魔法少女X #14
その日、ミチコはスターリード学園の教室で静寂の狂夜の三人と話をしていました。
「もし私達が有名になってツアーとかすることになったらどこ行きたい?」ヴァーラが言いました。
「やっぱ……沖縄……?」ティーラが言いました。
「良いよね、沖縄!」ファーナが言いました。
「うんうん。」ヴァーラが言いました。
「沖縄……何で……?」ミチコが言いました。
「そりゃやっぱ……県庁所在地が那覇だから……?」ティーラが言いました。
「は……?」ミチコが言いました。
「那覇良いよね!」ファーナが言いました。「音の響きが……!」
「うん。死んだ世界って感じする。」ヴァーラが言いました。
「死んだ世界って……。」ミチコが言いました。
「なんか分かる!」ファーナが言いました。
「でも……羅覇って名前も悪くないと思わない?」ティーラが言いました。「一度変えてみても良いでしょ?」
「確かに……!」ファーナが言いました。「羅覇、良いじゃん!」
「うーん……。でもそれだとちょっと眠い感じしない?」ヴァーラが言いました。
「ああ……確かにそうかも……。」ティーラが言いました。
「やっぱ那覇ってよく考えて付けられてる名前なんだね!」ファーナが言いました。
「なんか……深いわね。」ミチコが言いました。
「それにしても聞いた?」ヴァーラが言いました。
「何を……?」ミチコが言いました。
「最近辞めてく子増えてきてるみたいだけど、その内の何人かは他の生徒に襲われて辞めてるってウワサ!」ヴァーラが言いました。
「そのウワサ……。」ティーラが言いました。
「私も知ってる、それ!」ファーナが言いました。
「ええ……。」ミチコが言いました。「そういう話も出ているみたいね。」
「そういう悪党を懲らしめる正義のアイドルもいるって話もあるよね?」ティーラが言いました。
「それって超イケてるじゃん!」ヴァーラが言いました。
「憧れちゃうよね、そういうの!」ファーナが言いました。
「所詮ウワサ話でしょ?」ミチコが言いました。
「ミチコってば、相変わらずクールだね。」ヴァーラが言いました。
「そう?」ミチコが言いました。
「あなた名前も変えたんだし、エモみたいに路線を変更するつもりだったんじゃないの?」ヴァーラが言いました。
「えっ……?」ミチコが言いました。
「確かに……そういうことなんだと思ってた。」ティーラが言いました。
「路線変更……ね。」ミチコが言いました。
「私は今のミチコのキャラ好きだけどね。」ヴァーラが言いました。「アイドルっぽくは無い気もするけどさ。」
「私達がそれ言っちゃう?」ファーナが言いました。
「私達はもうアイドルじゃないから……。」ヴァーラが言いました。
「えー……?」ファーナが言いました。
「私アイドルって呼ばれたら怒る自信あるよ。」ヴァーラが言いました。
「別にそこまでしなくても……。」ミチコが言いました。
「結局ミチコはそのままのキャラなの……?」ティーラが言いました。
「うーん……。そうね。」ミチコが言いました。
「キスって割と良い名前だよね!」ファーナが言いました。
「確かに……なんかファシネーションを感じる気がする。」ヴァーラが言いました。
「それにインファチュネーションも……!」ティーラが言いました。
「分かる!」ファーナが言いました。
「私には分かんないんだけど……あなた達のその感性……。」ミチコが言いました。
「まあ、あなたの方向性はあなた自身で決めるべきだと思うし、私達が口出して良いことじゃ無いけどさ……。」ヴァーラが言いました。
「確かに……。」ティーラが言いました。
「なんか……ゴメンね。」ファーナが言いました。
「いや……気にしなくても良いわ。それに、あなた達の言うことも間違って無いんだと思う。」ミチコが言いました。
その後、ミチコはハルナのアジトでハルナに会いました。
「X TIMEの緊急会議よ!」ミチコが言いました。
「会議TIME!」ハルナが言いました。「で、緊急って何……?」
「クワクレの三人に私のキャラについて訊かれたんだけど……。」ミチコが言いました。
「ああ……。あの三人……なんかステージだとしっとりしてて妖艶ながらもどこか力強さを感じさせる良いキャラしてるよね。」ハルナが言いました。「それに比べて……。」
「ひょっとして私……名前負けしてるかしら?」ミチコが言いました。
「確かにミチコちゃん適当に名前考えたけど、割と重い名前を選んだ感じもするよね。」ハルナが言いました。
「クワクレの三人も私の名前について色々とコメントしてくれたわね。」ミチコが言いました。「とてもじゃないけどシザリバをリスペクトしてるなんて言えない感じだったわ。」
「どうせだったらシザリバの二人と話して来れば良かったのに……。」ハルナが言いました。
「もっと気まずくなるじゃない。」ミチコが言いました。
「まあひとまずのところ、X TIMEの緊急会議とは言うものの、実際にはミチコちゃん個人の問題について話し合うワケだね。」ハルナが言いました。
「えっと……そうね。」ミチコが言いました。
「気にしなくても大丈夫だよ、その為のユニットなんだから。」ハルナが言いました。
