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魔法少女カエデ #9

 その日、カエデはナズナとシュロと共にとあるファミリーレストランを訪れていました。

「改めて、お久しぶりです、カエデちゃん。」ナズナが言いました。

「呼び捨てで良いよ。」カエデが言いました。

「えへへ……。そんな……。」ナズナが言いました。

 シュロは黙ってジュースを飲んでいました。

「シュロ……。」カエデが言いました。

「ん……?」シュロがそう言ってジュースを飲むのを止めました。

「ウワサで聞いたことがあるよ。凄く優秀な魔法少女らしいね。」カエデが言いました。

「うん!」シュロが親指を上げながら言いました。

「協力してくれてありがとう。」カエデが言いました。

「まあ、こっちにも目的があったし……。」シュロが言いました。

「ところでナズナ……。」カエデが言いました。

「はい?」ナズナが言いました。

「気になってたんだけど、サクラに意地悪したの?」カエデが言いました。

「それは……!」ナズナが言いました。

「いつものことだよ。」シュロが言いました。

「ちょっと……!」ナズナが言いました。

「えっ……?」カエデが言いました。

「ナズナはみんなに意地悪してるんだ。私も聖域を穢されたしね。」シュロが言いました。「おかげでこんなファミレスに……。」

「どういうこと……?」カエデが言いました。「昔はそんなことしてなかったと思うけど……。」

「そう言えばエリカもなんか言ってた気がするけど、昔のナズナってどんなだったの?」シュロが言いました。

「うう……。」ナズナが言いました。

「話しても良い?」カエデがナズナに言いました。

「エリカさんが言ってた通りですよ。」ナズナが言いました。

「周りからいじめられてたワケ……?」シュロが言いました。

「うん……。それでその度にカエデちゃんに助けて貰ってて……。」ナズナが言いました。

「過酷な訓練の影響でみんな苛立ってて……それで気の弱いナズナに当たってたんじゃないかな?」カエデが言いました。

「そうなんだ。」シュロが言いました。「気の弱い……ね。」

「私が魔法少女に選ばれてからのことは詳しくは知らないんだよね。」カエデが言いました。「魔法少女に選ばれてナズナという名前になったことはウワサで聞いてはいたけど……。」

