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魔法少女エリコ #5

 その日、シュンコはセーフルームで考え事をしていました。


 SSSの本社ではレイコとレオが話をしていました。

「エリコは壊滅したようだな。」レオが言いました。

「はい。」レイコが言いました。

「後は魔法庁……か……。」レオが言いました。

「政府に攻撃を仕掛けるつもりですか?」レイコが言いました。

「我が社とあの機関との関係は以前より劣悪だ。さらなる対立を前に牽制をしておくのも悪く無かろう。」レオが言いました。

「はあ……。」レイコが言いました。


 時計塔のオフィスでは魔法庁に所属する魔法少女達が数名集まってケイトリンとオインクと共に話をしていました。

「今のところSSSは大きな動きを見せてはいませんが、場合によっては世界の平和を脅かす行動を取るかも知れません。十分な警戒が必要と言えます。」ケイトリンが言いました。

「SSSが何をしようとしているか調べようとはしてるんだけど、なかなか情報が集まらなくて、ゴメン。」カエデが言いました。

「うん……。」フウが言いました。

「まあ、私達も何も出来ていないから、文句は言えないよね。」スイが言いました。

「でも、私達で力を合わせられれば、きっとSSSの野望を打ち砕けるよ!」モエが言いました。

「そうだね。いざって時には私達全員で力を合わせて立ち向かおう。」カエデが言いました。

「とは言っても、相手はマジカルカードのオリジナルの魔力を保有しています。備えておくに越したことはありませんね。」ケイトリンが言いました。

「うん。頑張ってみる!」モエが言いました。

 そこへサングラスをかけて顔にマフラーを巻いたシュンコが姿を現しました。

「えっ……?」フウが言いました。

「誰……?」スイが言いました。

「気にしないで。話を続けて。」シュンコが言いました。

「いや……。」フウが言いました。

「気になるんだけど……。」スイが言いました。

「シュンコ……?」モエが言いました。

「人違いよ。」シュンコが言いました。

「じゃあ誰……?」モエが言いました。

「新人……。」シュンコが言いました。

「名前は……?」モエが言いました。

「名前……?」シュンコが言いました。

「うん。名前。」モエが言いました。

「名前は……ナシ。」シュンコが言いました。

「ナシ……?」モエが言いました。

「そう。名前はナシよ。」シュンコが言いました。

「うわ……。」フウが言いました。

「何かテキトー過ぎて、突っ込む気も起きない。」スイが言いました。

「でもまあ、ちゃんと植物の名前になってるのは感心です。」ケイトリンが言いました。

「うっ……!」フウが言いました。

「あっ……!」スイが言いました。

「まあ……。」モエが言いました。

「私の話はもう良いから……話を続けて。」シュンコが言いました。

「うん……。」カエデが言いました。

「SSSをどうするかって話だったよね?」フウが言いました。

「SSSの企みに関する情報が無いから、とりあえず準備だけしとこう的な……。」スイが言いました。

「そう。SSSが世界の平和を脅かしているという確証があれば今すぐ乗り込めるけど、現段階ではもしもの事態に備えておくことしか出来ないんだよね。」カエデが言いました。

