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魔法少女カエデ #2

 その日、カエデはオフィスでケイトリンと話していました。

「キャプターが所持していたアイテムを調べ終えました。」ケイトリンが言いました。

「何か分かった?」カエデが言いました。

「どうやらキャプターが変身に使っている魔法のカードの正しい呼び名は“マジカルカード”というみたいです。」ケイトリンが言いました。

「マジカルカード……?」カエデが言いました。「まあ、聞いたこと無い名前のカードだね。」

「そうですね。」ケイトリンが言いました。

「その、マジカルカードについて、他には……?」カエデが言いました。

「特には……。」ケイトリンが言いました。

「そうなんだ。」カエデが言いました。

「私の分析だと、あのカードは魔力を持ったカードであり、その名前がマジカルカードであるということしか分かりませんでした。」ケイトリンが言いました。

「うん……。」カエデが言いました。

「それとあの、カードを挿して変身するのに使っていた腕輪……アレは“マジカルキャプトライザー”という名前の魔法のアイテムのようです。」ケイトリンが言いました。

「マジカルキャプトライザー……。」カエデが言いました。

「はい。どうやらマジカルカードをスキャンすることによってその魔力を得られるみたいですね。」ケイトリンが言いました。

「確かに見たところそういう機能のアイテムだったね。」カエデが言いました。

「予想通りの機能でしたね。」ケイトリンが言いました。

「そう言えばケイトリンは魔法少女の持つ特殊能力も見抜いてたけど、分析が得意なの?」カエデが言いました。

「得意という程でもありませんけど、他の妖精達では読み取れない情報は分かるみたいですね。」ケイトリンが言いました。

「そうなんだ。」カエデが言いました。「なんだかようやくケイトリンのことをちょっとだけ知ることが出来たような気がするよ。」

「そうですか?」ケイトリンが言いました。

「うん。ケイトリンってどこか読めないというか……ポーカーフェイスだから……。」カエデが言いました。

「おもろいです。」ケイトリンが言いました。

「おもろい……?ケイトリンってひょっとして関西の妖精なの……?」カエデが言いました。

「違いますよ。」ケイトリンが言いました。「どうしてそんな風な分析したんですか?」

「だっておもろいって関西弁だから……。」カエデが言いました。

「よく分かりません。人間は面白いことがあった時におもろいと言うんじゃ無いんですか?」ケイトリンが言いました。

「いや……その分析は……どうなんだろう……?」カエデが言いました。

「おもろいです。」ケイトリンが言いました。

「この会話……そんなに面白い?」カエデが言いました。

「はい。むーっちゃ、おもろいです。」ケイトリンが言いました。

「表情はつまらなさそうに見えるけどね。」カエデが言いました。

「それよりも、キャプターに変身していたあの人から何か情報は引き出せましたか?」ケイトリンが言いました。

「いや……彼はまだ意識不明だよ。」カエデが言いました。

「それは残念です。尤も、戦いに負けて生きているだけでも運が良かったと言えるでしょうが……。」ケイトリンが言いました。

「いずれにしても、マジカルカードやマジカルキャプトライザーがどこから出て来てるのか、まだまだ情報収集が必要だね。」カエデが言いました。

「そうですね。」ケイトリンが言いました。

「応援が欲しいところだけど、手が空いてる人もいないしな……。」カエデが言いました。

「ランはどうでしょう?今はエリコを追ってると聞いていますが、一時的に手を貸して貰えないでしょうか?」ケイトリンが言いました。

「出来れば手を借りたいところだけど、今は警察に捕まってるんだよね。」カエデが言いました。

「そうなんですか?」ケイトリンが言いました。

「うん。警察もエリコを追ってるらしくて、それで、ランのことを勘違いしたみたいなんだ。」カエデが言いました。

「ご愁傷さまです。」ケイトリンが言いました。

「結局のところ私達二人で手掛かりを集めなくちゃいけない感じかな。」カエデが言いました。

「おもろいですね。」ケイトリンが言いました。

「いや……。中途半端な関西弁を使う人が世の中に多いから……こんなことに……。」カエデが言いました。

「そうなんですか?分かりません。」ケイトリンが言いました。

「もーえーわっ。」カエデが言いました。

「ありがとうございましたー。」カエデとケイトリンが言いました。


 警察署ではヨウコとポリーが話をしていました。

「キャプターの捜査の方はどう?進んでる?」ポリーが言いました。

「今はそれどころじゃ無いのよ!」ヨウコが言いました。「アイツよ!アイツ!Xよ!」

「そう言えばあなた、警備会社を襲撃したXを取り逃がしたらしいわね。」ポリーが言いました。「Xの動きをいち早く察することが出来たのは見事だったけど……。惜しかったわね。」

