魔法少女モエ #6
その日、モエはエリコのセーフルームを訪れました。
そこにはシュンコと数人のエリコのメンバー達がいました。
「モエ……。」シュンコが言いました。
「聞いたよ。SSSと戦ったんだよね?」モエが言いました。
「ええ。」シュンコが言いました。
「大変みたいだから、少し様子を見に来たんだ。」モエが言いました。
「よくここが分かったわね。」シュンコが言いました。
「妖精の情報網ってヤツかな?」モエが言いました。
アンナとヨウコがクイーンの庭園で意識を失っていました。
その様子をクイーンが見つめていました。
「ううっ……!」ヨウコが目を覚ましました。
「ここは……?」ヨウコが言いました。
「目が覚めたようですね。」クイーンが言いました。
「アンタは……!?」ヨウコが言いました。
「私はクイーン。マジカルチェンジャーの管理者です。」クイーンが言いました。
「クイーン……。」ヨウコが言いました。
「アンナの魔力が尽きたことを検知しましたので、傍にいたあなたと一緒にこちらへ瞬間移動させて貰いました。強力な魔法で瞬間移動をした影響であなたも意識を失ってしまいましたが、無事目を覚ましたようで何よりです。」クイーンが言いました。
「アンナ……!アンナはどうなったの……!?」ヨウコが言いました。
「倒れたままです。しかし幸い、アンナは倒れる直前に魔法で調査記録を残しており、私はその情報を読み取ることが出来ました。」クイーンが言いました。
「アンナは意識を取り戻せるの!?」ヨウコが言いました。
「それは分かりません。ですが、最善を尽くします。」クイーンが言いました。
「アンナ……!」ヨウコが言いました。
「ヨウコ……。」クイーンが言いました。
「何よ?」ヨウコが言いました。
「アンナの残した情報によると、あなたにはまだやるべきことがあるハズです。」クイーンが言いました。
「ええ……。」ヨウコが言いました。
「アンナの為にも、やり残したことをやり遂げるべきでは無いでしょうか?」クイーンが言いました。
「フン……。」ヨウコが言いました。
「政府の他の連中はここへ来ないの?」シュンコが言いました。
「うん。今はエリコの調査はストップしてるから……。」モエが言いました。
「ところで、ユイがどうなっているのか知らない?」シュンコが言いました。
「ユイ……マジカルカードのオリジナルだね?」モエが言いました。
「ええ。」シュンコが言いました。
「その子なら……残念だけど……。」モエが言いました。
「殺されたのね。」シュンコが言いました。
「うん……。そうみたい。」モエが言いました。
「くっ……!」シュンコが言いました。
「シュンコさん……これからのことなんですけど……。」エリコのメンバーの一人が言いました。
「これから……?」シュンコが言いました。
「マルコさんもいなくなって……これからどうしましょう?」そのメンバーが言いました。
「決まっているわ。これからもエリコは正義の為に戦い続ける。」シュンコが言いました。
「でも……ウールもいなくなって……マジカルチェンジャーも手に入らないんじゃ……。」別のメンバーが言いました。
「うん……。」シュンコが言いました。
「マジカルチェンジャーが無くても、武器さえあれば……!」また別のメンバーが言いました。
「どうやって武器を手に入れるの?」そのメンバーが言いました。「シュンコさん……!」
「そうね。」シュンコが言いました。
「捲土重来の為、まずは強盗で資金を稼ぐのはどうでしょう?」別のメンバーが言いました。
「ダメだよ、強盗なんて!そういうことをしてるから政府に目を付けられちゃうんだよ、シュンコ!」モエが言いました。
「確かに……ここで政府との対立を深めてはマルコもウールも浮かばれないわ。」シュンコが言いました。
「じゃあどうするんです、シュンコさん?」そのメンバーが言いました。
一方、SSSの本社ではレイコとレオが話をしていました。
「エリコの連中を見逃したそうだな。」レオが言いました。
「はい。エリコのリーダーは倒れ、残りのメンバーも戦意を喪失しました。よってあれ以上の戦いは無意味と判断しました。」レイコが言いました。
「その甘さが命取りになるのだ、レイコ。目標を失ったエリコはきっと自棄を起こして再び我が社に攻め込んでくる。企業には時に徹底した対応が求められるのだ。」レオが言いました。
「すみません。」レイコが言いました。
「後のことは私に任せろ。直ちに妖精機巧軍を送り込み、エリコを壊滅させる。」レオが言いました。
「色々と大変だろうけど、私も出来る限り力になるよ。」モエが言いました。
「助かるわ。」シュンコが言いました。
そこへスプライト達が乗り込んできました。
「コイツらは……!」シュンコが言いました。
「SSSの新兵力……!」モエが言いました。
「どうやら私達を徹底的に潰すことに決めたみたいね。」シュンコが言いました。
「そんな……!」エリコのメンバーの一人が言いました。
「そうはさせないよ!」モエが言いました。
