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魔法少女サクラ #2

 その日、サクラは給湯室でお湯を沸かしていました。


 一人の少女が廊下から給湯室の様子を見ていました。

 そこへキリが通りかかりました。

「ナズナ……。」キリが言いました。

「キリさん。」ナズナは笑顔を浮かべながらそう言って歩き出しました。


 二人は別の廊下へと移動しました。

「この間もあの子のこと見てたみたいだけど……。」キリが言いました。

「バレちゃってました?さすがはキリちゃん!」ナズナが言いました。

「一体何を……?」キリが言いました。

「だって気になるじゃないですか。」ナズナが言いました。

 キリがその場から離れていきました。

「また声をかけて下さいね!私キリちゃんとお話しするの大好きです!」ナズナが言いました。

 ナズナはキリがその場を離れるのを見届けました。

「フン。」ナズナが見下した笑みを浮かべて言いました。


 サクラは闇の力に対する防衛チームの部屋でカップラーメンを食べていました。

 そこへナズナが姿を現しました。

「サクラさん……ですよね?」ナズナが不安そうな口調で言いました。

「君は……?」サクラはカップラーメンを食べるのを止めて言いました。

「私……ナズナって言うんですけど……。」ナズナが言いました。

「このチームの……?」サクラが言いました。

「はい……。」ナズナが言いました。

「私はサクラ。よろしく!」サクラが言いました。

「サクラさんって……経験豊富なベテランさんなんですよね?」ナズナが言いました。

「いや……そんなこと無いけど……。」サクラが言いました。

「でも……闇の力から世界の平和を何度も守ってるんですよね?」ナズナが言いました。

「ま……まあ……。」サクラが言いました。

「そんなサクラさんに……お願いがあるんですけど……?」ナズナが言いました。

「お願い……?」サクラが言いました。

「戦い方を私に教えてくれませんか?」ナズナが言いました。

「戦い方を……?」サクラが言いました。

「私……自信が無くて……。それでサクラさんに訓練して貰えたらなって……。」ナズナが言いました。

「なるほど……。」サクラが言いました。

「ダメ……ですか?」ナズナが言いました。

「いや……私で良ければ構わないけど……。」サクラが言いました。

「良かった!」ナズナが嬉しそうな口調で言いました。

「うん……。」サクラが言いました。

「そしたら早速訓練場へと行きましょうか?」ナズナが言いました。

「えっ……?いや……。ラーメン食べてから……。」サクラが言いました。

「ええっ……?」ナズナが悲しそうな口調で言いました。「私なんかのことよりも……ラーメンの方が大事なんですね。」

「いや……。分かったよ。」そう言ってサクラが席を立ちました。

「それじゃあ行こう。」サクラが訓練場へと向かいました。

「フフフ……!」ナズナが邪悪な笑みを浮かべながらサクラの背中を見つめました。


 二人は訓練場へとやって来ました。

「サクラさん、お願いしますね!」ナズナが嬉しそうな口調で言いました。

「えっと……。それじゃあフィールドは……これにしよう!“荒野のウェスタンタウン”!」サクラがそう言うと同時に周囲がアメリカ合衆国の西部開拓時代の町へと変化しました。

