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魔法少女アンナ #7

 その日、SSSに捕らわれたユイを救出すべくSSSの本社に乗り込んだアンナはその実験室でアナザーアンナと対峙していました。

「お前にその子は救えない。諦めて降参サレンダーしろ。」アナザーアンナが魔法の拳銃をアンナに向けて言いました。

「SSSは私そっくりの人造魔法少女を作ったのか……。」アンナが言いました。

「同じなのは姿だけ。攻撃力は私の方が上回っている。」アナザーアンナが言いました。

「確かに……。しかも武器の召喚を無効にする隠された能力まで持っているのか……。」アンナが言いました。

「そうだ。この状況でお前に勝ち目は無い。降参サレンダーすれば命だけは助けてやっても良い。」アナザーアンナが言いました。

「彼女がここに捕らわれた原因は私にある。だから私は彼女を救う為に戦い続ける。」アンナが言いました。

「何故だアンナ?君の任務はキャプターを撲滅することだろう?何故彼女を救うことにこだわる?」アナザーアンナが言いました。

「それは……。」アンナが言いました。

「良心か?哀れだな。必要に応じて躊躇無く倫理を無視出来る。それが私達人造魔法少女の強みじゃないのか?その強みを発揮出来ない君は要するに弱いということだ。」アナザーアンナが言いました。

「くっ……!」アンナが言いました。

「それに比べて私は有能だ。何の疑問も抱くことなく任務に集中出来る。」アナザーアンナが言いました。

「私は……。」アンナが言いました。

「もう分かっただろう?最後にもう一度だけチャンスをあげても良い。彼女のことは諦めて降参サレンダーするんだ。そうすれば君は本来君が持つべき強さを取り戻せるハズさ。」アナザーアンナが言いました。

