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魔法少女カエデ #8

 その日、カエデは時計塔を訪れました。


 その頃、闇の力に対する防衛チームの部屋では、ケイトリンが闇の力に対する防衛チームのメンバーに話をしていました。

「シオンからの連絡をお伝えします。今後皆さんには皆さんが出会ったというそのローズとかいう少女の追跡を行って貰いたいとのことです。」ケイトリンが言いました。

「確かにローズとの決着はいずれ着けなくちゃいけない。」サクラが言いました。

「けどんな当たり前のこといちいち上から指図されなくともやるっての。」アザミが言いました。

「上からの指示に対して愚痴をこぼすのは良くないってば……。」キリが言いました。

「けどさ……!てか、アタシはこのネコも気に食わない!」アザミが言いました。

「私のことですか?」ケイトリンが言いました。

「言いたいことがあるなら直接言いにくれば良いのに……!そして何より、このネコは雰囲気からしてなんかムカつくんだよ。」アザミが言いました。

「ちょっと分かるな。」サクラが言いました。

「確かに可愛げの無いネコですね。」エリカが言いました。

「ネコだからと言って可愛い必要は無いと思うのだけれども……。」レンゲが言いました。

「どっちでも良いよ。」あくびをしてからシュロが言いました。

 ナズナは興味無さげに爪をいじっていました。

「ねえ!なんかアタシ達上にナめられてる気がするし、このネコをボコって分からせてやった方が良いんじゃないの?」アザミが言いました。

「私に対して攻撃を行うつもりですか?」ケイトリンが言いました。

「いや、いくら何でもそれはマズいんじゃ……?」サクラが言いました。

「いやいや、ここは絶対分からせた方が良いって!」アザミが言いました。

「止めて下さい。」ケイトリンが言いました。「そういうのは良くないです。」

「何が良くないって……?」そう言ってアザミが右手でケイトリンを持ち上げました。

「私を攻撃するのは良くないです。」ケイトリンが言いました。

「アタシはそうは思わないね!」アザミが言いました。

「いや。良くないです。」ケイトリンが言いました。

「良いか悪いか、とりあえず試しに一発殴ってみれば分かるでしょ?」そう言ってアザミが左手でケイトリンを殴ろうとしました。

 そこでカエデが部屋に入って来ました。

「ん……?」アザミがケイトリンを殴ろうとするのを止めてカエデの方を見ました。

「あっ……!」ナズナが言いました。

「カエデ……。」サクラが言いました。

「ケイトリン……!?」カエデが言いました。

「何してるの!?」カエデがアザミに言いました。

「何って……ちょっと分からせてやろうと……。」アザミが言いました。

「ダメだよそんなことしちゃ!」カエデが言いました。「早く降ろして!」

「アンタ確かカエデだね?一体ここへ何しに来たワケ?」アザミが言いました。

「みんなの力になりたくて来てみたんだ。」カエデが言いました。

「アタシ達の力に……?」アザミが言いました。

「そう!みんなと一緒に闇の力から世界の平和を守ろうと……。でも、君達は……!」カエデが言いました。

「そもそもアタシ達はアンタの力なんか借りたいとは思って無いし!文句があるって言うなら勝負を受けてやっても構わないけど!」アザミが言いました。

「勝負……?」カエデが言いました。

「そうさ!アタシ達とアンタでバトルしてどっちが正しいか決着をつけるってワケ!」アザミが言いました。

「バトルなんかしなくたってこの場合は私が正しいに決まってるよ!」カエデが言いました。

「デカい口叩くのはアタシ達に勝ってからにするんだね!」アザミが言いました。

「他の皆もこの件で私と戦いたいワケ……?」カエデが言いました。

「その妖精を攻撃することに関してはあまり賛成出来ないけど、この議論に決着をつけるならもうバトルするしか無いじゃないかと……。」サクラが言いました。

「サクラ……?」カエデが言いました。

「だってここまで来た以上それしか無いと……。」サクラが言いました。

「確かにここまで来たらもう仕方がありませんね。」エリカが言いました。

「私は降りるってば。」キリが言いました。「上の意向に沿わないことはするべきでは無いから……。」

「あっ!逃げたな!チキン!」アザミが言いました。

「御免。」キリが言いました。

「他はモチロン参加するよね?」アザミが言いました。

「モチロン……。」そう言ってナズナがカエデの傍に立ちました。

「ナズナ……!」カエデが言いました。

「アンタ……!」アザミが言いました。

「だって……しょうがないじゃないですか。」ナズナが困ったような笑みを浮かべて言いました。

「確かナズナは訓練生時代に周囲からいじめられていて、それをカエデが庇っていた時期があったんでしたね。」エリカが言いました。

「そんなことが……。」アザミが言いました。

「カエデさん!今度は私がカエデさんの力になりますね!」ナズナが言いました。

「うん!」カエデが言いました。

「フン!まあこれでちょっとは面白くなって来たんじゃない?残りの二人はどうなワケ?」アザミが言いました。

「私はネコだからと言って可愛い必要は無いと思う。だからどちらにもつかない。」レンゲが言いました。

「そこじゃ無くない?」アザミが言いました。

「まあ、相手が減るならそれはそれで良しか。」カエデが言いました。

「シュロは……まあ期待するだけムダか……。」アザミが言いました。

 シュロが徐に歩き出してカエデの傍に立ちました。

「は……!?」アザミが言いました。

「この際だからハッキリさせて貰うけど、私はアンタらが気に食わない!」シュロが言いました。

「何……!?」アザミが言いました。

「一応チームだからそれなりに仲良くはしてきたけど、アンタらが私にしてきた非常識な行いの数々、私は忘れてない!この恨み、今ここで晴らさせて貰う!」シュロが言いました。

