魔法少女カエデ #10
その日、カエデはオフィスでケイトリンと話をしていました。
「闇の力の活動がさらに活発になっているみたいです。」ケイトリンが言いました。
「みたいだね。」カエデが言いました。
「私達の仲間であるスイも暗黒魔法少女となってしまいました。」ケイトリンが言いました。
「スイ……。」カエデが言いました。
「私達も対応を強化しなければなりません。」ケイトリンが言いました。
「そうだね。」カエデが言いました。
その頃、とある通りで一人の警察官が一人の通行人に職務質問を行っていました。
そこへスイが姿を現しました。
「ご苦労様、お巡りさん。」スイが言いました。
「君は……?迷子かい……?」その警察官が言いました。
「こんなところでこんなことして、税金のムダ遣いも良いところだね。」スイが言いました。
「え……?」その警察官が言いました。
「ちょっとお巡りさん、俺なんかよりもこの子を職質した方が良いんじゃないの?」その通行人が言いました。
「ふーん。そんなこと言うんだ?」スイが言いました。「せっかく助けてあげようと思って来たのに……。」
「は……?」その通行人が言いました。
「変身!」スイが変身しました。
「な……!」その警察官とその通行人が言いました。
「ねえお巡りさん、権力を持てて嬉しい?」スイが言いました。
「いや……僕の仕事は……!」その警察官が言いました。
「フフフ……!私がもっと大きな力をあげるよ。」スイが言いました。
「え……!?」その警察官が言いました。
「アビズマルチューニング!」スイがその警察官をチューニングしました。
「ウアアアッ……!」その警察官が言いました。
「な……!」その通行人が言いました。
「フフフ……!」その警察官がチューンダークへと変身しました。
「思う存分力を使っても良いよ、お巡りさん。」スイが言いました。
「はい。」そのチューンダークが言いました。
そのチューンダークがその通行人の方を向きました。
「な……何……!?」その通行人が言いました。
「フン……!」そのチューンダークが拳を構えました。
「よ……よせ……!分かった!俺だ!俺がやった!もう下着泥棒なんてしないから……!ヒイイイイッ……!」そう言ってその通行人は逃げ出しました。
「逃がさん!」そう言ってそのチューンダークはその通行人を追いかけました。
「殺さない程度に……ね。」スイが言いました。「フフフ……!」
「あなた……何者なの……?」そう言いながらローズが姿を現しました。
「あなたは……ひょっとして……?」スイが言いました。
「ローズよ。」ローズが言いました。
「ふーん。あなたがウワサの……。」スイが言いました。「何の用……?」
「闇の力……どこで手に入れたの?」ローズが言いました。
「ある人に貰ったんだよ。」スイが言いました。
「ある人……?それってあのミサキって子かしら?」ローズが言いました。
「さあね。」スイが言いました。
「あなた達……一体何を企んでるの?」ローズが言いました。
「どうだって良いじゃん。」スイが言いました。
「くっ……!」ローズが言いました。
「それとも……力尽くで聞き出してみる?」スイが言いました。
「フッ……!」ローズが言いました。
「変身!」ローズが変身しました。
「フフッ……!やる気なんだ?」スイが言いました。
「あなたはどうしたいの?」ローズが言いました。「逃げ出すなら今の内よ?」
「逃げるワケ無いじゃん。」スイが言いました。
「フフフッ!恐れ知らずね。」ローズが言いました。
「で……やるの?」スイが言いました。
「いえ、止めておくわ。その愚かさに免じて今日のところは大目に見てあげる。」ローズが言いました。
「へえ……!」スイが言いました。
「でも……もし私のジャマをするようなことがあればその時は容赦しないわ。覚えておきなさい。」ローズが言いました。
「良いよ。」スイが言いました。
カエデとケイトリンは別の通りを歩いていました。すると怯えたその通行人が目の前を横切っていきました。
「ん……?」カエデが言いました。
「どうやら闇の力が動いているようですね。」ケイトリンが言いました。
そこへそのチューンダークが通り掛かりました。
「ん……?」そのチューンダークはカエデとケイトリンを見て足を止めました。
「妖精……?」そのチューンダークが言いました。「魔法少女か……。」
「うん。」カエデが言いました。「あなたは……?」
「私はチューンダーク、闇の魔法使いだ。」そのチューンダークが言いました。
「チューンダーク……。」ケイトリンが言いました。
「闇の魔法使い……!」カエデが言いました。
「どうやらスイの特殊能力で変身した魔法使いのようですね。」ケイトリンが言いました。
「スイ……!」カエデが言いました。
「我らが主の名を気安く呼ぶな。」そのチューンダークが言いました。「命は無いぞ?」
「目を覚まして!あなたは闇の力で操られてる!」カエデが言いました。
「フン!」そのチューンダークが言いました。
