魔法少女モエ #11
その日、モエがオインクと共にとある通りを歩いているとジーニアスキャプターが姿を現しました。
「あなたは……!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
「ドクター・ガーベージ!」モエが言いました。
「よく私の名を覚えていたな、無知なる魔法少女よ。」ジーニアスキャプターが言いました。
「確かに私にはあなた程の知識は無いかも知れないけれど、そこまでバカでも無いんだよ。」モエが言いました。
「そうかもな。お前は無知の割に侮れん。だから私がこの世界を支配するに当たって真っ先に潰しておくことに決めたのだ。」ジーニアスキャプターが言いました。
「えっ……?」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「見せてやろう、お前を倒す為に発明した我がロードを!」ジーニアスキャプターが言いました。
「新しいロード……!?」モエが言いました。
「恐れおののけ!」ジーニアスキャプターが言いました。
「フフフフフ……!」笑いながらココロが姿を現しました。
「アレは……人間……?」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「無知なる魔法少女よ、これが人間に見えるか?確かにそう見えるかも知れないな!だが、これこそが我がロード、人造魔法少女“ココロ”なのだ!」ジーニアスキャプターが言いました。
「人造魔法少女……!?」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
「そう!敵を倒す為には敵と同じ力を身に着けることが大事なのだ!だから魔法少女であるお前を倒す為に人造魔法少女を開発したのだ!」ジーニアスキャプターが言いました。
「なるほど……!」モエが言いました。
「博士……お腹空いた。帰ってご飯食べたい。」ココロが言いました。
「えっ……?」モエが言いました。
「いや……その……我が頭脳によりあまりにも精巧に魔法少女を再現してしまった為に変身していない状態だと普通の人間と変わらないのだ、ココロは。」ジーニアスキャプターが言いました。
「ええ……?」モエが言いました。
「しかもココロは起動して間もないから……その……生まれて間もない子供のように知性も低いのだ。」ジーニアスキャプターが言いました。
「もう少し何とかならなかったの?」モエが言いました。
「何とかしたさ。だから……少なくとも会話は出来るだろう?生後間もない子供にしては凄過ぎるくらいだ。」ジーニアスキャプターが言いました。
「ねえ博士!お腹空いた!お家帰ろうよ!」ココロが言いました。
「我慢しなさいココロ。もうすぐお家に帰ってご飯にするから……その前にアイツを倒すんだ。そうしたらお家に帰ろう。」ジーニアスキャプターが言いました。
「うん!分かった!約束だよ、博士!」ココロが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
ココロが構えました。
「あっ……!」モエが言いました。
「変身!」ココロが変身しました。
「変身!」モエが変身しました。
「ハアーッ!」ココロがモエに殴り掛かりました。
モエはココロの攻撃をかわしました。
「オインク!」オインクがマジカルテックピストルを召喚しました。
「ハアッ!」モエがマジカルテックピストルでココロを撃ちました。
「ウアアアッ……!」ココロがモエの攻撃を受けて転倒しました。
「ううううっ……!痛いよ!」ココロが倒れ込んだまま言いました。
「何をやってるんだココロ?全く……。」ジーニアスキャプターが言いました。
「博士……痛いよ!」ココロが倒れ込んだまま言いました。「立てない!」
「世話の焼けるロードだ。」ジーニアスキャプターが言いました。
「やれやれ……。」そう言ってジーニアスキャプターが構えました。
「ん……?」モエがジーニアスキャプターの方を向きました。
「どうやら私自身の手で決着をつけるしか無いようだな!」ジーニアスキャプターが言いました。
「望むところ……!」そう言ってモエがマジカルテックピストルを構えました。
「覚悟しろ!」そう言ってジーニアスキャプターがモエに殴り掛かりました。
「マジカルバースト!」モエが魔法弾を四連射してジーニアスキャプターを攻撃しました。
「ウアアアアッ……!」ジーニアスキャプターが魔法弾を受けて後退しました。
「くっ……!」ジーニアスキャプターが言いました。
「博士……?」ココロが体を起こして言いました。
「くうっ……!」ジーニアスキャプターが体勢を立て直しました。
「やはり直接戦闘では分が悪いか。」ジーニアスキャプターが言いました。
「もう勝ち目は無いよ。大人しく降参する?」モエがジーニアスキャプターにマジカルテックピストルを向けながら言いました。
「くっ……!」ジーニアスキャプターが言いました。
「ダメ!」そう言ってココロが立ち上がり、モエに組み付きました。
「うわっ……!?」モエが言いました。
「ダメ!博士をイジめちゃダメ!」ココロがモエに組み付いたまま言いました。
「別にイジめてるワケじゃ……!命を狙われたのはこっちなのに……これじゃあこっちが悪者みたいだよ!」モエが言いました。
「ココロ……。」ジーニアスキャプターが言いました。
「逃げて博士!博士……!」ココロが言いました。
「くっ……!すまないココロ!」そう言ってジーニアスキャプターはその場を離れました。
「ああっ!逃げた!」モエが言いました。
ココロは尚もモエに組み付いていました。
