魔法少女X #10
その日、ミチコはハルナのアジトでハルナと話していました。
「結局アレから一枚もカードを集められていないわね。」ミチコが言いました。
「でも、ミチコちゃんの集めた情報のおかげで一定の収入は得られてるから良いんじゃない?」ハルナが言いました。
「そう言えば、ハルナは何も成果を挙げて無くない?まさかとは思うけど、サボってたりする?」ミチコが言いました。
「この私を疑ってるの?」ハルナが言いました。
「私のような悪党は他人を完全には信用しないのよ。」ミチコが言いました。
「良いね、そういう関係。」ハルナが言いました。
「まあ、別にサボってるだけなら責めたりもしないけど……。」ミチコが言いました。
「私も悪党だからホントのことは言わないかもだけど、心配しなくて大丈夫だよ、そう簡単には裏切らないから。」ハルナが言いました。
「良いわ。」ミチコが言いました。
そこへツバキがやって来ました。
「やあ、お二人さん。」ツバキが言いました。
「ツバキ……!」ミチコが言いました。
「ツバキさん……。」ハルナが言いました。
「クリスマスだね。調子はどうだい?」ツバキが言いました。
「そっか、クリスマスか……。ミチコちゃん、パーティしようよ!」ハルナが言いました。
「クリスマスソングでも歌う?」ミチコが言いました。
「良いね!」ハルナが言いました。
「そんなことより、政府の仕事を受けてみないかい?」ツバキが言いました。
「報酬次第ね。」ミチコが言いました。
「そこに関しては期待して良いよ、クリスマスだし。」ツバキが言いました。
「年末ジャンボ報酬?」ハルナが言いました。
「まあ、サンタクロースが一般家庭に配るオモチャよりは高い額を保障しよう。」ツバキが言いました。
「それって言って大したこと無いんじゃ……?」ミチコが言いました。
「一応それなりの額はくれるんだよね?」ハルナが言いました。
「モチロン!」ツバキが言いました。
「それで、何をすれば良いの?」ミチコが言いました。
「武器の実戦データを収集して欲しいんだ。」そう言ってツバキがマジカルテックモバイルを手渡しました。
「武器の実戦データ……?要するに、政府の武器を使って敵を倒せば良いってこと?」ミチコがマジカルテックモバイルを受け取って言いました。
「ピンポーン!」ツバキが言いました。
「ツバキさん、本来はメカニックだもんね。」ハルナが言いました。
「元々はモエが実戦データを集めてくれることを期待していたんだけど、思ったよりも集まりが悪くてね。」ツバキが言いました。
「それで私達に声が掛かったってワケね。」ミチコが言いました。
「クリスマスには浮かれて騒ぎを起こすヤツも出るだろう?キャプターの一人くらい出てくるさ。ソイツを相手に武器を試して欲しい。」ツバキが言いました。
「このケータイを使って武器を召喚して、それをただ使えば良いの?」ミチコが言いました。
「そうさ!それで後で話を聞かせて欲しい。」ツバキが言いました。
「分かったわ。」ツバキが言いました。
「どうせなら、アレも使ってみたい!カエデちゃんが着けてるちょっと変わったヤツ!」ハルナが言いました。
「あのマジカルチェンジャーはケイトリンの特別製でね、私の専門外なんだよ。」ツバキが言いました。
カエデはオフィスでケイトリンと話していました。
「クリスマスだね、ケイトリン。」カエデが言いました。
「はい。そこで、ちょっとしたお願いがあります。」ケイトリンが言いました。
「もしかして……プレゼントが欲しいの?」カエデが言いました。
「変身が見たいです。」ケイトリンが言いました。
「えっ……?変身……?」カエデが言いました。
「はい。」ケイトリンが言いました。
「それだけで良ければ……。」カエデが言いました。
「変身!」カエデが変身しました。
「ありがとうございます。」ケイトリンが言いました。
「ナイフに拳銃に後それと……ラインナップはそれ程多くないわね。」ミチコがマジカルテックモバイルを操作しながら言いました。
「まあね。他に試せる物も無くてね。」ツバキが言いました。
「なんかそれならミチコちゃん一人で出来ちゃいそうだね。」ハルナが言いました。
「えっ……?堂々とサボる気……?」ミチコが言いました。
「違うよ。パーティの準備をしたいんだよ。」ハルナが言いました。
「まあ、それなら良いけど……。」ミチコが言いました。
「チキンでも食べるのかい?」ツバキが言いました。
「日本人なら鍋でしょ!」ハルナが言いました。
「えっ……?鍋……?」ミチコが言いました。
「やっぱりチキンが良い?」ハルナが言いました。
「いや、何でも良いわ、クリスマスにそこまでこだわりは無いし。」ミチコが言いました。
「それじゃあ鍋にしよう!」ハルナが言いました。
「寄せ鍋?」ミチコが言いました。
「良いよ!締めは雑炊!卵は一人二つ!」ハルナが言いました。
「贅沢で良いわね。」ミチコが言いました。
「それならいっそ、三つにしたらどうかな?」ツバキが言いました。
「うどんも入れよう!」ハルナが言いました。
「私も盛り上がって来たところだけど、私はこれで失礼するよ。」ツバキが言いました。
「ええ。」ミチコが言いました。
「依頼のこと、忘れないでね。」ツバキが言いました。
「心配しないで。」ミチコが言いました。
ツバキが去りました。
とある通りにクライマックスキャプターが姿を現しました。