「変身!」モエが変身してパンチとキックでスプライト達を攻撃しました。
「反逆の翼翻せ!」シュンコも変身してマジカルナイフでスプライト達を攻撃しました。
残りのエリコのメンバー達も魔法の短機関銃を撃ってスプライト達を攻撃しました。
モエとエリコのメンバー達は通りに出てスプライト達と戦い始めました。
「マジカルマーダー!」シュンコがマジカルナイフでスプライトの一体を切りつけました。
「ウアアアアアアアッ……!」切りつけられたスプライトが爆発しました。
「フッ!ハアアッ!」モエがパンチをキックでスプライト達を攻撃しました。
スプライト達が魔法弾を放ち始めました。
「ウアッ……!」モエが魔法弾を受けて後退しました。
魔法の短機関銃を撃っていたエリコのメンバー達も魔法弾を受けて次々と倒れていきました。
「みんな……!」シュンコが飛んできた魔法弾をマジカルナイフで弾きながら言いました。
「シュンコさん、何か策は無いんですか!?」エリコのメンバーの一人が言いました。
「策なんて無い!」シュンコが言いました。
「えっ……?」エリコのメンバー達が言いました。
「鉄の意志と鋼の強さで敵を圧倒し殲滅する、それだけを考えるのよ!」シュンコが言いました。
スプライト達がシュンコに向けて一斉に魔法弾を放ちました。
シュンコはマジカルナイフで飛んできた魔法弾を全て弾きました。
「あっ……!」モエが言いました。「凄い……。」
シュンコはマジカルナイフを放って“ウィング”のカードを取り出しました。
「それは……!」モエが言いました。
「ユイ……あなたの無念……私が背負うわ!」シュンコがそう言うと同時にシュンコのマジカルチェンジャーが変化しました。
「ウール……。」シュンコが変化したマジカルチェンジャーを見て言いました。
シュンコが“ウィング”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。
「マルコ……イクコ……倒れた者達の想い……この翼に現出する!」そう言ってシュンコが変身しました。
「翼が……!」モエが言いました。
シュンコが翼で空中に浮かび上がりました。
「この翼叢雲に翻し、天空を分かつ剣となる!」そう言ってシュンコがマジカルブームを発動しました。
「マジカルダイブ!」シュンコは急降下してスプライト達に体当たりしました。
「ウアアアアアアアッ……!」スプライト達はシュンコの攻撃を受けて全て爆発しました。
「あの状況をたった一撃で覆して敵を全滅させた。」モエが言いました。
「みんな……共に力を合わせSSSの野望を打ち砕くのよ!」シュンコが言いました。
「シュンコさん……。」エリコのメンバーの一人が言いました。
「ん……?」シュンコが言いました。
「私達にはあんな戦いムリです。」そのメンバーが言いました。
「えっ……?」シュンコが言いました。
「私達がその戦いに加わっても、きっと足手纏いになるだけですよ。」そのメンバーが言いました。
「そんなことは……!」シュンコが言いました。
「私達は一旦エリコを離れます。その戦いが終わったら、また声を掛けて下さい。」そのメンバーが言いました。
そしてエリコのメンバーはその場を離れていきました。
「みんな……。」シュンコが言いました。「どうして……?」
「シュンコ……。」モエが言いました。
「モエ……。」シュンコが言いました。「私ではダメなの……?」
「えっ……?それは……。」モエが言いました。「オインク!」
「は……?」シュンコが言いました。
「オインク!」モエが言いました。
「あなた……気でも触れたの?」シュンコが言いました。
「違うよ。オインクの言葉で意見を伝えてみたんだよ。」モエが言いました。
「どういうつもりか分からないけど、何か言うならヒトの言葉で話して欲しいわ。」シュンコが言いました。
「ゴメン……。でも、一応言っとくけど、私はオインクの言葉でもガマンしてるからね?」モエが言いました。
「そう言えば、今日はあのブタ……もといオインクは一緒じゃ無いの?」シュンコが言いました。
「オインクなら今日は研究所に行って武器の実戦データの報告をしてるよ。」モエが言いました。「とは言ってもデータは全然集まって無いんだけど……。」
「そう……。」シュンコが言いました。
「とりあえず、仲間のことは私が何とかするよ。」モエが言いました。
「何とかって……どうするつもり?」シュンコが言いました。
「新しい仲間を探してあげるよ。」モエが言いました。
「新しい仲間……とは言ってもどうせ政府は私達に協力してはくれないんでしょ?」シュンコが言いました。
「うーん……。政府としてはマジカルカードのオリジナルを手にしたSSSは最大の脅威と見てるけど、みんながエリコと協力するかと言われると微妙かもな。」モエが言いました。
「ええ。」シュンコが言いました。
「でも、他に仲間になってくれる人がいないか何とか探してみるよ。私を信じて待ってて!」モエが言いました。
「分かったわ。」シュンコが言いました。
おわり