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魔法少女X #11

 その日、ミチコはハルナのアジトでマーシャの話を聞いていました。

「今日は何の話?」ミチコが言いました。

「魅力的な宝物の情報を仕入れたのですわ。」マーシャが言いました。

「へえ。」ミチコが言いました。「どんな宝物なの?」

「太陽のドレス。聞いたことはありまして?」マーシャが言いました。

「知らないわね。」ミチコが言いました。「ハルナはどう?」

「聞いたこと無い。」ハルナが言いました。

「どんな物なの?」ミチコが言いました。

「とあるアイドル学校に存在するという究極のドレスらしいですわ。」マーシャが言いました。

「ふーん。」ミチコが言いました。

「その詳細はまだ突き止めてはいませんが、究極のドレスと言うからにはきっと宝石の散りばめられた素敵なドレスに違いありませんわ。」マーシャが言いました。

「そのドレスを手に入れて欲しいワケね。」ミチコが言いました。

「その通りですの。」マーシャが言いました。

「アイドル学校か……。」ハルナが言いました。

「それって何て学校なの?」ミチコが言いました。

「スターリード学園。何やら魔法と縁のある学校らしいですわ。」マーシャが言いました。

「魔法の学校……?」ミチコが言いました。「面白そうね。」

「でも、そうなるといきなり乗り込んで強奪するってのは難しそうにも思えてくるね。」ハルナが言いました。

「ま、そうかも知れないわね。」ミチコが言いました。

「魔法の力で情報が隠蔽されているせいで私もその学校について詳しいことが分かっていないんですの。」マーシャが言いました。

「まずは情報収集からってことになるわね。」ミチコが言いました。

「どうするの?」ハルナが言いました。

「潜入してみるしか無いんじゃない?」ミチコが言いました。

「潜入……?」ハルナが言いました。「その学校に入学するってこと?」

「それで良いんじゃない?」ミチコが言いました。

「アイドル学校……。普通の学校もどちらかと言えばしんどかったのに、なんかイヤだな。」ハルナが言いました。

「別に勉強が目的じゃ無いんだし、問題無いんじゃない?」ミチコが言いました。「ま、確かにアイドル学校なんて普通の学校よりも面倒臭そうだけど……。」

「だよね。」ハルナが言いました。

「とりあえず、その学校に潜入するというのでしたら私が魔法で入学手続きを済ませておきますわ。」マーシャが言いました。

「上手くいくの、魔法学校が相手だけど?」ハルナが言いました。

「それもそうよね。」ミチコが言いました。

「平気ですわ。私の魔法でそれくらいのことはして差し上げられますことよ。」マーシャが言いました。

「ま、それで編入試験とかスルー出来るんだったら助かるわね。」ミチコが言いました。

「もし試験とかあったら受からないもんね。」ハルナが言いました。

「そこは面倒でも努力しなくちゃ……。」ミチコが言いました。

「努力して上手く行くかな?」ハルナが言いました。

「さあ?」ミチコが言いました。

「ところで専攻はどうなさいます?」マーシャが言いました。

「専攻……?」ミチコが言いました。

「そんなのあるの?」ハルナが言いました。

「高校よね?」ミチコが言いました。「なのに専攻……?」

「えっ……?それってダジャレ?」ハルナが言いました。

「違う!」ミチコが言いました。「専攻ってなんか大学からってイメージあるあるじゃない。」

「うーん……。」ハルナが言いました。

「それにそもそもアイドル学的なのを専攻するんじゃないの?」ミチコが言いました。

「そのアイドル学的なものにもいろいろあるのですわ。」マーシャが言いました。

「面倒ね。」ミチコが言いました。

「それで、何になさいますの?」マーシャが言いました。

「それ聞かれて今の私達が答えられるように思える?どんな選択肢があるのかも知らないわよ。」ミチコが言いました。

「正直勉強しに行くわけじゃ無いんだし、適当に人気の無いヤツで良いよ。」ハルナが言いました。

「まあ、確かにメジャーな分野に挑むとレベルが高過ぎて裏口の私達には辛くなるかも知れないわね。」ミチコが言いました。

「それでしたら“二十世紀の音楽史”なんてものはいかがでしょう?」マーシャが言いました。

「二十世紀の音楽……?」ミチコが言いました。「またいかにも人気無さそうな感じの分野が出てきたわね。」

「ブームは繰り返すとも言われていますし、古い時代の音楽を研究することを通じてそのアイドルが芸能界に新しい時代を齎せるようになる分野みたいですわ。」マーシャが言いました。