「ホー!ホー!ホー!メリークリスマス!いや、メリークライマックス!ホー!ホー!ホー!」そう言ってクライマックスキャプターが掌から魔法弾を放って通りを破壊し始めました。
そこへミチコが駆けつけました。
「ツバキの言ってた通りね。」ミチコが言いました。
「ん……?」クライマックスキャプターがミチコを見て言いました。
「変身!」ミチコが変身しました。
ミチコがマジカルテックモバイルを操作してマジカルテックナイフを召喚し、それを右手に持ちました。
「ホー!ホー!ホー!魔法少女か……。良い子にはプレゼントをあげないとな!」そう言ってクライマックスキャプターがミチコに魔法弾を放ちました。
「ハアッ!」ミチコがマジカルテックナイフで魔法弾を切りました。
「何……!?」クライマックスキャプターが言いました。
「ザンネンだけど私は悪い子だからプレゼントを渡す対象にはならないわ!」ミチコが言いました。
「ホー!だが、攻撃を一度かわしたくらいで良い気になるな!悪い子にはお仕置きだ!」そう言ってクライマックスキャプターが魔法弾を放ちました。
「フッ!」ミチコは高速移動で魔法弾をかわすと、そのままクライマックスキャプターを切りつけました。
「ウアアアッ……!」クライマックスキャプターが怯みました。
ミチコはマジカルテックナイフを左手に持ち替えると、マジカルテックピストルを召喚してそれを右手で構えました。
「ハアッ!」ミチコはマジカルテックピストルを撃ってマックスキャプターを攻撃しました。
「クウッ……!」クライマックスキャプターが怯みました。
「たまにはいつもと違う拳銃も良いわね。」そう言ってミチコがマジカルテックピストルを見ました。
「ハアッ!」クライマックスキャプターが体勢を立て直して魔法弾を放ちました。
「フッ!」ミチコがマジカルテックナイフで魔法弾を弾きました。
「くっ……!」クライマックスキャプターが言いました。
そこへレイコが姿を現しました。
「ん……!?」クライマックスキャプターが言いました。
「レイコ……!」ミチコが言いました。
「変身!」レイコが“ホーン”と“ブレイク”のカードを使って変身しました。
「カードを使う魔法少女だと……!?」クライマックスキャプターが言いました。
「あなたのカードを回収させて貰うわ。」レイコが言いました。
「何……!?」クライマックスキャプターが言いました。
「でもその前に……。」そう言ってレイコがミチコにマジカルテックランスを向けました。
「また私……?」ミチコが言いました。
レイコがミチコに襲い掛かりました。
「ハアッ!」ミチコがマジカルテックピストルを撃ってレイコを攻撃しました。
レイコはミチコの攻撃を受けながらもマジカルテックランスでミチコを突こうとしました。ミチコはマジカルテックナイフでレイコの攻撃を受け流すとマジカルテックピストルを撃ちました。
「ウウッ……!」レイコが怯みました。
「ハアッ!」レイコはすぐさま体勢を立て直し、マジカルテックランスでミチコの構えたマジカルテックピストルを弾き飛ばしました。
「あっ……!」ミチコが言いました。
「ハアッ!」クライマックスキャプターが魔法弾でレイコを攻撃しました。
「ウッ……!」レイコが怯みました。
「ホー!ホー!ホー!この俺を無視するとは、悪い子だな!」クライマックスキャプターが言いました。
「くっ……!」そう言ってレイコがクライマックスキャプターに向かっていきました。
「よし……!」そう言ってミチコはマジカルテックナイフを放ると、マジカルテックメイスを構えてクライマックスキャプターに攻撃を加えるレイコに向かっていきました。
「ハアアッ!」ミチコがマジカルテックメイスでレイコを殴りました。
「ウアッ……!」レイコが怯みました。
ミチコがさらに連続でレイコを殴りました。レイコは転倒して地面を転がりました。
「せっかくだから開発中止の武器も使ってあげるわ。」そう言ってミチコが魔法の小銃を召喚しました。
ミチコは“ファイヤー”のカードを召喚すると、魔法の小銃に挿入しました。
「んっ……!?」レイコが体を起こして言いました。
「ハアアッ!」体勢を立て直したクライマックスキャプターがミチコに魔法弾を放ちました。
「ハアアアアッ!」ミチコが魔法の小銃を撃ちました。
魔法の小銃から放たれた魔法火炎弾がクライマックスキャプターの放った魔法弾を打ち消した後クライマックスキャプターに直撃して爆発しました。
「ウアアアアアアアッ……!」クライマックスキャプターが倒れました。
魔法の小銃から“ファイヤー”のカードが排出されました。
「開発が中止になったのが惜しい武器ね。」ミチコが言いました。
「くっ……!」立ち上がったレイコが“クライマックス”のカードを拾いました。
「カードは回収したわ!」レイコが言いました。
「それはどうかしら?」そう言ってミチコがマジカルムーブを発動しました。
「な……!」レイコが言いました。
「マジカルヘイスト!」ミチコが高速移動をしながらレイコにパンチを当てて怯ませ、“クライマックス”のカードを奪い取りました。
「貰ったわ!」ミチコが言いました。
「くっ……!」レイコが言いました。
ミチコは魔法の小銃に“クライマックス”のカードを挿入し、レイコに向けて構えました。
「良いわ。そのカードはあなたに譲るわ。」そう言ってレイコはその場から去りました。
「せっかくのクリスマスなのに、悪いことしちゃったわね。」ミチコが魔法の小銃を見ながら言いました。
「ま、でも私は悪い子だから……。」そう言ってミチコはハルナのアジトへと帰りました。
おわり