「無理です、カエデ。」ケイトリンが言いました。
「ケイトリン……?」カエデが言いました。
「あの人の人格は闇の力によって支配されているようです。」ケイトリンが言いました。
「えっ……?」カエデが言いました。
「あの人を元に戻すには、バトルによって闇の魔力をゼロにするしかありません。」ケイトリンが言いました。
「だったら……!」カエデが言いました。
「変身!」カエデが変身しました。
「フフフ……!バトルだ!闇の力を思い知らせてやる!」そのチューンダークが言いました。
「ハアアッ!」そのチューンダークが両手から闇の魔法の稲妻を放ちました。
「マジカルシールド!」カエデはマジカルシールドでそのチューンダークの攻撃を防ぎました。
「何……!?」そのチューンダークが言いました。
カエデは右手に魔法の刃を生成すると、そのチューンダークに向かって走り出しました。
「フン!」そのチューンダークは向かってきたカエデにパンチを繰り出しました。
カエデはそのチューンダークのパンチをマジカルシールドで防ぐと、魔法の刃で反撃を行いました。
「ウアッ……!」そのチューンダークがカエデの攻撃を受けて怯みました。
カエデはさらに連続でそのチューンダークを切りつけました。
そのチューンダークは怯みながらもすぐに体勢を立て直し、またパンチを繰り出しましたが、カエデはマジカルシールドでそれを防いでまたそのチューンダークを切りつけました。
「ウッ……!」そのチューンダークが怯みました。
「マジカルバッシュ!」カエデがマジカルシールドを振ってそのチューンダークを攻撃しました。
「ウアアアッ……!」そのチューンダークは転倒しました。
「くっ……!」そのチューンダークがよろめきながら立ち上がろうとしました。
「ハアアッ!」カエデが魔法の刃を振り下ろしてそのチューンダークを切りつけました。
「ウアアアアッ……!」そのチューンダークは倒れ、変身を解除しました。
「大丈夫……!?」カエデが変身を解除してその警察官に駆け寄りました。
「うう……!君は……?」その警察官が言いました。
「私は……。」カエデが言いました。
「私は一体……?」その警察官が言いました。
「大丈夫ですか、お巡りさん?」カエデが言いました。
「ありがとう。」そう言ってその警察官が立ち上がりました。
「僕のことは心配要らないから、君は早くお家に帰るんだ。お父さんやお母さんが心配しているよ。」その警察官が言いました。
「はい。分かりました。」カエデが言いました。
その頃、ミサキはとある路地でクローディアと話していました。
「どう?あなたの考えた通りには行ってないんじゃない?」クローディアが言いました。
「そうかしら?」ミサキが言いました。
「違う?」クローディアが言いました。
「まあ、確かに今のところは私の思い通りって感じにはなってないかも知れないわね。」ミサキが言いました。
「そうでしょ?」クローディアが言いました。
「でも、まだまだこれからよ。これから……。」ミサキが言いました。
「あまり回りくどいことなんて考えずに一人でやってみても良いんじゃない?」クローディアが言いました。「その方が手っ取り早いでしょ?」
「ダメよ。」ミサキが言いました。
「どうして?」クローディアが言いました。
「それだと面白味に欠けるわ。」ミサキが言いました。
「フフフ……。確かにね。」クローディアが言いました。
「まあ見てて、きっと上手く行かせてみせる……。」ミサキが言いました。
「それじゃ、楽しみにしててあげる。」クローディアが言いました。
「フフフフ……!」ミサキが言いました。
カエデはケイトリンと共にオフィスに戻りました。
「大丈夫ですか、カエデ?」ケイトリンが言いました。
「全然平気だよ。ありがとう、ケイトリン。」カエデが言いました。
「いえ……。」ケイトリンが言いました。
「それにしても……スイ……。」カエデが言いました。
「スイの目的が分かりませんね。」ケイトリンが言いました。
「うん。」カエデが言いました。
「チューンダークと名乗るあの魔法使いも特に目的があって動いていたようには見えませんでした。」ケイトリンが言いました。
「目的が何にせよ、人の自我を失わせるなんて行為は間違ってる。スイの行動は阻止しなくちゃ……!」カエデが言いました。
「組織全体で対応に当たれるようにしたいところですね。」ケイトリンが言いました。
「モエにフウに、闇の力に対する防衛チーム……それにいざという時は他の皆もいる。」カエデが言いました。
「はい。」ケイトリンが言いました。
「それに、ハルナと始めとした民間の魔法少女達も……。」カエデが言いました。
「そうです。」ケイトリンが言いました。
「みんなの力でこの危機を乗り越えられると嬉しいね。」カエデが言いました。
「その通りです。」ケイトリンが言いました。
「頑張っていこう、ケイトリン!」カエデが言いました。
「はい、カエデ。」ケイトリンが言いました。
おわり