「温い!」シュンコが言いました。

「えっ……?」カエデが言いました。

「SSSが悪徳企業であることは既に明白!今すぐにでも戦いを挑み、殲滅すべきよ!」シュンコが言いました。

「あー……。」フウが言いました。

「何言ってるの?」スイが言いました。

「確かにSSSは悪徳企業だけど、それだけで殲滅なんてしてたらこの国の企業がどんどん無くなっちゃうよ?」シュンコが言いました。

「でもあの会社は既に多くの命を奪ってるのよ!?」シュンコが言いました。

「企業の悪事なんて挙げていけばキリが無いよ。それに、戦いになれば犠牲者が出る。戦うならそのことも踏まえた上で戦わないと……。」カエデが言いました。

「いや……!でも……ちょっと消極的過ぎないかと思って……。」シュンコが言いました。

「戦うべき時には戦うよ。それが平和を守る最善の方法ならね。」カエデが言いました。

「今がその時なんじゃないかと……。」シュンコが言いました。

「いや……今戦ってもムダな犠牲者が出るだけだと思う。」カエデが言いました。

「そう……かな……?」シュンコが言いました。

「新しい職場にまだ慣れてないみたいで大変だね、新人さん。」モエが言いました。

「私は間違ったことは言って無いのに……。」シュンコが言いました。

「ところで、ナシって私が初めてこの町に来た時に会ったエリコのメンバーとよく似てるね。」モエが言いました。

「ちょ……また……!」シュンコが言いました。

「エリコ……?」フウが言いました。

「マジカルカードのオリジナルを巡ってSSSとやり合って、壊滅させられたテロ組織……?」スイが言いました。

「違う!」シュンコが言いました。

「詳しそうだね、ナシ。」モエが言いました。「やっぱりシュンコなんじゃない?」

「あんまりしつこいと……殺すわよ?」シュンコが言いました。

「シュンコだー!エリコのメンバーがいるぞー!」モエが言いました。

「お願いだから静かにして……!」シュンコが言いました。

「ナシの話は今は無しにして、どうやらSSSの人工妖精達がこちらに近づいているみたいですね。」ケイトリンが言いました。

「えっ……!?」シュンコが言いました。

「SSS……?」モエが言いました。

「どうやら先手を打ってきたみたいだね。」カエデが言いました。

「これで分かった?SSSは殲滅すべき平和の敵よ!」シュンコが言いました。

「まあ、殲滅するかどうかはさておき、然るべき対処をしないといけないね。」カエデが言いました。

「まだそんなことを言っているの!?」シュンコが言いました。

「とにかく近づいてくる人工妖精達を迎撃しよう!」カエデが言いました。

「変身!」モエとカエデとフウとスイが変身して外に出ました。

「勝手にすると良いわ。」シュンコが言いました。


 スプライト達が時計塔を目指してとある通りを移動していました。

 そこへモエとカエデとフウとスイが立ちはだかりました。

 スプライト達がモエとカエデとフウとスイに向かって走り出しました。

「フッ!」カエデが拳の上に魔法の刃を生成し、走り出しました。

 フウもマジカルスラッシャーを手に走り出しました。

 スイがマジカルシューターを撃ってスプライト達を攻撃しました。

「マジカルボール!」モエも魔法弾を放ってスプライト達を攻撃しました。


 シュンコは時計塔からモエとカエデとフウとスイの戦いを見ていました。


 フウはマジカルスラッシャーでスプライト達を切りつけていました。しかし、スプライトの一体に殴り飛ばされてしまいました。

「ウアッ……!」フウが地面を転がりました。

「フウ……!」そう言ってスイが倒れ込んだフウに近づくスプライトをマジカルシューターで撃ちました。

「ううっ……!」スイがよろめきながら地面に膝を突きました。

「スイ……!」フウが言いました。

「くうっ……!やっぱり……!」スイがマジカルチェンジャーを見ながら言いました。

「フウ……!スイ……!」カエデが魔法の刃で周囲のスプライト達を切りつけながら言いました。

 スプライト達がモエを囲みました。

「くっ……!」モエが言いました。

 そこへシュンコが歩いてきました。

「あっ……!」フウが言いました。

「君は……!」カエデが言いました。

「ナシ……。」スイが言いました。

「来たね。」モエが言いました。

「反逆の翼翻せ!」シュンコが“ウィング”のカードを使って変身しました。

 シュンコは素早く移動しながらマジカルナイフでモエの周囲にいるスプライト達を切りつけていきました。

 モエも左手でパンチを繰り出してスプライト達を攻撃しました。

 フウとスイも立ち上がってスプライト達と戦いました。

 しかし、尚もスプライト達の数はなかなか減りませんでした。

 そこへシュンコに目掛けて“インフェルノ”カードが飛んできました。

「ん……!?」シュンコが“インフェルノ”のカードを取りました。「このカードは……?」

 そこへツバキが姿を現しました。

「ツバキ……?」カエデが言いました。

「苦戦しているみたいだね。」ツバキが言いました。

「このカードを使って欲しいの?」シュンコが言いました。

「そのカードの力を使いこなすことが出来れば、この状況を一気に打破出来るだろうね。」ツバキが言いました。「どうする?」

「良いわ。」そう言ってシュンコが“インフェルノ”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。

「エクシードチェンジ!」シュンコが変身しました。

「あっ……!」モエが言いました。

 スプライト達が一斉にシュンコに向かって走り出しました。

「フッ!」シュンコは飛び上がりました。

 スプライト達が足を止めて魔法弾を放ち始めました。

 シュンコは空を飛び回って飛んでくる魔法弾をかわしました。

「激戦を切り抜けしこの翼翻し、寄せ来る敵を打ち破る!」そう言ってシュンコはマジカルムーブを発動しました。

 シュンコの全身が魔法の炎に包まれました。

「マジカルダイブ!」シュンコはそのまま急降下してスプライト達を攻撃しました。

 魔法の炎が地上に広がりスプライト達は全滅しました。

「勝った。」フウが言いました。

「これがナシの力……。」スイが言いました。

「ツバキ……。」カエデが言いました。

「“インフェルノ”のカードを使いこなすとは、さすがだねシュンコ。」カエデが言いました。

「フン……。」シュンコが言いました。

「そのカード……一体どこで手に入れたんですか?」モエが言いました。

「野暮なことを聞くね。」カエデが言いました。

「Storm Accessを使ったんじゃない?」フウが言いました。

「Storm Accessを使わなくてもカードは創造出来るでしょ?」スイが言いました。

「アザミが偶然見つけたカードだよ。」カエデが言いました。「研究の為に預かってたんだ。」

「なるほど……。」モエが言いました。

「それはそうと、カエデ達の活動を見た感想はどうかな?」カエデがシュンコに言いました。

「まあ……政府が平和を守る為に考えていることは伝わったわ、少し温いとは思うけど。」シュンコが言いました。

「確かに……歯痒い部分もあるかもね。」ツバキが言いました。

「あなた……公僕のクセに政府を批判するの?」シュンコが言いました。

「まあね。」ツバキが言いました。

「呆れたわ。」シュンコが言いました。

「でも、政府が世界の平和を守ろうとしているのは紛れも無い事実さ。君にも協力して欲しいね。」ツバキが言いました。

「考えてみるわ。」シュンコが言いました。


 おわり

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