魔法少女サクラ #4
その日、サクラは廊下でナズナを見つけました。
「あっ!サクラさん!」ナズナが笑顔で言いました。「お元気ですか?」
「まあね。」サクラが言いました。
「この間は訓練に付き合って貰ってありがとうございました!」ナズナが言いました。
「うん。実はそのことに関してなんだけど……。」サクラが言いました。
「何ですか?」ナズナがきょとんとした様子で言いました。
「もう一度バトルしない?」サクラが言いました。
「ええっ!?私が相手で良いんですか!?私なんかで良ければいつでも喜んで相手になりますよ!」ナズナが嬉しそうに言いました。
「良かった。」サクラが言いました。
「それじゃあ、今夜はどうです?」ナズナが言いました。
「今夜……?」サクラが言いました。
「はい!今夜!」ナズナが言いました。
「分かった。今夜バトルしよう!」サクラが言いました。
サクラはその場を立ち去りました。
「フフフ……!」ナズナは邪悪な笑みを浮かべました。
その後サクラは廊下でキリに会いました。
「ナズナとまたバトルするって……?」キリが言いました。
「うん。」サクラが言いました。「どうしてそのことを……?」
「訓練場の前でナズナを見かけて……ナズナは君に興味を持ってたから……。」キリが言いました。
「そっか……。」サクラが言いました。
「みんな君に興味を持ってる。私も……。」キリが言いました。
「私が闇の力と戦ったことがあるから?」サクラが言いました。
「おう。君と互角に戦うことが出来れば、チームの使命を全う出来る裏付けになるんだってば。」キリが言いました。
「なるほど。」サクラが言いました。
別の廊下でナズナとレンゲが会いました。
「ナズナ……。」レンゲが言いました。
「レンゲさん!」ナズナが言いました。
「サクラが君と戦いたがっていたけど……?」レンゲが言いました。
「はい!今夜バトルすることになりました!」ナズナが言いました。
「サクラはレベル8の最上級魔法少女、それに加え経験も豊富、一度は勝ったとはいえ、勝つのは難しいと思う。」レンゲが言いました。
「心配要りませんよ。」ナズナが言いました。
「今度のバトルではサクラも秘策を用意しているハズ、油断は禁物じゃない?」レンゲが言いました。
「大丈夫ですよ。問題ありません!」ナズナが言いました。
その日の夜、サクラとナズナは訓練場で対峙しました。
隅には他のメンバー達も集まっていました。
「またサクラさんとバトル出来て、私とっても嬉しいです!」ナズナが言いました。
「今回は本気で行かせて貰うよ?」サクラが言いました。
「はい!よろしくお願いしますね!」ナズナが言いました。
「サクラとナズナのバトルか……。」アザミが言いました。
「これは見物ですね。」エリカが言いました。
「おう。」キリが言いました。
「果たして勝つのはどちらか……。」レンゲが言いました。
「フィールド発動!コモンクオリー!」サクラがそう言うと同時に周囲が岩場へと変化しました。
「変身!」サクラとナズナが変身しました。
「始まったね。」アザミが言いました。
「サクラはレベル8の魔法少女。それに対しナズナは《ホープ》のカードで変身するランク5の魔法少女。きっと面白いバトルになるでしょう。」エリカが言いました。
「サクラさんが本気で来るなら、こっちもいきなり本気で行っちゃいますよ!」そう言ってナズナは全身にマジカルライトブラッドを漲らせました。
「いきなりサイリウムチェンジか……!?」アザミが言いました。
「ナズナはモードチェンジによって一定時間スターカードの力を行使し、その攻撃力を上げることが出来るのでしたね。」エリカが言いました。
「ハアアアアアアアッ!」ナズナがマジカルスタッフを手にサクラに殴り掛かりました。
サクラはマジカルスタッフによるナズナの攻撃を拳で防ぎました。ナズナは攻撃を加え続け、サクラの防御のスキを突いてサクラを突き飛ばしました。
「ウアッ……!」サクラが転倒して転がりました。
ナズナはすかさずマジカルムーブを発動しました。
その瞬間、ナズナの周囲の空中に魔法の結晶が召喚され、一斉にサクラの方を向きました。
「もう必殺技……!?」アザミが言いました。
「ライブ中のマジカルムーブはアイドルタイムを消化することで威力を強化することが出来ますね。」エリカが言いました。
「つまりこの必殺技の攻撃力は……!」アザミが言いました。
「くうっ……!」サクラが立ち上がりました。
「マジカルコンセントレーション!」ナズナがそう言うと同時に全ての魔法の結晶から同時に魔法線が放たれました。
「ウアアアアアアアッ……!」魔法線がサクラに直撃し、爆発が起こりました。
「フッ……!」ナズナが言いました。それと同時に「3……2……1……タイムアウト」の電子音声と共にナズナの全身を覆っていたマジカルライトブラッドが消滅しました。
爆発が収まりました。
「あっ……!」ナズナが言いました。
そこには攻撃を凌ぎきったサクラが立っていました。
「おっ……!」アザミが言いました。
「今の攻撃を……耐えきった。」エリカが言いました。
「さすがはサクラ……。」レンゲが言いました。
「なかなかやるじゃん。強いね、アタシの次に。」アザミが不敵な笑みを浮かべながら言いました。
「フフフ……!」ナズナが言いました。
「ここから反撃だ!」サクラが言いました。
「さっきの攻撃に耐えたとは言っても、大幅に魔力を削られているハズです!そう簡単には反撃させませんよ!」ナズナが言いました。
