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魔法少女アンナ #6

 その日、アンナは警察署でヨウコと話をしていました。

「目撃情報を整理してみたところ、キャプターと思しき人物がいる場所が特定出来ました。」アンナが言いました。

「アンタの分析ならきっと間違い無いのよ。」ヨウコが言いました。

「参考にした情報の中には比較的古い物も含まれています。或いはそのキャプターは長く活動を続けている人物かも知れません。」アンナが言いました。

「つまり、例の黒フードの人物の正体も知っているかも知れないワケね。」ヨウコが言いました。

「はい。」アンナが言いました。

「それじゃあ早速行ってみるのよ。」ヨウコが言いました。


 アンナとヨウコはとある通りを訪れました。

「そのキャプターはこの通りのどこかに潜伏していると考えられます。」アンナが言いました。

「正確な場所までは特定出来て無いワケね?」ヨウコが言いました。

「すみません。」アンナが言いました。

「十分なのよ。後はローラー作戦あるのみよ。」ヨウコが言いました。

「はい。」アンナが言いました。

 その傍をイクコが通りかかりました。

 イクコはアンナとヨウコを見て素早く物陰に隠れました。

「それじゃあ私はあっちから行くのよ。」ヨウコが言いました。

「それでは私は反対側を捜査します。」アンナが言いました。

 イクコはアンナとヨウコの会話を聞いてすぐさま部屋へと走り出しました。


 ユイは部屋でイクコを待っていました。

 そこへイクコが駆け込んできました。

「どうしたの、お姉ちゃん?」ユイが言いました。

「急いで……ここから出るのよ!」イクコが言いました。

「えっ……?」ユイが言いました。「どういうこと……?」

「良いから……早く……!」イクコが言いました。


 イクコはユイを連れて部屋から出ました。

 そこへヨウコがやって来ました。

 イクコはユイと共にヨウコの横を駆け抜けていきました。

「ん……?」そう言ってヨウコがイクコとユイを見ました。

 そしてヨウコはイクコとユイの部屋を見ました。

「ちょっと……!」ヨウコがその部屋のドアが開けっぱなしになっていることに気付いて急いでイクコとユイを追い始めました。


 イクコとユイはそのアパートを出ました。

「待つのよ!」そう言ってヨウコがイクコとユイを追いかけてきました。

「ユイ……!」そう言ってイクコはユイと共にヨウコから逃げ始めました。

 ヨウコはすぐにイクコとユイに追いつきました。

「警察よ!」ヨウコが言いました。

「警察……?」ユイが言いました。

「一体警察が何の用……?」イクコが言いました。

「そっちこそ……何で逃げるのよ?」ヨウコが言いました。

「それに……。」ヨウコがイクコのマジカルチェンジャーを見て言いました。

「魔法少女ね?」ヨウコが言いました。

 イクコは黙っていました。

「そのマジカルチェンジャーはマジカルカードを読み取るタイプよ。カードを持ってるのね?」ヨウコが言いました。

「ユイ……少し離れてて……。」イクコが言いました。

 ユイは通りの端へと移動しました。

 イクコが“ポイズン”のカードをマジカルチェンジャーに挿入しました。

「な……!」ヨウコが言いました。

「変身!」イクコが変身しました。

「変身!」ヨウコが変身しました。

 イクコがマジカルボウを構えました。

 ヨウコがマジカルジッテを構えました。

 そこへアンナが通り掛かりました。

「ヨウコ……!」アンナが言いました。

「変身!」アンナが変身しました。

「くっ……!」イクコが言いました。

「レベル7……それに“ポイズン”のカード……。」アンナがイクコを見て言いました。

「ヨウコ、気をつけて下さい!その魔法少女はマジカルカードの力で魔法の毒を生成する上、隠された能力により触手を生成することも出来るようです!」アンナが言いました。

「それは……ヤバいのよ。」ヨウコが言いました。

「ん……?」アンナがユイを見て言いました。「まさか……。」

「ハアッ!」イクコがヨウコに魔法の矢を放ちました。

「フッ!」ヨウコがマジカルジッテで魔法の矢を弾きました。

 魔法の矢が地面に刺さり、魔法の毒によって地面が腐食されました。

「ウソでしょ?」ヨウコが腐食された地面を見て言いました。

「ハアッ!」アンナが触手を生成してヨウコを突きました。

「ウアッ……!」ヨウコが転倒しました。

「ウアアアッ……!」ヨウコが魔法の毒を受けてもがきました。

「ヨウコ……!」アンナが言いました。

「今の内よ!」そう言ってイクコがユイを連れて逃げ出しました。

 アンナがヨウコに駆け寄りました。

「ヨウコ……!しっかりして……!」アンナが言いました。

「私のことは良いから……早くアイツを……!」ヨウコが言いました。

「くっ……!」そう言ってアンナはイクコとユイを追いかけました。


 イクコとユイは四車線の大通りに出ました。

 その通りは車が激しく行き来していました。

 イクコとユイはその通りを渡ろうとして足を止めました。

「お姉ちゃん……!」ユイが言いました。

 そこへアンナが迫って来ました。

「行くわよ、ユイ!」イクコが言いました。

 イクコはユイを連れてその大通りを横切り始めました。車の通らないタイミングを見計らい一車線ずつ越えて行き、中央分離帯へと辿り着きました。