「シュロ……よく知らないけど、大変だったんだね。」カエデが言いました。

「そうなんだよ。」シュロが言いました。

「まあ良い!これで丁度三対三!良いバトルになりそうじゃん!」アザミが言いました。

「確かにサクラの言う通り、ここまで来たらバトルをするしか無いな。行こう!」カエデが言いました。


 カエデとナズナとシュロは訓練場でサクラとアザミとエリカと対峙しました。

「フィールドはアンタに選ばせてあげるよ。」アザミが言いました。

「よし。それじゃあコモンクオリーで……。」カエデが言いました。

「採石場?地味じゃない?せっかく色々選べんのに……。」アザミが言いました。「宇宙とかどうよ?」

「そういうのは予算が掛かるから良くないんだ。それにフィールドによってはバトルの衝撃によって不具合が生じることもあるし……。」カエデが言いました。

「なんかガッカリだな。」アザミが言いました。

「そういうこと言わないで……。」カエデが言いました。

「まあ……。」アザミが言いました。

「フィールド発動!コモンクオリー!」カエデがそう言うと同時に周囲が岩場へと変化しました。

「変身!」一同が変身しました。


「行くよ!」アザミがマジカルクレイモアを構えて走り出しました。

「フッ!」カエデが右の拳に魔法の刃を生成して走り出しました。

 カエデとアザミがそれぞれの刃をぶつけ合いました。

「ハアッ!」シュロが魔法の槌“マジカルハンマー”でアザミを殴りました。

「ウアッ……!」アザミが後退しました。

「くっ……!」アザミが体勢を立て直しました。

「アンタには一番多くの恨みがある!聖域を穢されたし、寝てるところを起こされたりもした!」シュロが言いました。

「でもアレだよ?アンタの行きつけのサ店を攻撃したのはアイツのプランだよ?」アザミがナズナを指差しながら言いました。


 ナズナはマジカルスタッフを手にサクラと戦っていました。

「今度は前回のようには行きませんよ、サクラさん!」ナズナが言いました。

「そう言えば、最初に戦った時、私がラーメンを食べてる時に声を掛けて来たのはわざと?そのタイミングを狙ったワケ?」サクラが言いました。

「うーん。どうでしたっけ?」ナズナが言いました。

「うける!あの時は気付かなかったけど、わざとだったんだ!」サクラが言いました。

「考え過ぎですよ。フフフ……!」ナズナが言いました。

「ラーメンの恨み……!」そう言ってサクラがパンチを繰り出しました。

 ナズナは魔法の結晶で壁を作ってサクラの攻撃を防ぎました。


「ナズナ……。」カエデが言いました。

「むう……!」シュロが言いました。

「ハアッ!」アザミがシュロを切りつけました。

「ウアアッ……!」シュロが後退しました。

「スキあり!」アザミが言いました。

「くう……!」シュロが言いました。

「ハアッ!」カエデがアザミに切りかかりました。

「フッ!」アザミがマジカルクレイモアでカエデの攻撃を防ぎました。

「この……!」体勢を立て直したシュロがマジカルハンマーを構え直しました。

「ハアッ!」エリカがシュロにキックを当てました。

「ウアッ……!」シュロが後退しました。

「私のことを忘れて貰っては困りますね。」エリカが言いました。

「アンタにはこれと言った恨みは無いけど、私のジャマするヤツは容赦しない!」シュロが言いました。

「見せて貰いますよ、奈落の太陽神の力を!」エリカが言いました。

 エリカが多数の分身達を召喚しました。

「ハアアアアッ!」シュロがマジカルハンマーを持って回転しました。

 シュロの攻撃によってエリカの分身達が全滅しましたが、それと同時にエリカの姿も消えました。

「な……!」シュロが言いました。

「ハアッ!」エリカがシュロの死角からキックを繰り出しました。

「ウアアアッ……!」シュロが転倒しました。


 カエデとアザミは距離を取って対峙していました。

「一気に決める!」そう言ってカエデはマジカルムーブを発動して走り出しました。

「そうは行かないよ!」そう言ってアザミが掌を翳すと同時にカエデの周囲で次々と爆発が起こりました。

「ハアアアアアアアッ!」カエデは爆発の中を走り続けました。

「何……!?」アザミが言いました。

「マジカルエッジアタック!」カエデが右手に魔法の刃を生成した状態でアザミに飛び掛かりました。

「フッ!」エリカがアザミの前に立ってマジカルファンを構えました。

「マジカルウォール!」エリカがマジカルファンを振って魔法の壁を生成しました。

 カエデの攻撃が魔法の壁に直撃し、爆発が起こりました。

 カエデとアザミとエリカがその爆発でふっ飛ばされました。


「あっ……!」そう言ってサクラは戦うのを止めました。

 ナズナも戦うのを止めました。


 カエデとアザミとエリカとシュロが立ち上がりました。

「フッ。やるじゃんか。」アザミが言いました。

「面白い物を見せて貰いましたよ。」エリカが言いました。

「今回のところは引き分けってことで良い?」カエデが言いました。

「良いよ。」アザミが言いました。


 おわり

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