエが言いました。
「むう……!」ミチコが言いました。
「素晴らしい!これでアバンダンに攻撃力がプラスされた!」ココロが言いました。
「くっ……!」ミチコが言いました。
「行け、アバンダン!」ココロが言いました。
「フン!」アバンダンが構えました。
「来るよ!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「何か打つ手は……!?」ミチコが言いました。
「ハアッ!」アバンダンが《アース》の力を使って魔法弾を放ちました。
「フッ!」ミチコが高速移動で飛んできた魔法弾をかわしました。
「何……!?」ココロが言いました。
ミチコはそのままアバンダンの脇に回り込み、マジカルムーブを発動しました。
「対抗手段が間に合わない!」ココロが言いました。
「マジカルヘイスト!」ミチコが高速移動でアバンダンにパンチを浴びせると同時にアバンダンに取り込まれていたマジカルランチャーを抜き取りました。
「ウアアアッ……!」アバンダンが後退しました。
「そんな……!」ココロが言いました。
「フッ!」ミチコがアバンダンから距離を取ってモエの傍へと移動しました。
「この武器……ひょっとして……?」ミチコが言いました。
「コレ……使って!」モエが“クライマックス”のカードをミチコに投げ渡しました。
「ええ!」ミチコが“クライマックス”のカードをマジカルランチャーに挿入しました。
「ウウッ……!」アバンダンはよろめいていました。
「くっ……!させん!」ココロが言いました。
「ハアアッ!」ココロが魔法線を放ちました。
「フッ!」ミチコがすかさずマジカルランチャーをココロに向けました。
「マジカルランチクライマックス!」ミチコが魔法弾を放ちました。
ミチコの放った魔法弾はココロの放った魔法線を打ち消しながら飛んでいき、そのままココロに直撃しました。
「ウアアアアアアアッ……!」ココロが爆発と共にふっ飛ばされました。
おわり