「どう?なんか良いでしょ?」サクラが言いました。

「えー……。なんか地味じゃありません?私こういうのちょっとキラいです。」ナズナが言いました。

「えっ……?」サクラが言いました。

「もっと楽しくて面白そうなのが良いです!」ナズナが言いました。

「うーん……。それじゃあ、“スイートワールド”発動!」サクラがそう言うと同時に周囲がお菓子の町へと変化しました。

「うわあ!お菓子の町ですね!ケーキ大好き!ありがとうございます、サクラさん!」ナズナが言いました。

「喜んで貰えて良かった。それじゃあ始めようか?」サクラが言いました。

「はい!始めましょう!」ナズナが満面の笑みで言いました。

「変身!」サクラが変身しました。

「フッ!」ナズナが不敵な笑みを浮かべながらマジカルリーダーを取り出し、マジカルチェンジャーに接続しました。

「それは……!」サクラが言いました。「マジカルリーダー!?」

「はい!」ナズナが言いました。

 ナズナが《ホープ》のカードを取り出しました。

「スターカード……!」サクラが言いました。

 ナズナが《ホープ》をマジカルリーダーに読み込ませました。するとマジカルリーダーから「アイドルタイム!スタンバイ!」と電子音声が発せられました。

「変身!」ナズナがそう言うと同時にマジカルチェンジャーから「Change」と電子音声が発せられ、ナズナが変身しました。

「これは……!?」サクラが言いました。

「バトル開始です!」ナズナが言いました。「本気を出して下さいね!」

「くっ……!」サクラが拳を構えました。

「ハアアアッ!」サクラが拳に魔力を纏わせながらパンチを繰り出しました。

「フッ……!」ナズナが言いました。

 その瞬間、無数の魔法の結晶が召喚され、さらにそれらの魔法の結晶がナズナの正面に集まり壁を形成し、サクラの攻撃を防ぎました。

「なっ……!」サクラが言いました。

 攻撃を防がれたサクラは後ろに下がって拳を構え直しました。

 魔法の結晶はバラバラになってナズナの周囲を浮遊しました。

「特殊能力……!?」サクラが言いました。

「はい!私はクリスタルを召喚して自在に操ることが出来るんです。」ナズナが言いました。

「そんな力が……!」サクラが言いました。

「クリスタルはこんなことも出来るんですよ。」ナズナがそう言うと同時に魔法の結晶から次々と魔法弾が放たれました。

「あっ……!」サクラは走って魔法弾をかわしました。

「さすがはサクラさん!スゴい!」ナズナが言いました。

「くっ……!」サクラが言いました。

「じゃあ私も、もっと本気出しちゃおうかな?」ナズナが言いました。

「な……!」サクラが言いました。

「マジカルライト!」ナズナが言いました。

 その瞬間、マジカルリーダーから発せられる「スタートアップ!カウントダウン!」の電子音声と共にナズナの体表に輝く魔法の液体“マジカルライトブラッド”が流れ始め、モードが変化しました。

「行きますよ!」そう言ってナズナはマジカルムーブを発動しました。

 ナズナの周囲を浮遊する魔法の結晶がサクラへと向きました。

「あっ……!」サクラが言いました。

「マジカルコンセントレーション!」ナズナがそう言うと同時に魔法の結晶から同時に魔法線が放たれました。

 魔法の結晶から放たれた魔法線がサクラに直撃し、爆発が起こりました。

「ウアアアアアアアッ……!」サクラはふっ飛ばされて倒れ込みました。

「フッ!」ナズナが言いました。

「くっ……!」サクラが立ち上がりました。

「へえ……。まだ立ち上がるだけの力が残っているんですね。」ナズナが言いました。

 サクラが拳を構え直しました。

「確かライブには時間制限があったハズ……!その時間が過ぎれば元の姿に戻って攻撃力も下がる!」サクラが言いました。

 マジカルリーダーから残り時間を知らせる電子音声が「10……9……8……」と発せられ始めました。

「確かに……。」ナズナが言いました。

「でも……!」そう言ってナズナが《ライトニング》のカードを取り出しました。

「あっ……!」サクラが言いました。

「オーバーレイ!」ナズナは「1……」の電子音声が発せられたタイミングで《ライトニング》をマジカルリーダーに読み込ませました。

 その瞬間、マジカルリーダーから「ランクアップ!エクシードチェンジ!」と電子音声が発せられ、ナズナがランクアップすると同時にそのモードの残り時間もリセットされました。

「マジカルスタッフ!」ナズナは魔法の杖“マジカルスタッフ”を召喚し、それを掲げました。

 その瞬間、マジカルスタッフの上部に魔法の結晶が集まり、刃を形成しました。

 さらに刃と化した魔法の結晶に魔法の稲妻が纏わりました。

「ハアアッ!」ナズナがマジカルスタッフを振り下ろすと同時に魔法の稲妻がサクラに向かっていきました。

「ウアアアアアアアッ……!」サクラは爆発と共にふっ飛ばされ、倒れ込みました。

「ウウウウッ……!」サクラが倒れ込んだまま呻き声を上げました。

「勝負あり、ですね。」ナズナが言いました。

 その瞬間、周囲が元の状態に戻りました。

 ナズナは変身を解除しました。

「サクラさん、ありがとうございました!」そう言ってナズナはその場を離れていきました。

「フッ……!」ナズナは歩きながら不敵な笑みを浮かべていました。


 その後サクラは闇の力に対する防衛チームの部屋で残りのカップラーメンを食べていました。

 そこへアザミがやって来ました。

「よっ!サクラ!」アザミが言いました。

「アザミ……。」サクラが言いました。

「なんか元気無くない?どうしたのよ?」アザミが言いました。

「いや……。」サクラが言いました。

「ナズナに……?」キリが現れて言いました。

「うん……。」サクラが言いました。

「アイツか……!」アザミが言いました。

「うん……。」サクラが言いました。

「作戦担当、ナズナ!アイツと何があった?」アザミが言いました。

「ボコられた。」サクラが言いました。

「ハッハッハッハッハッハッハッ!ダッサーッ!」アザミが目を見開いて言いました。

 サクラが割り箸を折りました。

「まあ落ち着きなって。ナズナのヤツ、サクラの経歴を知って対抗意識を燃やしたんじゃない?なんだかんだでアイツもプライド高いからね。」アザミが言いました。

「おう。」キリが言いました。

「ま、アイツがサクラをボコったところで、アタシが最強ってコトは変わらないけどね!」アザミが言いました。

「うける。」サクラが言いました。

「まあそう落ち込むなって、今度ナズナに会ったらアタシが一発ぶん殴ってやっから。」アザミが言いました。

「いや……良い。」サクラが言いました。

「ん……?」アザミが言いました。

「いつかこの手でリベンジする!」サクラが言いました。

「フッ。早くもチームに馴染んできたね。」アザミが言いました。


 おわり

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