魔法少女フウ&魔法少女スイ #6
その日、二人はとある建物の屋上で話をしていました。
「ツバキさんが言ってた件についてどう思う?」フウが言いました。
「タイミングの話?」スイが言いました。
「うん。SSSを阻止するって話。」フウが言いました。
「そう言えばあの会社この間街壊してたよね。」スイが言いました。
「それってキャプターを阻止する為にやむを得ずってことになって無かったっけ?」フウが言いました。
「警察庁にはそう言ったみたいだけど、街を壊したんだからこれはもう言い訳出来ないでしょ。」スイが言いました。
「まあ、あの件は明らかにSSSのやり過ぎだとは思う。」フウが言いました。
「これはもう攻撃されても文句は言えないね。」スイが言いました。
「行っちゃう?」フウが言いました。
「本社を攻撃するのは無理でも、研究所の一つくらいなら行けるんじゃない?それくらいならもう仕方が無いでしょ?」スイが言いました。
「SSSがマジカルカードの研究に使用している施設なら分かってるけど、ホントにやっちゃう?」フウが言いました。
「このままタイミングを逃し続けて最悪の事態を迎えちゃどうしようも無いから、やっちゃおう。」スイが言いました。
「と言うか、やれるかな?」フウが言いました。
「厳しい?」スイが言いました。
「カエデさんかモエちゃんを呼んでみる……?」フウが言いました。
「ツバキさんも忙しいみたいなこと言ってたけど、あの二人も忙しいんじゃ無いの?」スイが言いました。
「あの二人が何してるのかよく分からないや。」フウが言いました。
「モエちゃんはこの間三枚もカードを集めてたよね。」スイが言いました。
「カエデさんは……?」フウが言いました。
「あの不愛想なネコの世話で忙しいんじゃない?」スイが言いました。
「ああ。アレね。なんか可愛く無いよね。」フウが言いました。
「最近カエデさんとこ行ってないけど、あのネコいると行きたくないよね。」スイが言いました。
「言えてる。」フウが言いました。
「アレの面倒を見なきゃいけないなら忙しいよね。」スイが言いました。
「でもカエデさんにはちょくちょく会って話しとかないとね。」フウが言いました。
「それはまた今度でしょ。とにかく今はSSSの件だよ。」スイが言いました。
「結局私達だけで行くしか無いか。」フウが言いました。
「こっちに来てまだ知り合いが出来てないしね。」スイが言いました。
「まあ、あまり同僚と仲良くなるような職場じゃ無いしね。」フウが言いました。
「単独行動が基本だからね。」スイが言いました。
「しょうがないから今から二人だけでその研究施設に行ってみようか?」フウが言いました。
「そうだね。」そう言ってスイが“ウェーブ”のカードを取り出しました。
「変身!」二人が変身しました。
SSSの研究所ではレイコがマジカルカードの研究を指揮していました。
その瞬間、警報が鳴り響きました。
「ん……?」レイコが言いました。「またしても侵入者か……。」
二人が警備員達を殴り倒しながらレイコの元へとやって来ました。
「あなた達は……政府の魔法少女ね。」レイコが言いました。
「それはどうかな?」フウが言いました。
「もし仮にあなたの言う通り私達が政府の回し者だとして、どうする?」スイが言いました。
「決まっているわ。我が社の不利益になる存在は排除する。」レイコが言いました。
「変身!」レイコが“ホーン”と“ブレイク”のカードを使って変身しました。
「カードを二枚も……!?」フウが言いました。
「暴走しないの?」スイが言いました。
「暴走なんてするハズが無いわ。」そう言ってレイコがマジカルテックランスを構えました。
フウがマジカルスラッシャーを、スイがマジカルシューターを構えました。
「ハアアッ!」フウがレイコに切りかかりました。
レイコはフウの攻撃をマジカルテックランスで弾くと、そのままマジカルテックランスでフウを殴り飛ばしました。
「ハアッ!」スイがマジカルシューターを撃ちました。
レイコはスイの攻撃を受けても怯まずにスイに向かって歩き出しました。
「ハアッ!」レイコはそのままマジカルテックランスでスイを突き飛ばしました。
「ウワアアッ……!」スイが床を転がりました。
「ハアアアアッ!」フウがレイコの背後から切りかかりました。
レイコはフウの攻撃を振り向かずにかわすと、フウを殴って怯ませた後、マジカルテックランスで殴り飛ばしました。
「ウッ……!」フウが壁に叩きつけられた後倒れ込みました。
「くっ……!」スイが立ち上がりました。
レイコがスイに向かって歩き出しました。
スイがマジカルシューターを構えました。
「フッ!」レイコがマジカルテックランスでスイの構えるマジカルシューターを弾き飛ばしました。
「ハアアッ!」レイコが続けてマジカルテックランスでスイを突きました。
「ウワアアッ……!」スイが後退した後床に膝を突きました。
「フッ。」レイコが言いました。
「くうっ……!」フウが立ち上がりました。
「フウ……!」そう言ってスイがフウをチューニングしました。
「フッ!」フウがマジカルスラッシャーを構え直しました。
「シンクロね。」レイコが言いました。
