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魔法少女サクラ #5

 その日、サクラは闇の力に対する防衛チームの部屋でアザミに会いました。

「よお、サクラ!」アザミが言いました。

「闇のバケモノが出たらしいね。」サクラが言いました。

「ああ。ウワサになってるよね。」アザミが言いました。

「私達の出番かな?」サクラが言いました。

「そりゃそうっしょ!」アザミが言いました。「とは言っても、正式な指令はまだ出てないけど……。」

「指令が出るのは時間の問題だろうから、それまでに準備を進めておこう。」サクラが言いました。

「そうだね。」アザミが言いました。

「だったら、あの子も呼んでみたらどうですか?」そう言ってナズナが姿を現しました。

「ナズナ!」アザミが言いました。

「あの子って……?」サクラが言いました。

「そりゃあキリとエリカとレンゲのことっしょ?」アザミが言いました。

「違いますよ。あの子ですよ。」ナズナが言いました。

「は……?」アザミが言いました。

「他に声を掛けるべき子がいるの?」サクラが言いました。

「そう言えばサクラさんはまだ会ったこと無いんでしたっけ?」ナズナが言いました。

「多分アタシも会ったこと無いね。」アザミが言いました。

「アザミさんは会ってますよ、シュロさんに。」ナズナが言いました。

「シュロ……?そんなヤツいた?」アザミが言いました。

「いますよ。」そう言いながらエリカが姿を現しました。

「エリカ。」サクラが言いました。

「無職担当、シュロ。やる気が無くてチームに全然顔を出さない影の薄い人ですね。」エリカが言いました。

「無職担当……。」サクラが言いました。

「ああ。そう言えばそんなヤツいたね。」アザミが言いました。

「せっかくチームにいるんですし、声を掛けといた方が良いんじゃありませんか?」ナズナが言いました。

「それもそうだね、このままほっとくのも良くないし。」アザミが言いました。

「それで、どこにいるの、そのシュロって子は?ここでは一度も見かけたこと無いけど……。」サクラが言いました。

「シュロは街外れにある喫茶店のサブスクサービスに登録しているらしいです。その喫茶店に行けばきっと見つかるハズですよ。」エリカが言いました。

「ならそのサ店に行こうか!」アザミが言いました。

「喫茶店か……。」サクラが言いました。

「店内にクラシック音楽が流れるお洒落なお店らしいです。」エリカが言いました。

「クラシックねえ。アタシはキラいだね!」アザミが言いました。

「なら良い考えがあります。」ナズナが言いました。


 シュロはその喫茶店にいました。

 シュロは店内に流れるクラシック音楽を聴きながらだらけていました。

 店内の別のテーブルにはアザミとナズナがいました。ナズナは傍にギターケースを置いていました。

 店内に他の客は一人しかいませんでした。

 店の外ではサクラとエリカとレンゲが店内の様子を観察していました。

 カウンターにはマスターがいました。

 その瞬間、キリがマスターの背後に姿を現し、手刀でマスターを気絶させました。

 アザミとナズナが立ち上がり、ナズナがギターケースからエレクトリック・ギターを取り出しました。

 キリはミュージックディスクを入れ替えました。

「えっ……?」店内に流れる音楽が変わったことでシュロが怪訝そうに言いました。

 店内にもう一人いたその客も困惑した様子を見せました。

 そしてアザミとナズナはシュロの前に移動しました。

「ええ……?」シュロが困惑した様子で言いました。

 ナズナは店内に流れる音楽に合わせてエレクトリック・ギターを弾くマネをしました。

「じーごくーの業火で、やーきつーくっされった……!」アザミが歌い始めました。「おーまえーは……!」

「サ店の……!」アザミとナズナが同時に歌いました。

「けーいやーくっしゃーさー!」アザミが歌いました。

「止めろ!」その客が立ち上がって言いました。

「じーごくーの業火で、こーの世ーをっ照らっせ!」アザミが歌いました。

「止めろ止めろ止めろ!」その客がアザミに向かって走り出しました。

「ユールバイザッソーウッアンニッグレテッドワーッド!」アザミが歌いました。

 その瞬間、その客がアザミを殴り飛ばしました。

「ウアアアアアアアッ……!」アザミがふっ飛ばされて近くのテーブルに突っ込みました。

 その客がさらにナズナにも殴り掛かろうとしましたが、ナズナがエレクトリック・ギターを振り下ろしてその客を気絶させました。

 外にいた三人が中に姿を現しました。

「何してんの?」シュロが呆れた様子で言いました。

「フッフッフッ……!」アザミがそう言って鼻血を出しながら立ち上がりました。

「このサ店を地獄に変えてやったんだよ。」アザミが不敵な笑みを浮かべながら言いました。

「何の為に……?」シュロが言いました。

「シュロさんに来て貰う為です!」ナズナが言いました。

「いや……おかしいでしょ。」シュロが言いました。

「君がシュロ……?」サクラが言いました。

「誰……?」シュロが言いました。

「サクラ、新しくチームに加わった魔法少女ですよ。」エリカが言いました。

「名前くらいは聞いたことがあるだろう?」レンゲが言いました。

「サクラ……。ああ。あのサクラ……?」シュロが言いました。

「多分そう。」サクラが言いました。

「新しいメンバーがいるならもう私が行く意味無くない?」シュロが言いました。

「そうは行きません、私達は全員でチームなんですから。」エリカが言いました。

「チームで一丸となって何かやるとしても、こんなくだらないことじゃん。」シュロが言いました。