 アンナがその大通りで足を止めました。

「くっ……!」アンナが言いました。

 イクコは中央分離帯からアンナの様子を伺いました。

 アンナはマジカルスタイラスで歩道橋を実体化させようとしました。

「くっ……!」そう言ってイクコが魔法の矢を放ちました。

 イクコの放った魔法の矢がマジカルスタイラスに直撃し、マジカルスタイラスがふっ飛ばされました。

「な……!」アンナが言いました。

「今よ!」そう言ってイクコがユイを連れて反対車線も越えようとし始めました。

「くっ……!」そう言ってアンナがその大通りを越え始めました。

 イクコとユイが車線を一つ越えたところで、イクコがアンナが迫っていることに気付きました。

 アンナは素早く通行車両をかわして中央分離帯へと辿り着きました。

 そこでイクコが魔法の矢を放ちました。

 アンナは飛んできた魔法の矢をかわしました。

 その魔法の矢はアンナの後ろの二車線を越えて標識に直撃しました。

 その標識は歩道側に折れた後、魔法の毒で腐食されていきました。

「あっ……!」アンナが腐食された標識を見て言いました。

 そしてアンナは通行車両に目を向けました。

「うっ……!」アンナが両手を上げて動きを止めました。

 イクコはユイを連れて大通りを渡り切り、そのままその場を離れました。

「くうっ……!」アンナが言いました。

「アンナ……!」ヨウコがその大通りに辿り着きました。

「そこで何やってるのよ!?」ヨウコが言いました。

「あの二人が向こう側に……!」アンナが言いました。

「何ですって……?」ヨウコが言いました。

 ヨウコが倒れて腐食された看板に気付きました。

「うああっ……。」ヨウコが言いました。

「すみません!逃げられました!」アンナが言いました。

「仕方が無いのよ!」ヨウコが言いました。

「それにしても、全然止まらないのね。」ヨウコが通行車両に目を向けて言いました。


 アンナとヨウコはとある通りを歩いていました。

「それにしてもあの魔法少女……何なのよ?」ヨウコが言いました。

「彼女が連れていた少女についても気になります。」アンナが言いました。

「あの魔法少女の妹……?」ヨウコが言いました。

「いえ……。」アンナが言いました。

 そこへレイコが姿を現しました。

「アンタは……!」ヨウコが言いました。

「レイコ……。」アンナが言いました。

「探したわ、アンナ。」レイコが言いました。

「アンナに何の用よ?」ヨウコが言いました。

「私達も警察の捜査に是非協力したいと考えているの。」レイコが言いました。

「協力……?」アンナが言いました。

「ええ。アンナ、人造魔法少女であるあなたの分析能力と我が社の技術力とが組み合わさればキャプター達を追い詰めることが出来るわ。」レイコが言いました。

「SSSの技術力とは……?」アンナが言いました。

「我が社はマジカルチェンジャーに接続して使用することで周囲にいる人物の居場所を把握する装置を開発したの。」そう言ってレイコが魔法の探知機“マジカルディテクター”を取り出しました。

「周囲の人物を把握する装置……?」ヨウコが言いました。

「そう。さらに分析能力を持った魔法少女が使用することでその人物のレベルや特殊能力、カードを使用しているならそのカードの種類を判別出来るようになるわ。」レイコが言いました。

「分析能力を持った魔法使いってのがつまりアンナのことね?」ヨウコが言いました。

「つまり私がその装置を使えば付近にいるキャプターの情報を把握することが出来ると……?」アンナが言いました。

「そうよ。」レイコが言いました。

「それで、その情報はアンタの会社にも送られる仕組みになってるのよね?」ヨウコが言いました。

「勿論……。」レイコが言いました。

「何を企んでるのよ?」ヨウコが言いました。

「我が社の力でキャプターを根絶出来るか試してみたいと考えているの。」レイコが言いました。

「要するに、アンタの会社の部隊とキャプターとを戦わせて実戦データを取りたいってワケね。」ヨウコが言いました。

「そうね。」レイコが言いました。

「いずれにせよ今の私達にはより多くの手掛かりが必要です。この誘いに乗ってみても良いのでは無いでしょうか?」アンナが言いました。

「うーん……。アンタがそう言うんだったら、試してみても良いのよ。」ヨウコが言いました。

「決まりね。」そう言ってレイコがマジカルディテクターを差し出しました。

「どうも。」アンナがマジカルディテクターを受け取って言いました。

「共に世界の平和の為に頑張りましょう。」そう言ってレイコがその場を離れました。

「どうも胡散臭いのよ。」ヨウコが言いました。

「そうですね。おそらくSSSの狙いはキャプターの持つマジカルカード……。ですが、この装置の特性上、我々の方がSSSよりも早く発見したキャプターと交戦することが出来るハズ……。」アンナが言いました。

「そうね。連中が来るよりも先にキャプターを倒せれば問題は無くなるワケよね。」ヨウコが言いました。

「試してみる価値はあると思います。」アンナが言いました。

「でも、今日は疲れたからまた今度にするのよ。」ヨウコが言いました。

「分かりました。」アンナが言いました。


 おわり

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