魔法少女エリコ #3
その日、マルコはセーフルームのある建物の一室に一人でいました。
その頃、アンナとヨウコはとある通りに訪れていました。
「変身！」アンナとヨウコが変身しました。
「行くのよ。」ヨウコが言いました。
「はい。」そう言ってアンナがマジカルディテクターを起動しました。
「どうなのよ？」ヨウコが言いました。
「多数の人物を探知しました。これは……。」アンナが言いました。
「どうしたのよ？」ヨウコが言いました。
「どうやらこの近くの建物に先日取り逃がした“ポイズン”の魔法少女と彼女が連れていた少女がいるようです。」アンナが言いました。
「この間の……！？」ヨウコが言いました。
「しかも他にも複数の人物が集まっているようです。」アンナが言いました。
「こんな場所に人が……？怪しいのよ。」ヨウコが言いました。
「犯罪組織の可能性があります。」アンナが言いました。
「ひょっとしてエリコ……？」ヨウコが言いました。
「それと別の場所に“ランページ”のカードを使用しているキャプターがいるようです。」アンナが言いました。
「“ランページ”……？」ヨウコが言いました。
「非常に強い力を持った危険なカードのようです。」アンナが言いました。
「犯罪組織も気になるけど、その危険なカードもほっとけないのよ。」ヨウコが言いました。
「ではこうしましょう。私がその集団の調査を行います。ヨウコは“ランページ”のカードを追って下さい。」アンナが言いました。
「アンタ一人で大丈夫なの？」ヨウコが言いました。
「平気です。上手く立ち回ります。」アンナが言いました。
「分かったのよ。」ヨウコが言いました。
「ヨウコこそ、お気をつけて。」アンナが言いました。
「分かってるのよ。」ヨウコが言いました。
アンナが魔法の拳銃を手にマルコのいる部屋に入りました。
「ん……？」マルコがアンナに気付きました。
「魔法少女だね？」アンナが言いました。
「ええ。そうよ。」マルコが言いました。「あなたは……？」
「アンナ。警察だよ。」アンナが言いました。
「警察……？」マルコが言いました。
「“ポイズン”のカードを持った魔法少女を追っているんだ。知ってる？」アンナが言いました。
「ええ。でも彼女は渡さない。イクコは私達の仲間よ。」マルコが言いました。
「仲間……？」アンナが言いました。
「ええ。彼女は助けを求めている。そして私は彼女を助けたいと思った。」マルコが言いました。
「でも、彼女はマジカルカードを持っている。犯罪者さ。」アンナが言いました。
「それで良いの？彼女がカードを手にしたのは、生き残る為よ。彼女に罪は無いわ。」マルコが言いました。
「生き残る為……？」アンナが言いました。
「襲われたのよ。カードを使わなければ彼女も彼女と一緒に居るあの子もきっと死んでた。」マルコが言いました。
「彼女にそんな事情が……。」アンナが言いました。
「目を覚まして。あなたも私達に力を貸して。そうすればきっと多くの人々を救うことが出来るわ。」マルコが言いました。
「君達は一体……？」アンナが言いました。
「エリコ。」マルコが言いました。
「エリコ……！」アンナが言いました。
「政府にとって私達は平和を乱す敵なのかも知れないけれど、そうじゃないわ。私達は政府と戦うつもりは無い。ただ、平和を守りたいだけよ。思いはあなたも同じハズ……！」マルコが言いました。
「分かった。」そう言ってアンナが魔法の拳銃を下ろしました。
「君達を信じるよ。でも、君達の仲間になる訳じゃない。キャプターの事件を終わらせる為にお互いに協力し合うんだ。」アンナが言いました。
「それなら……。」マルコが言いました。
その瞬間、無数の魔法のヘリコプターがその建物に近づいてきました。
「何……？」マルコが言いました。
「SSSだ！」アンナが言いました。
「SSS……？」マルコが言いました。
「私達の捜査情報はSSSに筒抜けなんだ！」アンナが言いました。
「そういうこと……。」マルコが言いました。
「まさかこんなに早く来るなんて……！」アンナが言いました。
「とにかく皆に知らせないと……！」そう言ってマルコが部屋を出ました。
エリコのメンバー達が建物の外に逃げ出しました。
警備員達が魔法のヘリコプターから降下して魔法の短機関銃でエリコのメンバーを攻撃し始めました。
「行くわよ！」シュンコがマルコに言いました。
「ええ！」マルコが言いました。
「反逆の翼翻せ！」シュンコが変身しました。
「反旗を翻せ！」マルコが変身しました。
マルコとシュンコが他のメンバーを逃がしながら警備員達と戦い始めました。
イクコはユイと共に通りを逃げていました。
そこへ多数の警備員達が先回りして短機関銃を撃ち始めました。
警備員達の攻撃により近くを逃げていたエリコのメンバー達が倒れていきました。
「お姉ちゃん……！」ユイが言いました。
「変身！」イクコが“ポイズン”のカードを使って変身しました。
「フッ！」イクコがマジカルボウから魔法の矢を放って警備員達を攻撃しました。
アンナはその建物の屋上に上がってエリコとSSSの戦いの様子を窺っていました。
「これは……。」アンナがイクコとユイのいる場所を見て言いました。
「やはりSSSの狙いは“ポイズン”のカード……？それとも……まさか……？」アンナが言いました。
マルコは多数のマジカルソルジャー達を警備員達と戦わせ、自身もパンチとキックで警備員達を倒していきました。