「一応こういうこともやってます的なアレね。」ミチコが言いました。

「それにしても二十世紀の音楽ってどんなの?」ハルナが言いました。「放課後ティータイムだっけ……?」

「確かにそんな感じのアイドルがいたような話を聞いたことがあるわね。」ミチコが言いました。

「いるよね。」ハルナが言いました。

「実際に授業を受けてみれば分かりますわ。」マーシャが言いました。「情報収集の方もキチンとお願いしますわね。」

「分かってるわよ。」ミチコが言いました。


 数日後、ミチコとハルナは生徒としてスターリード学園を訪れました。

「ここが……スターリード学園……。」ミチコが言いました。

「アイドルみたいに露骨に派手じゃ無いけど、なんかいかにも格式ある雰囲気のオシャレな建物だね。」ハルナが言いました。

「端的に言ってお金持ってそうな学校ね。」ミチコが言いました。

「それ。まあ、思ってたよりは普通の学校かな。」ハルナが言いました。

「そうね。見た目は良くも悪くも金持ってそうな普通の学校ね。」ミチコが言いました。

「それじゃあ早速内部に潜入しよう!」ハルナが言いました。


 ミチコはハルナと共にその日のスターリード学園での授業を受け、帰路につきました。

「結構面白かったわね。」ミチコが言いました。

「色々なジャンルの授業があったね。」ハルナが言いました。「どの授業が一番良かった?」

「ロック。」ミチコが言いました。

「やっぱそうだよね。」ハルナが言いました。「授業内容も良いし、あの授業好きな他の子達も良いよね。」

「分かる。」ミチコが言いました。「どうせなら編入じゃ無くて最初からクラスに参加していたかったわね。」

「なんだかんだで授業の内容自体は九十年代まで進んじゃってたもんね。」ハルナが言いました。

「それが終わったら研究に取り組まなくちゃいけなくなるのよね。」ミチコが言いました。

「まずはユニットを組まなきゃいけないみたいだけど、どうしよう?」ハルナが言いました。

「まあ、そこは私達二人で組めば何とかなるでしょ。」ミチコが言いました。

「ユニット名はどうする?」ハルナが言いました。

「えっと……それは……。」ミチコが言いました。「ティー……。」

「ティー……?」ハルナが言いました。

「ティースクワッドよ!」ミチコが言いました。

「なんか適当……!」ハルナが言いました。

「適当で良いのよ、私達は情報収集をしてるだけなんだから!」ミチコが言いました。

「うわー。急に真面目な話だ。」ハルナが言いました。

「ゴメン。でも、目的は忘れちゃダメよ。」ミチコが言いました。

「うーん……。」ハルナが言いました。

「ミチコの言う通りですわ。」そう言いながらマーシャが姿を現しました。

「マーシャ。」ミチコが言いました。

「二人共、その様子だと情報はあまり集めていなかったようですわね。」マーシャが言いました。

「それは……。」ミチコが言いました。「まだ一日目よ?」

「それにこっちだって言いたいことはあるよ!」ハルナが言いました。「マーシャ、しれっと本名で入学させたでしょ?」

「いや……それは……。」マーシャが言いました。

「そうよ。ハルナの言う通りだわ。」ミチコが言いました。

「確かに……潜入調査なのに本名は良くなかったかも知れませんわ。」マーシャが言いました。

「こういう学校はみんな芸名で入学してるなんて知らなかったよ。」ハルナが言いました。

「えっ……?」マーシャが言いました。

「まあ、全員が全員芸名ってワケでも無さそうだったけど、いかにも本名っぽい子達もやっぱりそうじゃ無かったりするのよね。」ミチコが言いました。

「多分ね。」ハルナが言いました。

「私達の名前も周りからは芸名だと思われてるのかしら?」ミチコが言いました。

「だったら代わりの本名を考えなくちゃ……!」ハルナが言いました。

「てかこうなってくるとみんなの本名も気になるわね。」ミチコが言いました。

「誰の本名が知りたい?」ハルナが言いました。

「一番気になるのはやっぱりロックアイドルの子達かしらね。」ミチコが言いました。

「シザリバ?」ハルナが言いました。

「あの二人良いわよね。」ミチコが言いました。

「ちょっと話がまたズレてきてますわ!」マーシャが言いました。「大体シザリバって何ですの?」

「“Scissors Reverse”、“クーラ”と“タフィ”の二人ユニットだよ。」ハルナが言いました。「多分これから流行るから知っといた方が良いよ。」

「流行りませんわ、そんなアイドル。」マーシャが言いました。

「ヒドい!」ハルナが言いました。

「でもまあ、メジャーデビューするのはきっとエリート組のアイツらなのよね。」ミチコが言いました。

「アイツらは死んで良い、私達のクラスのこと見下してるし。」ハルナが言いました。

「そのアイドル達は魔法が使えるんですの?」マーシャが言いました。

「いや別に……。」ハルナが言いました。「ただのアイドル候補だけど……。」

「そう言えば、魔法のアイドル学校と聞いてどんなものかと思ってはいたけれど、授業を受けている限りでは魔法の要素は見当たらなかったわね。」ミチコが言いました。

「確かに……!そこら辺もちょっと期待してたのに……。」ハルナが言いました。

「調べれば何か分かったのかしら?」ミチコが言いました。

「だとすると悔しいね。」ハルナが言いました。

「とにかく、情報収集はキチンとするべきですわ。」マーシャが言いました。

「うん。」ハルナが言いました。

 そこへ、一人の生徒が姿を現しました。それと同時にマーシャは素早く身を隠しました。

「ん……?」ミチコが言いました。

「あなたは……同じクラスの……!」ハルナが言いました。

「えっと……確か名前は……。」ミチコが言いました。

「えっと……。」ハルナが言いました。

「あなた達……私の名前を覚えてないのね?」その生徒が言いました。

「まだクラスメイト全員の名前を覚えられてないの。」ミチコが言いました。

「ゴメン。」ハルナが言いました。

「他の子の名前は覚えたんでしょ?」その生徒が言いました。

「まあ、シザリバの二人とかは……。」ハルナが言いました。

「あの子達がいるせいで私の名前を覚えて貰えない!みんなジャマなのよ!」その生徒が言いました。「あなた達も……!」

「えっ……?」ハルナが言いました。

 その生徒が魔法の腕輪“マジカルアイドライザー”を取り出し、左腕に装着しました。

「それは……!?」ミチコが言いました。

「アイドルタイム、スタートアップ!」その生徒がマジカルアイドライザーに右手を翳しました。

 マジカルアイドライザーから「ヒット」と電子音声が発せられ、その生徒は“アイドラ―”へと変身しました。

「変身した!?」ミチコが言いました。

「魔法少女……?」ハルナが言いました。

「いいえ!アレは魔法少女とは異なる存在ですわ!」マーシャが姿を現して言いました。

「えっ……?」ミチコが言いました。


 おわり

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