「いや、実際のところハルナにはユニットとしての活動にもっと力を注いで欲しいんだけど……。」ミチコが言いました。「急にやる気無くしたわよね?」
「まあね。」ハルナが言いました。「そういうもんだよ。」
「とにかく今は私の問題を解決しましょう。」ミチコが言いました。
「まあ、結論から言っちゃうと、キャラ作りは必要ってことだよね。」ハルナが言いました。
「どういうキャラが良い?」ミチコが言いました。
「そりゃやっぱりキスって響きからすると、ハードなロックアイドルって感じじゃないかな?」ハルナが言いました。
「ロックは無理よ。つい最近それを思い知ったばかりでしょ?」ミチコが言いました。
「まあ、キスには二種類あると思うんだよね。」ハルナが言いました。
「二種類……?」ミチコが言いました。
「悪魔のキスと天使のキス。」ハルナが言いました。
「は……?」ミチコが言いました。
「で、悪魔のキスは今言ったロック系。」ハルナが言いました。
「つまり、それがダメなら天使のキスになるしかないと……?」ミチコが言いました。
「良いじゃん、正統派アイドル!」ハルナが言いました。
「ええ……?」ミチコが言いました。
「文句ばかり言ってるといつまで経っても名前負けしたままだよ、キスちゃん。」ハルナが言いました。
「むう……。」ミチコが言いました。
「まあ、マーシャに言われたように芸能界のウワサ話を集めるなら、やるしかないんじゃないかな?」ハルナが言いました。
「これも仕事の為か……。」ミチコが言いました。
スターリード学園の近くの通りに一体のアイドラーが現れ、生徒達を襲っていました。
ミチコは近くの建物の屋上からその様子を見つめていました。
「派手にやってるみたいね。」ミチコが言いました。
「私も頑張らないと……。」ミチコが《アース》のカードを取り出して言いました。
「変身!」ミチコが変身しました。
そのアイドラ―の前にミチコが姿を現しました。
「誰……あなた……!?」そのアイドラ―が言いました。
「オホン……。」ミチコが言いました。
「ん……?」そのアイドラ―が言いました。
「アイドルマジカルX!覚えてね!」ミチコが言いました。
「アイドルマジカル……!?」そのアイドラ―が言いました。「コレがウワサの……?」
「知ってて貰えてるなんて嬉しい!これからも応援よろしくね!」ミチコが言いました。
「何言ってんの?」そのアイドラ―が言いました。「誰があなたの応援なんか……!」
「フフフ……!」ミチコが言いました。
「何……?」そのアイドラ―が言いました。「どうしたって言うの?」
「フッフッフッフッフッ……!」ミチコが言いました。「そうよね。」
「えっ……?」そのアイドラ―が言いました。
「あなたが私の応援なんかするワケ無いわよね。」ミチコが言いました。「知っていたわ。」
「あなたどういうキャラ作りしているワケ……?」そのアイドラ―が言いました。
「アイドルはここまで。ここからは素で行かせて貰うわ。」ミチコが言いました。
「何ですって……?」そのアイドラ―が言いました。「素を出されると同じアイドルとして複雑な気分になるんだけど……。」
「心配しなくてもあなたはもうアイドルじゃないわ。」ミチコが言いました。
「うっ……!」そのアイドラ―が言いました。
「そして私は……アイドルマジカルでもあるけれど……魔法少女よ!」ミチコが言いました。
「魔法少女……!」そのアイドラ―が言いました。「魔法少女X……!」
「その名前で呼ばれるのも久しぶりね。」ミチコが言いました。「自分でそう名乗っちゃったのが原因だけど……。」
「あなたが魔法少女だとしても……アイドルでもあるなら消えて貰うわ!」そのアイドラ―が言いました。
「行くわよ!」そう言ってミチコはアイドルタイムを発動しました。
ミチコとそのアイドラ―は殴り合いました。ミチコはパンチを当ててそのアイドラ―を追い詰めていきました。
そのアイドラ―はミチコの背後に回り込んで攻撃を仕掛けようとしました。
「マジカルバースト!」ミチコはマジカルピストルを召喚し、素早く後ろに向けて撃ちました。
「ウアアアッ……!」そのアイドラ―が魔法弾を受けて後退しました。
「ハアーッ!」ミチコが残りのアイドルタイムを全て費やして跳び蹴りを繰り出しました。
「ウアアアアアアアッ……!」そのアイドラ―はふっ飛ばされて倒れました。
その後、ミチコはハルナのアジトでハルナと話しました。
「キャラ作り、どうだった?」ハルナが言いました。
「思ってたよりも楽しめたわ。」ミチコが言いました。「楽しい部分もあるかも知れないわね。」
「それは良かったね。」ハルナが言いました。
「でも、アイドルマジカルとしてのライブの時はキャラ作りしない方が上手く行くような気がしたわね。」ミチコが言いました。
「まあ、そうだろうね。」ハルナが言いました。
「良い勉強になったわ。」ミチコが言いました。
「ミチコちゃんがアイドルとして成長してくれて私も鼻が高いよ。」ハルナが言いました。
「うーん……。」ミチコが言いました。「まあ……良いわ。」
おわり