シュンコもマジカルナイフで警備員達を次々と倒していきました。
一機の魔法のヘリコプターから一人の警備員が魔法の短機関銃を構えました。
「シュンコ……！」マルコがその警備員を見て言いました。
「ええ……！」そう言ってシュンコが魔法の翼で空を飛びました。
「ハアッ！」シュンコがマジカルナイフでその警備員を倒しました。
「くっ……！」シュンコが周囲を飛ぶ魔法のヘリコプターを見て言いました。
魔法のヘリコプターに乗った警備員達が魔法の短機関銃でシュンコを攻撃し始めました。シュンコは空中を移動して警備員達の攻撃をかわしました。
イクコは襲って来た警備員達を全滅させました。
そこへレイコが姿を現しました。
「あなたは……！？」イクコが言いました。
「その子を渡して貰うわ。」レイコが言いました。
「ユイを……！？」イクコが言いました。
「そう。マジカルカードのオリジナルを……！」レイコが言いました。
「変身！」レイコが“ホーン”と“ブレイク”のカードを使って変身し、マジカルテックランスを構えました。
「くっ……！」イクコが言いました。
レイコがイクコに向かって歩き出しました。
イクコがレイコに向けて魔法の矢を放ちました。
レイコはマジカルテックランスで魔法の矢を弾きながらイクコに近づいていきました。
「フン！」レイコがマジカルテックランスでマジカルボウを弾き飛ばしました。
「ハアッ！」さらにレイコはマジカルテックランスでイクコを叩きました。
「アアッ……！」イクコが怯みました。
「お姉ちゃん……！」ユイが言いました。
「くうっ……！」イクコは体勢を立て直しました。
イクコが背中から魔法の触手を生成し、それを伸ばしてレイコに攻撃を仕掛けました。
「フッ！」レイコがマジカルテックランスで魔法の触手を弾きました。
「ハアッ！」レイコがマジカルテックランスでイクコを突き飛ばしました。
「ウアアッ……！」イクコが地面を転がりました。
「あっ……！」空を飛ぶシュンコがイクコとレイコの戦いに気付きました。
シュンコはイクコの元へ行こうとしましたが、警備員達の攻撃によって阻まれました。
「くっ……！」シュンコが言いました。
そこへ一発の魔法弾が飛んできて警備員の一人が倒れました。
「えっ……？」そう言ってシュンコがその魔法弾が飛んできた方を見ました。
アンナが魔法の拳銃を撃ってシュンコを狙うもう一人の警備員倒しました。
「誰……？」シュンコが言いました。
アンナがさらにもう一人の警備員を倒すと、腕を振ってシュンコに合図を送りました。
「恩に着るわ。」そう言ってシュンコはイクコの元へと飛んでいきました。
「くっ……！」イクコは立ち上がろうとしましたが、立ち上がることが出来ずにいました。
「フッ……。」そう言ってレイコはユイに近づいていきました。
「逃げて……ユイ……！」イクコが言いました。
「あっ……！」そう言ってユイはレイコから逃げようとしました。
そこへ警備員達が先回りしてユイを捕らえました。
「お姉ちゃん……！」ユイが言いました。
「ユイ……！」イクコが言いました。
警備員達がユイを連れて行こうとしました。
そこへ上空からシュンコが近づいていきました。
「そこまでよ！」シュンコが言いました。
「ムダよ！」そう言ってレイコが魔法線を放ってシュンコを攻撃しました。
「ウアアアッ……！」シュンコはレイコの攻撃を受けて地面に墜落しました。
「くっ……！」シュンコが立ち上がりました。
シュンコの前にレイコが立ちはだかり、マジカルテックランスを構えました。
「どきなさい！」そう言ってシュンコがマジカルテックナイフを構えました。
「ユイ……！」イクコが言いました。
警備員達がユイを連れ去りました。
「あなた……ユイをどうするつもり……！？」シュンコが言いました。
「あなたに教える必要は無いわ。」レイコが言いました。
「あなた……！」そう言ってシュンコはレイコに切りかかりました。
レイコはマジカルテックランスを使ってシュンコの攻撃を防ぎました。シュンコは続けて何度も攻撃を仕掛けましたが、レイコは全ての攻撃を防ぎました。
シュンコはレイコから距離を取ってマジカルナイフを構え直しました。
「コイツ……出来る……！」シュンコが言いました。
「あの子のことは忘れた方が良い。お互いの為よ。」そう言ってレイコはその場を去りました。
「くっ……！」シュンコが言いました。
「ユイ……！」イクコが言いました。
「大丈夫……？」そう言ってシュンコがイクコに手を差し伸べました。
イクコはシュンコの手を掴んで立ち上がりました。
「ユイ……。」イクコが言いました。
そこへマルコが駆けつけました。
「シュンコ……！」マルコが言いました。
「マルコ……。」シュンコが言いました。
「どうやら敵はいなくなったみたいね。」マルコが言いました。
「ええ。目的を果たしたからね。」シュンコが言いました。
「目的……？」マルコが言いました。
「ユイが連れ去れたわ。」シュンコが言いました。
「ユイが……！？」マルコが言いました。
そこへアンナが駆けつけました。
「遅かった……！」アンナが言いました。
「あなたは……。」シュンコが言いました。
「あなた……！」イクコが言いました。
「アンナ……。」マルコが言いました。「ユイが連れ去れたわ。」
「ユイ……。あの子の名前……？じゃああの子は……！」アンナが言いました。
「ひとまずセーフルームに戻りましょう。」マルコが言いました。
おわり