「イヤだ。」アンナが言いました。

「悪いけれど、もう一度言ってみてくれないか?」アナザーアンナが言いました。

「イヤだ。私は降参サレンダーなんてしない!」アンナが言いました。

「ああ……。君には本当にガッカリさせられたよ。クイーンの作り出した人造魔法少女がこれ程の無能だったなんて……。」アナザーアンナが言いました。

「くっ……!」アンナが言いました。

「仕方が無いか。君にはここで死んで貰う。」アナザーアンナが言いました。「君は本当に無能だったな。」

「それは違うのよ!」そう言ってヨウコが姿を現しました。

「ヨウコ……!」アンナが言いました。

「チッ……!」アナザーアンナが言いました。

「遅れて悪かったのよ!あのキャプターに川に落とされて……。」ヨウコが言いました。

「どうしてここが分かったんですか?」アンナが言いました。

「アンタの考えることなんてお見通しなのよ。あなたが行った場所はエリコの拠点みたいだったし、そのエリコはここで暴れてるしね。」ヨウコが言いました。

「ヨウコ……。」アンナが言いました。

「さあ、私の相棒から離れるのよ!」そう言ってヨウコがアナザーアンナにマジカルジッテを向けました。

「くっ……!」アナザーアンナが魔法の拳銃をヨウコに向けました。

「あっ……!」ヨウコが言いました。

 ヨウコはアナザーアンナに向かって走り出しました。

 アナザーアンナが魔法の拳銃を撃ちました。

 ヨウコは飛んできた魔法弾をマジカルジッテで弾こうとしましたが、弾き切れずに転倒し、マジカルジッテを手放しました。

 アナザーアンナが倒れ込んだヨウコを撃とうとしました。

 そこへアンナがアナザーアンナに飛び掛かりました。

「ウアッ……!」アナザーアンナは怯んで魔法の拳銃を手放しました。

「あっ……!」ヨウコが言いました。

 アナザーアンナはアンナを突き飛ばしてパンチを繰り出しました。

 アンナはアナザーアンナのパンチを防ぎました。

 アナザーアンナはさらにパンチを繰り出しました。

 アンナはその攻撃を防ぐと、アナザーアンナにパンチを当てました。

 アナザーアンナはアンナの攻撃を受けても怯まずにパンチを繰り出しました。

 アンナはアナザーアンナの攻撃を受けて後退しました。

 アナザーアンナがさらにパンチを繰り出そうとしました。

「止まるのよ!」床に落ちた魔法の拳銃を拾い上げたヨウコがそれをアナザーアンナに向けて言いました。

「くっ……!」アナザーアンナが止まりました。

「ヨウコ……!」アンナが言いました。

「ハアッ!」アナザーアンナがアンナに飛び掛かりました。

「あっ……!」ヨウコが拳銃を撃とうとしましたが、間に合いませんでした。

 アンナとアナザーアンナが共に転倒して床を転がりました。

 アンナとアナザーアンナが立ち上がりました。

「ヨウコ……早く彼女を倒して下さい!」アナザーアンナが言いました。

「違います!倒すべきはあっちです!」アンナが言いました。

「えっ……?しまった!そういう作戦……?」ヨウコが言いました。

「早くしないと……時間が無い!」アナザーアンナが言いました。

「撃ってはいけません!私が本物です!」アンナが言いました。

「うーん……。どっちが本物なのか分からないのよ。」ヨウコが言いました。

「こんな時は質問をするんです!本物にしか答えられない質問をすれば、どちらが本物か分かるハズです!」アンナが言いました。

「確かに……。」ヨウコが言いました。

「時間がありません!早く質問を……!」アナザーアンナが言いました。

「えっと……それじゃあ……私が追っていた大悪党は……?」ヨウコが言いました。

「エッ……!」アンナが言いました。

「エックス!本名は不明。次々と窃盗事件を起こす魔法少女。」アナザーアンナがアンナより先に言い終えました。

「あっ……!」アンナが言いました。

「正解なのよ。」ヨウコが言いました。

「質問が悪いです!エックスのことならSSSも詳しいハズ……!」アンナが言いました。

「確かに……。」ヨウコが言いました。

「惑わされないで下さい!時間が無いんです!早く彼女を……!」アナザーアンナが言いました。

「煩いのよ!」そう言ってヨウコがアナザーアンナに魔法の拳銃を向けました。

「くっ……!」アナザーアンナが言いました。

「アンタに質問よ。」ヨウコがアンナに言いました。

「はい。」アンナが言いました。

「私の昔の相棒の名前は……?」ヨウコが言いました。

「あっ……!」アンナが言いました。

「ん……?答えられない……?」アナザーアンナが言いました。

「ケイコ。あなたと同じ時期にポリーがスカウトした魔法少女。調べさせて貰いました。優秀な魔法少女だったようですね。でも、警察として活動する裏で悪事を働いていた。」アンナが言いました。

「ええ……。」ヨウコが言いました。

「あなたは彼女の悪事に気付き、それを止めようとした。そして彼女と戦いになり、彼女を殺してしまった。そのことがあなたの心に深い傷を残した。」アンナが言いました。

「そうよ。」ヨウコが言いました。

「そして今……あなたはまたその手で相棒を殺してしまうかも知れない状況に立たされている。それなのに、私は……!」アンナが言いました。

「アンタ……。」ヨウコが言いました。

「ヤツとは私が決着をつけます!」アンナが言いました。

「ハアアアアアアアッ!」アンナがアナザーアンナにパンチを繰り出しました。

「ウアアッ……!」アナザーアンナが怯みました。

「な……何をしてるんです?」体勢を立て直したアナザーアンナがヨウコに言いました。「早くアイツを……!」

「ハアアッ!」アンナがさらにパンチを繰り出しました。

 アナザーアンナはアンナの攻撃を防ぐとアンナを殴り飛ばしました。

「さっきの質問なら私も答えられました!もしまだ迷っているのでしたら次の質問を……!」アナザーアンナが言いました。

「いや……その必要は無いのよ。」ヨウコが言いました。

「えっ……?」アナザーアンナが言いました。

「偽物はアンタよ。」ヨウコがアナザーアンナに言いました。

「な……!」アナザーアンナが言いました。

「消えるのよ。」ヨウコが魔法の拳銃を撃ちました。

「ウアアアアアアアッ……!」アナザーアンナが魔法弾を受け爆発しました。

「ヨウコ……。」アンナが立ち上がって言いました。

「アンナ……。」ヨウコが言いました。

「ありがとうございます。」アンナが言いました。

「早くあの子を助けてあげるのよ。その為に来たんでしょ?」ヨウコが言いました。

「はい。」アンナが言いました。

 その瞬間、装置が起動し、ユイが消滅しました。

「そんな……!」アンナが言いました。

「ウソ……?」ヨウコが言いました。

「ククククク……!」レオが姿を現しました。

「アンタは……!?」ヨウコが言いました。

「私はレオ、この会社の最高経営責任者だ。」レオが言いました。

「レオ……!」アンナが言いました。

「実に良いバトルを見せて貰った。我が社の人造魔法少女を倒すとは……。まあ、それも我が社の武器があってこそか……。」レオが言いました。

「アンタもこの武器の餌食にしてやるのよ!」そう言ってヨウコが魔法の拳銃を構えました。

「ユイは……?ユイをどうしたの!?」アンナが言いました。

「彼女から魔力を抽出させて貰った。最高の魔力だ。これで最強の兵器を作り上げることが出来る。」レオが言いました。

「あの子の魔力で兵器を……!?」ヨウコが言いました。

「そう。我が社の発展の為に彼女には生贄となって貰った。」レオが言いました。

「そんな……!」アンナが言いました。

「許せないのよ!」ヨウコが言いました。

「だったらどうする?」レオが言いました。

「処刑よ!アンタをこの場で処刑してやるのよ!」ヨウコが言いました。

「やれるものならやってみると良い。」レオが言いました。

「ハアッ!」ヨウコが魔法の拳銃を撃ちました。

「フン!」レオが掌から魔法弾を放ってヨウコの攻撃を打ち消しました。

「なっ……!」ヨウコが言いました。

「言い忘れていたが、抽出した魔力の一部は私の物とさせて貰った。」レオが言いました。

「確かに……ヤツの力を測定することが出来ずにいました。」アンナが言いました。

「桁外れの能力ってこと……?」ヨウコが言いました。

「その身で味わって知るが良い。」レオが言いました。

「ハアアッ!」レオがヨウコに魔法弾を放ちました。

「ああっ……!」ヨウコが言いました。

「ヨウコ……!」アンナがヨウコの前に立ってレオの攻撃を受けました。

「ウアアアッ……!」アンナが倒れ込みました。

「アンナ……!」ヨウコがアンナに駆け寄りました。

「フッ……。」レオが言いました。

「しっかりするのよ、アンナ!」ヨウコが言いました。

「ウッ……!ウウッ……!」アンナはそのまま変身を解除して動かなくなりました。

「アンナ……!アンナ……!」ヨウコが言いました。

「さあ、今度こそ君の番だ。」そう言ってレオが構え直しました。

「くうっ……!」ヨウコが言いました。

 その瞬間、アンナとヨウコが瞬間移動でその場から姿を消しました。

「フン。クイーンか……。」レオが言いました。「だが、今更どうすることも出来まい。」


 おわり

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