「惜しかった……?そんな簡単な言葉で済まさないで欲しいのよ!」ヨウコが言いました。

「ヨウコ……。」ポリーが言いました。

「後一歩……!後一歩のところまで追い詰めたのに……!」ヨウコが言いました。

「気持ちは分かるけど、キャプターの捜査も進めて貰えないかしら?」ポリーが言いました。

「お断りよ!二つの捜査を掛け持つなんて、やっぱり私には出来ないのよ!Xよ!私はXを追うのよ!」ヨウコが言いました。

「ダメよ、警察庁にはあなたしか魔法少女がいないんだから!」ポリーが言いました。

「お墨付きは貰ったのよ!」そう言ってヨウコは歩き出しました。

「いや……!」ポリーが言いました。

「今度こそあのクズを処刑するのよ!電気ショックの刑なのよ!」ヨウコがその場を去りながら言いました。

「処刑って……!そんなことしたら懲戒よ!聞いてる!?ヨウコ!ヨウコ!」ポリーが言いました。

 ヨウコはそのまま去っていきました。

「あー……。どうか助けて下さい、クイーン。」ポリーが悲しそうに言いました。


「ありがとうございましたーじゃないよ。」カエデが言いました。「何で言ったの?」

「人間の文化だとあの状況においてあの発言が適切だと思いましたので……。」ケイトリンが言いました。「いけなかったですか?」

「いや……。いけなくは無かったけど……。」カエデが言いました。

「良かったです。」ケイトリンが言いました。

「良いのかな?」カエデが言いました。

「良かったです。」ケイトリンが言いました。


 とある建物の屋上にマジカルキャプトライザーを装着した一人の人物が佇んでいました。

「俺こそが最強のキャプターであることを証明してやるぜ!」そう言ってその人物は一枚のマジカルカードをマジカルキャプトライザーに挿入しました。するとマジカルキャプトライザーから「Jump」と電子音声が発せられました。

「変身!」その人物がマジカルキャプトライザーに右指を翳すと、「Captorize」の電子音声が発せられると共にその人物がジャンプキャプターに変身しました。


「それはそうと、キャプターの出現を感知しました。」ケイトリンが言いました。

「えっ……?本当……?」カエデが言いました。

「本当です。」ケイトリンが言いました。

「場所は……?」カエデが言いました。

「ついて来て下さい。」ケイトリンが言いました。

「分かった!」カエデが言いました。

「キャプターの調査において、現時点では警察庁に大きく水をあけられています。ここから巻き返していきましょう。」ケイトリンが言いました。

「うん!」カエデが言いました。


 ジャンプキャプターが建物の屋上から通りに飛び降りました。

 通りにいた人々はジャンプキャプターの姿を見て逃げ惑いました。

「さて、この近くにカードはあるかな?」ジャンプキャプターが逃げ惑う人々のことを気にも留めない様子で言いました。

 そこへカエデとケイトリンがやって来ました。

「いた!」カエデがジャンプキャプターを見て言いました。

「あ……?」ジャンプキャプターがカエデを見て言いました。

「どうやら“ジャンプ”のカードを使っているようです。」ケイトリンが言いました。

「誰だテメエ?キャプターか?」ジャンプキャプターが言いました。

「いや……。魔法少女さ!」カエデが言いました。

「変身!」カエデが変身しました。

「魔法少女だと?そんなもんはこの俺のジャンピングキックで葬ってやるぜ!」そう言うとジャンプキャプターが跳び上がりました。

「ハアーッ!」ジャンプキャプターがカエデに跳び蹴りを繰り出しました。

「マジカルシールド!」カエデは魔法の盾“マジカルシールド”を召喚すると、それを左手で構えてジャンプキャプターの攻撃を防ぎました。

 ジャンプキャプターは攻撃を防がれた反動を利用してカエデから距離を取りながら着地しました。

「この俺の攻撃が防がれただと……!?」ジャンプキャプターが言いました。「最強であるハズのこの俺の攻撃が……!」

「その程度の攻撃力じゃ、この私は倒せない!」カエデが言いました。

「何……!?」ジャンプキャプターが言いました。

「ハアッ!」カエデが右腕を振って、ジャンプキャプターに魔法の刃を飛ばしました。

「ウアアッ……!」ジャンプキャプターが飛んできた魔法の刃を受けて転倒しました。

 カエデは立ち上がろうとするジャンプキャプターを見ると、マジカルシールドを放ってマジカルムーブを発動しました。

「マジカルエッジアタック!」カエデは右腕に生成した魔法の刃でジャンプキャプターを切りつけました。

「ウアッ……!アアアアアアアアッ!」ジャンプキャプターは倒れ、爆発と共に変身を解除しました。

 カエデは地面に落ちた“ジャンプ”のカードを拾いました。

「二枚目のマジカルカード……。」カエデが言いました。

「お見事です。」ケイトリンが言いました。

「でも……。」そう言ってカエデは倒れたその人物を見つめました。

 その人物は完全に意識を失っていました。

「この様子じゃ新しい情報を手に入れることは難しそうだね。」カエデが言いました。

「俗に言うどんまいですね。」ケイトリンが言いました。

「そうかもね。」カエデが言いました。

「でも、キャプターの活動は阻止出来ました。良かったんじゃ無いでしょうかね?」ケイトリンが言いました。

「そうだね。」カエデが言いました。「感謝してるよ、ケイトリン。」

「こちらこそ……。」ケイトリンが言いました。

「ありがとうございましたー。」カエデとケイトリンが言いました。


 おわり

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