「ハアアアアアアアッ!」サクラが走り出しました。
「フッ!」ナズナがそう言うと同時に魔法の結晶から次々に魔法弾が放たれました。
サクラは魔法弾を受けても怯まずに走り続けました。
「あっ……!」ナズナが言いました。
ナズナが向かってくるサクラをマジカルスタッフで殴ろうとしました。サクラはマジカルスタッフを右手で弾くと、左手でパンチを繰り出しました。
「ウアアッ……!」ナズナが後退しました。
「ハアアッ!」サクラが右手に魔力を漲らせてパンチを繰り出しました。
「ウアアアッ……!」ナズナがふっ飛ばされました。
「くっ……!」ナズナが立ち上がりました。
「マジカルユニサイクル!」サクラがマジカルユニサイクルを召喚しました。
サクラはマジカルユニサイクルに乗ってナズナに向かっていきました。
「あっ……!」ナズナが言いました。
「マジカルブレイク!」サクラが体当たりを繰り出しました。
「フッ……!」ナズナが言いました。
その瞬間、ナズナの前に魔法の壁が生成され、その魔法の壁に激突したサクラは爆発と共にふっ飛ばされました。
「何……!?」
「これは……!」キリが言いました。
「ウアアアアッ……!」ふっ飛ばされたサクラはそのまま倒れ込みました。
「くうっ……!」サクラが言いました。
「引っ掛かりましたね?こんなこともあろうかと予めトラップを仕掛けておいたんです。」ナズナが言いました。
「トラップ……!?」サクラが倒れ込んだまま言いました。
「なるほど……。」レンゲが言いました。
「聖なるバリアによってサクラの攻撃が撥ね返されました。」エリカが言いました。
「くっ……!くうっ……!」サクラがよろめきながら立ち上がりました。
「まだ立ち上がるんですね。でもムダだと思いますよ。何か秘策を用意しているのかも知れませんけど、フィールドには聖なるバリアが仕掛けられていますので、攻撃を仕掛けた瞬間返り討ちです!」ナズナが言いました。
「確かに……聖なるバリアで攻撃を撥ね返されたらサクラに勝ち目は無い!」アザミが言いました。
「それにナズナにはまだ《ライトニング》のカードもあります。二枚目のスターカードを使うことでランクアップにより攻撃力を上げると同時にアイドルタイムを回復させることも出来ますよ。」エリカが言いました。
「この状況……サクラの圧倒的不利……。」キリが言いました。
「しかし勝負は最後まで分からない。」レンゲが言いました。
「諦めて降参しちゃいますか?」ナズナが言いました。
「いいや!降参はしない!」サクラが言いました。
「じゃあどうするつもりなんです?」ナズナが言いました。
「このアイテムにかける!」そう言ってサクラが魔法の手袋“マジカルテックグローブ”を取り出しました。
「それは……!?」ナズナが言いました。
「マジカルテックグローブ!これが私の切り札さ!」そう言ってサクラがマジカルテックグローブを左手に装着しました。
「装備アイテム……!」キリが言いました。
「これでサクラの攻撃力がアップする。」レンゲが言いました。
「でもいくら攻撃力を上げたところでフィールドには聖なるバリアが仕掛けられています。」エリカが言いました。
「いや……!」アザミが言いました。
「ハアアアッ!」サクラがパンチを繰り出しました。
「聖なるバリア発動!」ナズナの前に魔法の壁が生成されました。
サクラのパンチによって魔法の壁が破壊されました。
「ウアアアッ……!」ナズナはふっ飛ばされて倒れ込みました。
「聖なるバリアが……!」エリカが言いました。
「攻撃が強過ぎて撥ね返せない……。」キリが言いました。
「フッ。」アザミが言いました。
「ううっ……!」ナズナが立ち上がりました。
「これでトドメだ!」そう言ってサクラが左手を構え直しました。
「あっ……!」ナズナが言いました。
「マジカルテックスマッシュ!」サクラが左手でパンチを繰り出しました。
ナズナは魔法の結晶で壁を作ってサクラの攻撃を防ごうとしましたが、サクラの攻撃によって魔法の結晶はバラバラになり、サクラの攻撃はそのままナズナに直撃しました。
「ウアアアアアアアッ……!」ナズナはふっ飛ばされました。
ナズナが岩壁に激突し、爆発が起こりました。
ナズナはそのまま倒れ込みました。
「うっ……!ううううっ……!」ナズナが呻き声を上げました。
周囲が元の状態へと戻りました。
サクラが変身を解除してナズナに近寄りました。
「私の勝ちだね、ナズナ。」サクラが言いました。
「くうっ……!」ナズナが呻き声を上げながらサクラの方を見ました。
ナズナは倒れ込んだまま変身を解除しました。
他のメンバーも集まって来ました。
エリカとレンゲがナズナの腕を支えて立ち上がらせました。ナズナは苦しそうに俯きながら立ち上がりました。
「私が……負けた。」ナズナが苦しそうに言いました。
「フフッ……!さすがですね、サクラさん。」ナズナが顔を上げて苦しそうに笑みを浮かべながら言いました。
「うん。」サクラが言いました。
ナズナはエリカとレンゲに支えられながらその場を離れていきました。
「やるじゃん、サクラ。」アザミが言いました。
「アザミ……。」サクラが言いました。
「アンタだったらこのアタシに肩を並べられるかも知んないね。」アザミが言いました。
「いっそのこと、リーダーを担当して貰えば……?」キリが言いました。
「それはダメだね!」アザミが言いました。「ま、アタシがリーダー担当になったら破壊担当の座を譲ってあげるよ。」
「どうも……。」サクラが言いました。
おわり