「ハアアアアッ!」フウがレイコに切りかかりました。
レイコはフウの攻撃をマジカルテックランスで受け止めました。フウはさらに攻撃を繰り出しレイコを切りつけましたが、レイコは怯まずにマジカルテックランスでフウを殴りました。
「ウアッ……!」フウが怯みました。
「ハアアッ!」レイコがマジカルテックランスでフウを突きました。
「ウアアアッ……!」フウが転倒してマジカルスラッシャーを手放しました。
「あなた達はこの研究所を潰しに来たようだけど、無駄よ。根本的にあなた達では私を倒せない。」レイコが言いました。
「うう……。」フウが言いました。
「くっ……!」スイが立ち上がりました。
スイがマジカルムーブを発動しました。
「ん……?」レイコが言いました。
「マジカルウェーブ!」スイが手から魔法弾を放ってレイコに攻撃を仕掛けました。
「くっ……!」レイコがマジカルテックランスでスイの放った魔法弾を受け止めました。
「ハアアッ!」レイコが受け止めた魔法弾を弾き飛ばしました。
弾き飛ばされた魔法弾が室内の装置に直撃した爆発しました。
「あっ……!」スイが言いました。
「言ったでしょう、あなた達では私を倒せないと?」レイコが言いました。
「くうっ……!」スイがレイコに殴り掛かりました。
レイコはスイのパンチをかわすと、スイをキックで怯ませてからマジカルテックランスで突き飛ばしました。
「ウアッ……!」スイが床を転がりました。
「フン。」レイコが言いました。
「こうなったら……!」フウは立ち上がってそう言うと、マジカルブースターを起動しました。
「ん……?」レイコがフウの方を向きました。
フウは高速移動で壁に張り付き、そこからさらに高速移動でレイコに跳び蹴りを繰り出しました。
「くっ……!ウアアアッ……!」レイコはマジカルテックランスでフウの攻撃を受け止めようとしましたが、間に合わずにふっ飛ばされました。
「ダメージを与えた!」スイが体を起こして言いました。
「クアアッ……!」フウがその場でよろめきました。
「フウ……!」スイが立ち上がって言いました。
「くうっ……!」レイコが立ち上がりました。
「くっ……!」フウが何とか体勢を整えました。
「少しはやるようね。でも、これ以上戦い続けることが出来るかしら?」レイコが言いました。
「行ける!まだ私の魔力は残っている!」フウが言いました。
「うん!魔力が残っている限り私達は諦めない!」スイが言いました。
「ならあなた達の魔力をゼロにするまでよ!」そう言ってレイコがマジカルテックランスを構え直しました。
「ウアアアアアッ!」そこへブリザードキャプターが姿を現しました。
「えっ……?」フウが言いました。
「暴走実験の被験体……。装置が故障して脱走したのね。」レイコが言いました。
「ハアアアアッ!」ブリザードキャプターが魔法の冷気をレイコに向けて放ちました。
「くっ……!」レイコがマジカルテックランスでブリザードキャプターの攻撃を防ぎました。
「氷属性の魔法使い……!」スイが言いました。
「まあ良いわ。この施設の研究は既に一定の成果を収めている。これ以上ここでの研究を続ける必要性は低いわ。」そう言ってレイコはその場を立ち去りました。
「えっ……?」フウが言いました。
「ここを潰しても無駄って言ってたけど、そういうこと……?」スイが言いました。
「うん……。」フウが言いました。
「そういうことなら先に言ってよ!」スイが言いました。
「力の差を見せたかったんじゃない?」フウが言いました。
「まあ……意味も無く勝負を挑まれると向こうも困るだろうしね。」スイが言いました。
「フン……。」ブリザードキャプターが二人の方を向きました。
「どうする?」フウが言いました。
「こうなったら倒すしか無いよね。仮に無視したとしても襲ってくるでしょ?」スイが言いました。
「フン!」ブリザードキャプターが構えました。
フウがマジカルムーブを発動しました。
「ハアアッ!」ブリザードキャプターが魔法の冷気を放ちました。
「マジカルトルネード!」フウが横に回転して宙に浮かび、ブリザードキャプターの攻撃を巻き上げながら連続でキックを繰り出しました。
「ウアアアアアアアッ……!」ブリザードキャプターがフウの攻撃を受けてふっ飛ばされました。
そしてブリザードキャプターはそのまま倒れました。
「よし……!」そう言ってフウが“ブリザード”のカードを拾い上げました。
「勝ったね。」スイが言いました。
「このキャプターには勝ったけど……。」フウが言いました。
「一応この研究所も潰せたでしょ?アイツはなんかこの研究所のことどうでも良いみたいなこと言ってたけど、ここが無くなればSSSの研究も少しは滞るんじゃない?」スイが言いました。
「でも、なんかもうマジックカードの実用化がかなり進んでるみたいだし……。」フウが言いました。
「それでも多分意味はあったよ。」スイが言いました。
「警告は出来たかな?」フウが言いました。
「良いじゃん、警告。」スイが言いました。
「うん。それじゃあ今日はこれくらいにしとこっか?」フウが言いました。
「うん!」スイが言いました。
おわり