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魔法少女サクラ #8

 その日、サクラはアザミとエリカとシュロに買い出しに行かせ、闇の力に対する防衛チームの残りのメンバーと共に闇の力に対する防衛チームの部屋で過ごしていました。

「しかし、心配だな。」レンゲが言いました。

「心配……?」サクラが言いました。

「あの三人が作戦に成功するかってことですか?」ナズナが言いました。

「ああ。」レンゲが言いました。

「そう言われてみると……確かに……。」サクラが言いました。

「アザミは何かにつけて暴れたがるし、エリカもエリカで血の気が多いきらいがある。シュロもあの二人を止めたりはしないだろう。」レンゲが言いました。

「尤も、血の気が多いのはチーム全体に共通してる気がするけど……。」サクラが言いました。

「今になって心配するくらいなら、最初のトランプ勝負でわざと負けてあげれば良かったんじゃないですか?」ナズナが言いました。

「それは……。」レンゲが言いました。

「やっぱり負けられませんよね。」ナズナが言いました。

「ああ。」レンゲが言いました。


 その頃、三人はとあるスーパーマーケットに到着していました。

「よし、着いたよ!スーパーマーケット!」アザミが言いました。

「適当に買う物買ってとっとと帰ろう。」シュロが言いました。

「今日は特売日みたいですわ。」エリカが言いました。

「特売日……?ホントだ!スペシャルセールって書いてあるじゃん!」アザミが言いました。

「だから人がいっぱい来てるのか……。」シュロが言いました。「しんどい……。」

「これはヤバい!ただでさえスーパーなマーケットなのに、それでスペシャルセールとか、スペシャルスーパーマーケットになってんじゃん!」アザミが言いました。

「確かにそうですね。」エリカが言いました。

「こりゃもう行くしかないっしょ!」アザミが言いました。

「そうですね!」エリカが言いました。

 三人は店内へと入りました。

 店内では客達が商品を取り合っていました。

「うわ……。」シュロが言いました。

「まるで戦場ですね。」エリカが言いました。

「なんか超盛り上がってんじゃんか!どう思う?」アザミが言いました。

「ここまで来たからには参加するしかありませんよ、この戦いに!」エリカが言いました。

「シュロ、アンタは……?」アザミが言いました。

「正直こんなのに付き合ってらんないんだけど……勝負に負けてしまった以上勝者にアンティを支払わなきゃならないんだよな。」シュロが言いました。

「てことは……やる?」アザミが言いました。

「よし、やるか!」シュロが強気の笑みを浮かべて言いました。「今こそ奈落の太陽神の動く時だ!」

「アタシに続け!」そう言ってアザミが人だかりヘ向かって走り出しました。

 アザミは他の客達の肩を引っ張ってどかしながら商品のある場所へと近づいていきました。しかし、その途中でアザミに方を引っ張られた一人の客が逆にアザミの胸倉を掴んでアザミの顔にパンチを繰り出しました。