「ちょっともう離してよ!そしたらとりあえず今日のところは博士をイジめないから……!」モエが言いました。
「うう……!」ココロはモエに組み付き続けました。
「くうっ!」モエは力を込めて心を振りほどきました。
そしてモエはマジカルテックピストルでココロを撃ちました。
「アアッ……!」ココロは転倒しました。
「すぐに離して貰えなかったからドクター・ガーベージを追いかけよう!」モエが言いました。
「オインク!」オインクが言いました。
モエはオインクと共にジーニアスキャプターを追いかけていきました。
「ああっ……!待って……!」ココロが倒れ込んだまま言いました。「博士……!」
ジーニアスキャプターは別の通りを移動していました。
そこへ一体の暗黒鏡人が姿を現しました。
「何だお前は!?」ジーニアスキャプターが足を止めて言いました。
「うぜえ!ムシャクシャする!」その暗黒鏡人が言いました。
「いかにも知性の低そうなバケモノだな。」ジーニアスキャプターが言いました。
「何だと?」その暗黒鏡人が言いました。
「お前などに構っている暇は無い、私はこの世界を支配しなければならないのだからな!」ジーニアスキャプターが言いました。
「ムカつくな、テメエ!頭良いからって調子乗りやがって……!ブッ殺してやる!」その暗黒鏡人が言いました。
「知性の低いヤツはすぐに暴力に頼ろうとする。憐れなものだな。だが待てよ、今の私の手元にロードは無い。このままヤツと戦闘になれば……!」ジーニアスキャプターが言いました。
「行くぞこの野郎!」その暗黒鏡人が言いました。
「よせ!話せば分かる、お前でもな!」ジーニアスキャプターが言いました。
「フン!」その暗黒鏡人が右手に闇の稲妻を纏わせました。
「待て……!」ジーニアスキャプターが言いました。
「ハアアッ!」その暗黒鏡人が闇の稲妻を纏わせた右手でジーニアスキャプターを殴り飛ばしました。
「ウアアアアアアアッ……!」ジーニアスキャプターが爆発と共に倒れました。
そこへモエとオインクが駆けつけました。
「あっ……!」モエが言いました。
「オインク……!」オインクが言いました。
ジーニアスキャプターは変身を解除し、そのまま消滅しました。
「そんな……!」モエが言いました。
「ん……?」そう言ってその暗黒鏡人がモエの方を向きました。
「テメエもやるか?」その暗黒鏡人が言いました。
「えっ……?」モエが言いました。
「テメエの答えなんてどうでも良い!アイツを殺しても気分が上がらなかったからテメエも殺してやる!」その暗黒鏡人が言いました。
「フン!ハアアッ!」その暗黒鏡人が右手に闇の稲妻を纏わせ、モエにパンチを繰り出しました。
「フッ!」モエがマジカルガントレットを装着した左手でその暗黒鏡人の攻撃を防ぎました。
「ンッ……!?」その暗黒鏡人が言いました。
「ハアッ!」モエが右手のマジカルテックピストルでその暗黒鏡人を撃ちました。
「ウアッ……!」その暗黒鏡人が後退しました。
「人を殺したって気分が良くなるハズ無いよ。そんなことも分からないの?」モエが言いました。
「う……うるせえ……!」その暗黒鏡人がよろめきながら言いました。「そんなこと……!」
「闇の力に私は負けない!」そう言ってモエがマジカルテックピストルを構え直しました。
「マジカルシュート!」モエが強力な魔法弾を放ちました。
「ウアアアアアアアッ……!」その暗黒鏡人がモエの攻撃を受けて爆発しました。
モエはマジカルテックピストルを下ろすと、地面に残された“ジーニアス”のカードとマジカルキャプトライザーに目を向けました。
「オインク……。」オインクが言いました。
そこへココロが駆けつけました。
「博士……!」ココロが言いました。
「博士……!そんな……!」そう言ってココロが“ジーニアス”のカードとマジカルキャプトライザーの元へと走りました。
「ウソだ!博士……!博士……!」そう言ってココロは“ジーニアス”のカードとマジカルキャプトライザーを握り締めました。
「オインク……。」オインクが言いました。
「うん……。」そう言ってモエはオインクと共にその場を後にしました。
モエはオインクと共に時計塔へと戻って来ました。
「あの子……あのままにして来ちゃったけど、大丈夫かな?」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「あの子は悪のロードだけど、あの場で倒すなんて出来ないよね?」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
「とりあえず、あの子のことを報告するのは任せても良いかな?」モエが言いました。
「オインク。」オインクが言いました。
ココロは“ジーニアス”のカードとマジカルキャプトライザーを手にジーニアスキャプターが研究を行っていた研究所に戻って来ました。
そしてココロは机の上にマジカルキャプトライザーを置きました。
「博士……!」ココロはマジカルキャプトライザーを見つめながらそう言って、今度は手に持ったままの“ジーニアス”のカードを見ました。
その瞬間、ココロのマジカルチェンジャーが変化しました。
「えっ……?」ココロが言いました。
「博士……?」そう言ってココロはマジカルチェンジャーに“ジーニアス”のカードを挿入しました。
「ウッ……!」ココロは呻き声を上げながら変身しました。
ココロは苦しそうにその場によろめきました。
「ククククク……!」ココロが体勢を立て直して笑い声を上げました。
「ハハハハハハハハッ!」ココロが笑いながらマジカルキャプトライザーの乗った机を叩き壊しました。
「素晴らしい!私は神となるのだ!」ココロが言いました。「ハハハハハハハハッ!」
おわり