「平気平気!情報を操作してこの一件はXの仕業ってことにしちゃいます!」ナズナが言いました。

「相変わらずワルだね。」シュロが言いました。

「いずれにしてもあなたが安らげる場所は無くなった。最早こちらへ来るより他に選択肢は無いハズ。」レンゲが言いました。

「ああ……。しょうがない。」シュロが言いました。


 七人は闇の力に対する防衛チームの部屋に集まりました。

「それにしてもキリまであのくだらない作戦に協力したなんて……。」シュロが言いました。

「賛成はしてないってば……。」キリが言いました。「でも、チーム全員参加の作戦だったから……。」

「とにかく本題!闇のバケモノが出たってワケで、もうじきアタシ達の出番だよ!」アザミが言いました。

「面倒臭い……。」シュロが言いました。

「ナめてんの!?それがアタシ達の仕事でしょうが!」アザミが言いました。

「そういうのはやる気ある人が率先してやれば良いじゃん。」シュロが言いました。「骨は拾ってあげる。」

「そんなこと言わないで、シュロさんも一緒に頑張りましょうよ!」ナズナが言いました。

「ヤだ。だるい。」シュロが言いました。

「ブッ殺すよアンタ?」アザミが言いました。

「ええ……?」シュロが言いました。

「全く……アンタのことなんか永遠に忘れときたかったよ。」アザミが言いました。

「ところで、シュロの実力ってどれ程のものなワケ……?」サクラが言いました。

「シュロの実力……。」エリカが言いました。

「シュロは奈落の太陽神の異名を持つ魔法少女。えげつない実力の持ち主だ。」レンゲが言いました。

「そう。私に近づく者は地獄の業火に包まれる。だから私のことはほっといた方が良いよ。」シュロが言いました。


 とある建物の屋上にその少女が佇んでいました。

「変身!」その少女が変身しました。


 意識を取り戻したその客が喫茶店から出てきました。

「アイツら……俺のくつろぎの時間をよくも……!」その客が言いました。

 そこへその少女が姿を現しました。

「何だお前は?」その客が言いました。

「アンタの心の闇、利用させて貰うわ。」そう言ってその少女は“ミラー”のカードを取り出しました。

「ウアアアアアアアッ……!」その客が言いました。


「で、ここからどうするの?」サクラが言いました。

「せっかくここまで連れてきたワケですから、シュロには何としてもやる気になって欲しいですわ。」エリカが言いました。

「いや、シュロのことはもう諦めても良いんじゃない?」レンゲが言いました。

「それだとなんか負けた気がして悔しいですね。」エリカが言いました。

「確かに……。」レンゲが言いました。

「私の負けで良いから帰らせて……。」シュロが言いました。

「帰りたければアタシ達を倒して帰るんだね!」アザミが言いました。

「ええ……?」シュロが言いました。

「奈落の太陽神の実力、見せて貰おうか?」アザミが言いました。

「こうなったら……!」シュロが言いました。

「ん……?」キリが言いました。

 その瞬間、シュロが逃げ出しました。

「あっ……!」アザミが言いました。

「逃げましたよ!」エリカが言いました。

「どうして逃がしたんだよ、キリ!?」アザミが言いました。

「悪いと思って……。」キリが言いました。

「早く追いかけましょう!」ナズナが言いました。


 シュロが時計塔の外に出ました。

「フン……。」そこへ一体の暗黒鏡人が姿を現しました。

「は……?」シュロが足を止めて言いました。

 六人も追いつきました。

「何アイツ?」アザミが言いました。

「ひょっとしてアイツがウワサの……!?」サクラが言いました。

「よくも俺のくつろぎの時間を……!殺してやる!」その暗黒鏡人が言いました。

「あっ……!」シュロが言いました。「あの人……?」

「さて、どうする?」アザミが言いました。

 シュロがマジカルチェンジャーを構えました。

「お……!」アザミが言いました。

「あ……!」サクラが言いました。

「シュロ……?」エリカが言いました。

「変身!」シュロが変身しました。

「ハアアッ!」その暗黒鏡人が暗黒弾を放ちました。

「フッ!」シュロが掌を翳して付近の空中に魔法の重力場を発生させました。

 その暗黒鏡人が放った暗黒弾は魔法の重力場に吸い込まれ、魔法の重力場ごと消滅しました。

「あっ……!」サクラが言いました。

「シュロは重力を操れるのです。」エリカが言いました。

「くっ……!」その暗黒鏡人が言いました。

「フッ!」シュロはマジカルムーブを発動しました。

「マジカルグラビテーション!」シュロが掌から魔法のマイクロブラックホールを放ちました。

「ウアアアアアアアッ……!」その暗黒鏡人は飛んできた魔法のマイクロブラックホールの重力場によって爆発しました。

「一撃で倒した!」サクラが言いました。

 シュロが変身を解除しました。

「もう疲れた。しょうがないからしばらくここで休むよ。」そう言ってシュロは時計塔へと戻りました。

「さすがは奈落の太陽神……。」サクラが言いました。

「実を言うとその二つ名、元々はシュロの自称なんですよ。」エリカが言いました。

「そうだったの?」レンゲが言いました。

「ええ。」エリカが言いました。


 その少女が近くの建物の屋上からシュロとその暗黒鏡人の戦いを見ていました。

「へえ。結構やるじゃない。」その少女が言いました。


「ひとまずシュロさんを引き留めておくことが出来て良かったです。これも私の作戦のおかげですね!」ナズナが言いました。

「殴るよ?」アザミが言いました。

「シュロか……。忘れないようにしなくちゃ。」サクラが言いました。


 おわり

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