「ウアアアアッ……!」アザミは後退してそのまま人だかりの外に倒れ込みました。

「くっ……!」アザミが顔を押さえながら立ち上がりました。

「大丈夫ですか?」エリカが言いました。

「やるな……!」アザミが言いました。

「こりゃあ迂闊には近付けないな。」シュロが言いました。

「考える必要がありますね。」エリカが言いました。

「シュロ、変身してあのオバチャン達を重力でどっかやってよ。」アザミが言いました。

「さすがに民間人相手に変身したら問題になりますよ。」エリカが言いました。

「奈落の太陽神と言えどもバーゲンの引力には敵わない。」シュロがしたり顔で言いました。

「やる気出したなら変身はしなくとも何かやってよ。」アザミが言いました。

「だってあの人達、下手に手を出すと殴ってくるんだよ?」シュロが言いました。

「特売のせいで理性を失っているようですね。」エリカが言いました。

「力には力だ!向こうがその気ならこっちだって……!」そう言ってアザミが再び人だかりに向かって走り出しました。

「ハアアッ!」アザミは客の一人にパンチを繰り出しました。

 その客は転倒しましたが、すぐに立ち上がるとアザミを殴り飛ばしました。

「グアッ……!」アザミが床に倒れ込みました。

「学習しないな。」シュロが言いました。

「くうっ……!」アザミが立ち上がりました。

「強過ぎるよ、オバチャン!」アザミが言いました。

「こんな時キリがいてくれたら素早い身のこなしで人混みの中から商品を手に入れてくれたでしょうに……。」エリカが言いました。

「アイツあのトランプ勝負で上手いこと敗北を回避したからね。」アザミが言いました。

「こうなったら……!」シュロが言いました。

「こうなったら……?」アザミが言いました。

「何か良い案が思いついたんですか?」エリカが言いました。

「アザミ、もう一度突っ込んで。」シュロが言いました。

「は……?」アザミが言いました。

「玉砕だ!」シュロが親指を立てながら言いました。

「人を捨て駒にするな!」アザミが言いました。

「でもこれ以上策も思い浮かばず、打つ手がありませんよ。」エリカが言いました。「ここはシュロの言う通り特攻にかけるしか……。」

「ええっ……!?」アザミが言いました。

「ビビってる?」シュロが言いました。

「はあ!?そんなワケ……!」アザミが言いました。

「だったらやりましょう、三人で!」エリカが言いました。

「私も……?」シュロが言いました。

「当たり前っしょ!」アザミが言いました。

「まさかこの二人と運命を共にすることになろうとは……。」シュロが言いました。

「行きますよ!」エリカが言いました。

「おう!」アザミとシュロが言いました。

 三人は人だかりに向かって走り出しました。そして客に向けて次々とパンチを繰り出していきました。

 攻撃を受けて逆上した客達が次々とパンチを繰り出し始めました。それらのパンチは関係無い別の客達に直撃し、その客達も逆上してパンチを繰り出し始めました。

 そしてその場にいた客達全員による殴り合いが始まりました。


 店の外にその少女が佇んでいました。

「ここから強い心の闇が感じられるわ。」その少女が言いました。

「変身!」その少女が変身しました。


 店内では乱闘が続いていました。

 客達が連れて来ていた子供達が声援を送ったり楽器を演奏したりしながらその様子を眺めていました。

 アザミは他の客達にパンチを繰り出していましたが攻撃は通用せず、別の客に殴り飛ばされていました。

 エリカは他の客達の攻撃をかわしながらパンチを繰り出していましたが、やはり攻撃は効いていませんでした。

「何て言うことでしょう!このオバサン達、きっと若い頃は暴走族だったに違いありません!」エリカが言いました。

 シュロは客の一人に左手で首を掴まれ、右手で何度も顔面を殴られていました。


 店の奥では店長が乱闘の様子を見ていました。

「ああ……。どうしてセールを行うといつも乱闘騒ぎになってしまうんだ?この町の人達はみんなどうかしてる!」店長が言いました。

 そこへその少女が姿を現しました。

「何だ君は!?ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!」店長が言いました。

「ごめんなさいね。でも、図々しいお客さんには慣れてるでしょ?」その少女が言いました。

「えっ……?」店長が言いました。

「アンタの心の闇を頂けないかしら?」その少女が言いました。

「何……?」店長が言いました。

「フフフフフ……!」そう言ってその少女が“ミラー”のカードを取り出しました。

「ウアアアアアアアッ……!」店長が言いました。


 既に多くの客達が意識を失っていましたが、それでも尚店内の乱闘は続いていました。

「くっ……!」アザミが殴られた顔面を押さえながら立ち上がりました。

 そこへ数人の客達がすかさずアザミを取り囲みました。

「な……!」アザミが言いました。

「アザミ……!」エリカが言いました。

 シュロは依然として殴られ続けていました。

「マズいです!あれだけのオバサン達の攻撃を受けたら……!」エリカが言いました。

「くっ……!」アザミが言いました。

 アザミを取り囲んでいた客達が一斉にアザミに殴り掛かりました。

 その瞬間、アザミを攻撃しようとしていた客の一人をキリが取り押さえました。

「フッ!」そしてサクラがアザミを突き飛ばしました。

「ウアッ……!」アザミが転倒しました。

 そしてアザミへ繰り出された攻撃がサクラに直撃しました。

「ウアアアアアアアッ……!」サクラは転倒しました。

「サクラ……!?」エリカが言いました。

「アンタ達……どうして……?」アザミが言いました。

「心配になって様子を見に来たんだ。」そう言ってレンゲが姿を現しました。

「私達が来たからにはもう大丈夫ですよ!」そう言ってナズナも姿を現しました。

「おう。」キリが取り押さえた客の頭部を締め付けて気絶させた後にいました。

「アンタ達……!」アザミが言いました。

 サクラとアザミが立ち上がりました。

 サクラ達は他の客達と睨み合っていました。

 その瞬間、売り場に設置されている小型モニタにそのスーパーマーケットのロゴが表示されました。

「あっ……!」サクラが言いました。

 そして他の客達が慌て始めました。

「一体何ですか?」エリカが言いました。

「おそらく店側が介入してくるのだろう。」レンゲが言いました。

 そこへ一体の暗黒鏡人が姿を現しました。

「バケモノ……!」サクラが言いました。

 他の客達が一斉に逃げ出しました。シュロはようやくその客から解放されました。

「シュロ、生きてる?」アザミが言いました。

 シュロは右腕で顔面の血を拭った後、笑顔で右手の親指を上げました。

「よくも俺の店を……!殺す!」その暗黒鏡人が言いました。

「俺の店……?」サクラが言いました。

「そうよ。」そう言ってその少女が姿を現しました。「このバケモノはこの店の店長の心の闇の化身よ。」

「心の闇……?」サクラが言いました。

「アンタは誰……!?」アザミが言いました。

「私はローズ、暗黒少女よ。」その少女が言いました。

「ローズ……?」サクラが言いました。

「暗黒少女……?」エリカが言いました。

「闇の力がこの世界を破壊するわ。あなた達にそれを止められるかしら?」ローズが言いました。

「フフフフフフフ……!」そう言ってローズは姿を消しました。

「くっ……!」アザミが言いました。

「絶対に止めてみせる!」サクラが言いました。

「変身!」サクラが変身しました。

「死ね!」その暗黒鏡人がサクラに殴り掛かりました。

 サクラはマジカルムーブを発動しました。

「マジカルコンビネーション!」サクラはその暗黒鏡人に連続でパンチを繰り出しました。

「ハアアッ!」サクラは最後に強力なパンチを繰り出し、その暗黒鏡人をふっ飛ばしました。

「ウアアアアアアアッ……!」その暗黒鏡人はそのまま爆発しました。

「やったねサクラ!」アザミが言いました。

「ああ!」そう言ってサクラは変身を解除しました。

「さてと、ジャマなオバチャン達もいなくなったことだし、買い物を終わらせようか!」アザミが言いました。

「ええ!」エリカが言いました。

「一つ貸しですよ。」ナズナが言いました。

「分かってるよ!」アザミが言いました。

「しょうがない。」シュロがまた顔面の血を拭いながら言いました。

「大丈夫、シュロ?」サクラが言いました。

「うん。」シュロが言いました。


 おわり

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