「私……頑張ったんです!カエデちゃんがいなくても、自分一人でやっていけるように……!」ナズナが言いました。

「その頃のウワサなら聞いたことあるかも……。なんか訓練生の中にあくどい子がいるって……。」シュロが言いました。

「むう……。」ナズナが言いました。

「努力して力をつける過程で、性格もねじ曲がっちゃったワケだね。」シュロが言いました。

「そんな言い方しないで下さいよ、シュロさん!」ナズナが言いました。

「何で意地悪するの?」シュロが言いました。

「それは……。」ナズナが言いました。

「ナズナ……?」カエデが言いました。

「楽しかった……。」ナズナが言いました。

「えっ……?」カエデが言いました。

「最初は私に手を出すと良くないことになると思わせる為だった。でも、他の人を困らせてみてそれが楽しくなってきて……!」ナズナが涙声で言いました。

「ナズナ……?」シュロが困った様子で言いました。

「私の心は穢れてるんだ!えーんえんえん……!」ナズナが言いました。

「ナズナ……。」カエデが言いました。

「泣かないで……。」シュロが言いました。

「泣いてなんかないもん!泣いてなんか……!」ナズナが泣きながら言いました。

「安心して、君の心は穢れてなんかないよ。」カエデが言いました。

「それはウソでしょ。」シュロが言いました。

「いや……。完全にはって意味……。」カエデが言いました。

「カエデもそう言ってるし、まだやり直せるよ、ナズナ。」シュロが言いました。

「ムリだよ。」そう言ってナズナはテーブルに突っ伏しました。

 カエデとシュロは困った様子で顔を見合わせました。

「それはそうと、エリカとも顔馴染みなワケ?」シュロが言いました。

「えっ……?どうして……?」カエデが言いました。

「いや、エリカもナズナのこと知ってたから……。」シュロが言いました。「もし顔馴染みなら来て欲しい。」

「少なくとも私が顔を合わせたのはこれが初めてだよ。」カエデが言いました。

「ふーん……。」シュロが言いました。

「ウワサによると、エリカは昔研究チームの一員だったみたいだから、何かとデータ収集するクセがついてるんじゃないかな?」カエデが言いました。

「なるほどね。」シュロが言いました。「知らなかったな。」

「すぐ辞めたみたいだからね。」カエデが言いました。「でも優秀だったらしいよ。」

「と言うか、アンタも色々詳しいね。」シュロが言いました。

「まあ、私もなんだかんだで魔法少女として仕事するようになってもう長いから……。」カエデが言いました。

「そっか……。」シュロが言いました。


 その頃、とある人物が会計を終えてそのファミリーレストランから出てきました。

「ったく、薄汚えガキ共が騒ぎやがって……。」その人物が言いました。

 そこへローズが姿を現しました。

「ん……?」その人物が言いました。

「フフフ……!」ローズが言いました。


 そのファミリーレストランに一体の暗黒鏡人が姿を現しました。

「ここはガキの遊び場じゃねえ!煩えガキ共は皆殺しにしてやる!」その暗黒鏡人が言いました。

「ん……?」シュロが言いました。

「アレは……!」カエデが言いました。

「これだからファミレスは……。」シュロが言いました。

「とにかくアイツを阻止しなくちゃ!」カエデが言いました。

「ああ!」シュロが言いました。

「変身!」カエデとシュロが変身しました。

「あ……。」ナズナが顔を上げました。

「ハアッ!」カエデがキックを繰り出しました。


 カエデの攻撃を受けたその暗黒鏡人がそのファミリーレストランの外に転がりました。

 カエデとシュロも通りに出ました。

 その暗黒鏡人が立ち上がりました。

「くっ……!ガキのクセにやるじゃねえか!」その暗黒鏡人が言いました。

「どうして子供を嫌うの?」カエデが言いました。

「こういう場所はガキが騒いで良い場所じゃねえんだよ!」その暗黒鏡人が言いました。

「ファミレスのファミってファミリーの略でしょ?だったら子供が来る場所なんじゃない?」シュロが言いました。

「ムカつくガキめ!そこまで言うなら家族で来い!子供を黙らせられない親も一緒に殺してやる!」その暗黒鏡人が言いました。

「そんな……。」カエデが言いました。

「めんどくさいな。ファミレスで子供が騒ぐのは居酒屋で大人が騒ぐのと同じようなもんじゃん。そんなことにケチつけるなんて……。それならあの店を荒らされた私はどうなるんだよ?」シュロが言いました。

「何……?」その暗黒鏡人が言いました。

 そこへナズナが姿を現しました。

「ん……?」その暗黒鏡人が言いました。

「ナズナ……。」カエデが言いました。

「来たか。」シュロが言いました。

「新たなガキが現れたか。だが、どれだけガキが揃ったところでこの俺を倒すことは出来んぞ!」その暗黒鏡人が言いました。

「それは……どうかな?」ナズナが言いました。

「変身!」ナズナが変身しました。

「アイドルだと……!?」その暗黒鏡人が言いました。

「そうか……!アイドルは職業だから大人の要素が含まれるんだ!だからヤツの憎しみの対象に出来ない!」カエデが言いました。

「それ言ったら私達みんな仕事に就いてるけどね。」シュロが言いました。

「シュロさんは無職担当じゃないですか。」ナズナが言いました。

「ええ……?」シュロが言いました。

「ナズナ……。」カエデが言いました。

「えへへ……。またイジワルしちゃった。」ナズナが言いました。

「まあいっか。行くよ、ナズナ!」カエデが言いました。

「はい!」そう言ってナズナがマジカルムーブを発動しました。

「おのれ……!」その暗黒鏡人が言いました。

「マジカルコンセントレーション!」ナズナが空中に召喚した無数の魔法の結晶から一斉に魔法線が放たれました。

「ウアアアッ……!」その暗黒鏡人がナズナの攻撃を受けてふっ飛ばされました。

「今です、カエデちゃん!」ナズナが言いました。

「うん!」そう言ってカエデがマジカルムーブを発動しました。

「マジカルエッジアタック!」カエデが右腕に生成した魔法の刃でその暗黒鏡人を切りつけました。

「ウアアアアアアアッ……!」その暗黒鏡人が爆発しました。

「よし!」カエデが言いました。

 カエデとナズナとシュロが変身を解除しました。

「やれやれ……。」シュロが言いました。

「ナズナ、もう大丈夫?」カエデが言いました。

「はい!いっぱい泣いてスッキリしました。」ナズナが言いました。

「なら良かった。」カエデが言いました。

「私、昔と比べて悪い子になったかも知れませんけど、それでも後悔はしていません、こうしてカエデちゃんと一緒に戦えるようになったから。これからはカエデちゃんに守って貰うだけじゃなく、私がカエデちゃんを守ってあげられたらな、なんて……。」ナズナが言いました。

「うん、ナズナ!」カエデが言いました。

「それにもしカエデちゃんが良ければ、身の回りの世話とかもサポートしちゃいますよ!洗濯とか……。」ナズナが言いました。

「えっ……?」カエデが言いました。

「そう言えばその服、何日洗ってないの?」シュロが言いました。

「三日だけど……ファブリーズ使ってるから平気かと……。」カエデが言いました。

「いやあ……ダメでしょ。」シュロが言いました。

「ホント……!?」カエデが言いました。

「うん。」シュロが言いました。

「ぐっ……。」カエデが言いました。

「シュロさん、そんな言い方ヒドいですよ、カエデちゃんはシュロさんと違って忙しいんですから!」カエデが言いました。

「どうせ私は無職担当ですよ。」シュロが言いました。

「ダメだったか……。まあ良いか。」カエデが言いました。

「私が何とかします!」ナズナが言いました。

「いや、そこは大丈夫だよ。今ナズナは闇の力に対する防衛チームの一員なんだから、チームのサポートに全力を尽くして。その中でまた機会があったら一緒に戦おう!」カエデが言いました。

「カエデちゃん……はい!」ナズナが言いました。

「やれやれ……チームの一員ね。」シュロが言いました。

「それじゃあ、また今度……。」カエデが言いました。

「はい!」ナズナが言いました。


 おわり

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